罪悪感
団地での撮影が一通り終え、本社に戻り、シャワーを浴びて、会社を後にした。直行直帰でもいいのだが、さすがに我が家のお風呂場では洗う気になれない。何というか、仕事場での事は、家に持ち込みたくない。息子の和寿に何というか申し訳ない。仕事とはいえ、外で母親が知らない人とセックスをして、その後。我が家のシャワーで清めるなんて、和寿は私の仕事は知らないが、何というか気分がいいものではない。
帰りはいつも、18時から20時の間、晩御飯の買い出しをする。今日は何にしよーかしら。。
地元の商店街にくると、ホッとする。さっきまでのセックスが嘘のようだ。周りを見渡すと、いつものおじいちゃん、おばあちゃん。学校帰りの高校生達。子供を連れたお母さん達。何もかもが愛おしく見えてしまう。
この仕事が嫌いなわけじゃないが、たまに。ふと遠くの知らない世界に行きたくなる。そう和寿と一緒に。親子水入らず。。そうだ、、今年は連休を貰おう、どこか旅行に行こう。
新しいAVの撮影が落ち着いたら、、、、その前の大きなイベントが控えてるが。。。夏くらいには行けそうかな。。
とそう思い、、、お肉屋さんでコロッケを見ていたら、見知った後ろ姿が、ゲームセンターから出てくる小さな背中。。最近その小さな背中がどこか寂しげで、亡くなった旦那を思い出す。
和寿はよくこのあたりのゲームセンターで、遊んでると聞いた事がある。放課後は友達がいないから、18時までメダルゲームをして、暇を持て余してるらしい。学校から帰ってきたとしても、家に私がいないから、寂しい思いをさせてるのは事実だ、
「かずーーー!!」
私は少し小走りになり。近寄った。
「あ!ママ。。。今日は早いね。どうしたの?」
中学2年になっても和寿は私のことをお母さんと呼ばず、ママと呼ぶ。父親もいないせいか、少し甘やかしすぎて、脳みそが成長してないのかもしれない。そして、私は和寿の事を、かずと呼ぶ。
「お仕事早くおわったのよ‥かずは?メダル?」
「うん‥たくさん出たから、あずけてきた。18時までしかいれないから‥‥」
「いつもゴメンね‥お母さんの帰りが19時とか20時になっちゃうときもあって。。」
「いいよ‥ママも‥お仕事大変だもんね。」
そう言いながらもどこか少し寂しそうだった。和寿が親離れできてないのと、同じくらい私も子離れができてない。。少し心がギュっとなる。因みに和寿の前での1人称はお母さんにしている。
「今日は外食して?帰る?お母さん奮発するよ!」
「ママの!作ったハンバーグがいい。。」
和寿が甘えてきて、ピタリとくっついてきた。
先程まで和寿の知らない男がくっついてた私の体‥
「えー!!しかたないなー。。。じゃーお手伝いしてよね!」
「うん…。。。」
和寿が、私の手に触れた。。。私の手はお母さんの手のはずなのに。この手は先程まで、AV男優とセックスをしていた手だ。
未だこの業界は長いこといるが、罪悪感は消えない。




