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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
タツイ王国の王都へ編

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第88話「話し合い」

騎士団に怒られるのわかっていて、やってもらうワシじゃ!



 テンカは言われた通りにワシらに魔鳥をつけたのじゃ。それを察知した去り際の騎士団が、怒り心頭でこちらにやって来たのじゃ。

「どういう事だ? 何をしている?」

 騎士団はワシらに剣を向けたのじゃ。


「なにって言ったって、神様の命令なんだから仕方ないじゃない」

 テンカは笑いながら言うのじゃ。

「神様が? 何故だ? 我らの頼みも聞けない浅はかな神なのか?」

 その言葉にワシら全員がムッとしたのじゃ。そしてワシはルナに言って姿を見せさせたのじゃった。


「ワシが狐の神じゃ。時間が限られておるので手短に言うぞい。お主らはお主らのルールでワシらを縛るのかのう?」

 騎士団は顕現したワシに慌てて頭を垂れるのじゃ。

「そ、そうは言われましても、我々は王都を守る身で、魔物にはいち早く対処しなければいけない身です。魔物に敏感なのは仕方ないとは思われませんか?」


「小さく、くっつけてるだけでも駄目なのかのう?」

「魔族との違いが分かりません故、見逃せません。どうかお許し願えませんか?」

 ワシは少し考えた後、ワシの考えを言ったのじゃ。


「そもそもこの人だかりではぐれないための措置なのじゃ。ワシらは人数が多いからのう。

 はぐれてトラブルになった時、ワシが対応できんのじゃ。ワシはこの三人の元魔王を見張る立場なのでのう」

 騎士団は元魔王という言葉を聞いて驚いておったのじゃ。そしてそれを理解した時、ワシに向かって言ったのじゃ。


「では我々のうちの三人が見守りにつきましょう。はぐれないように三方から見守ります。代わりに魔物を出さないで頂きたいのです」

 これが妥協点のようじゃ。団長らしき人は頭を下げて言ったのじゃ。


「この王都には特殊な結界があって、魔物が入ると我々が出向かなくてはいけなくなります。

 あなた方に魔物を出されると、毎回我々の察知アイテムが反応するんです。ご理解の程をよろしくお願いします」


 なるほどのう。道理ですぐ気づかれたわけじゃ。確かにそれだとワシらの都合を押し付けてはならんよのう。

「わかったのじゃ。くれぐれもワシらがはぐれんようにしてくれよのう?」


 こうしてワシらの護衛に騎士団三人が付くことになったのじゃ。騎士団は多いので、三人が抜けても大丈夫ということじゃった。

 そうして騎士団長たちが離れた後、騎士団の三人がワシらを三角形に囲んだのじゃ。


「よろしくお願いしますよ、サボれて助かる」

「サボってるわけじゃないんですから、真面目にしてください」

「やれやれ面倒だな」

 三人の騎士には申し訳ないのじゃが、ワシらには得しかないのじゃ。


 何故なら騎士が道を開けてくれるからじゃ。目立ちはするのじゃが、そもそもワシらは目立つ存在じゃしのう。

 新しくスライムも出せんし、魔犬も出せんから、ワシがルナを背負って歩くのじゃ。


「馬を貸しましょうか?」

 騎士さんが尋ねてくるのじゃ。ワシは大丈夫じゃからこのままでよい。荷物持ちのスライムだけは特別許してもらったのでのう。

「このままでいいそうです」

 そうして北東地区に行く前に宿に向かうのじゃった。


 大きな宿でワシらは広い雑魚寝部屋に泊まるのじゃ。

「外にいますので何か用があれば仰ってください」

 騎士団の人たちも泊まるようじゃが、交代で休むようで、なんか申し訳ないのじゃ。

 そして監視されているようにも感じ息苦しいのう。


「自分でやった事なんですから我慢してください」

 ルナの言葉に反省したワシじゃ。ここまでせんでも魔物を出さなかったらよかったのかもしれん。

 じゃがそれだと駄目なのじゃ。

「ルナ、これを伝えて欲しいのじゃ」


 ワシはルナに騎士団の人に伝えて欲しい事を言ったのじゃ。

 それは有事の際には魔物を使って街を守るということじゃ。魔物には魔物を当てる、それが元魔王のやり方なのじゃから仕方ないじゃろ?

 ワシとルナは神力を使って戦うのじゃが、他の三人は違うのじゃ。


 じゃから、その時は魔物を使うことも許して欲しいと言うたのじゃ。

 ルナがワシの言葉を伝え終わると、騎士団の人は頷いて聞いてくれたのじゃ。

「団長にも掛け合ってみますよ。街を守ってくれる人は少しでも多い方がいいですしね」


 魔物が街を守る前例がない話なのじゃから仕方ないのじゃが、グーシャやテンカやジーザスは良い魔物使いなのじゃ。

 それをわかってもらいたいところじゃな。夜ご飯を食べた後、眠るルナじゃ。


 ジーザスはグーシャとテンカと何かを話しておったのじゃ。そしてワシを手招きして小声で話すのじゃ。

「これ、宿の人に頼んで作ってもらったお菓子なんだ。三人の騎士さんに持っていこうよ」

 グーシャとテンカはこの計画に笑ってジーザスの頭を撫でるのじゃ。


 そうして三人の騎士を驚かせた元魔王の三人は、騎士の人に自分たちの過去について、話をして、騎士たちの心を動かすのじゃった。

 そして、騎士たちも話をするのじゃ。ワシは騎士たちの話を聞いて驚いたのじゃった。


 それは、魔王は悪の道に染まった者がなる物だと伝え聞かされていたという事じゃ。じゃがそれはおかしいのじゃ。

 魔物は人の心の中に潜むのじゃ。そしていつか爆発して魔王となるはずじゃ。

 じゃが騎士さんの話によると、人の心の中に潜むモノ、そのものが悪の因子だと言うのじゃ。


 とはいえ結果的に悪の道に進むかもしれんのじゃが、善人も魔王になってしまうのじゃ。

 それがワシの見てきたこの世界の仕組みじゃった。だから騎士さんの話はおかしいのじゃ。

 それをテンカ経由で聞いた騎士の一人が、悩んでおったのじゃ。


「最近突然魔王になる者が増えたそうです。その殆どを殺し終えているのですが、どう見ても悪人ではなかったのでおかしいと噂されていました。

 何か大変なことが起き始めているのかもしれません」

 ワシらは世界の異常を体験していたのかもしれんのう。

何か悪いことが怒っているのかもしれんのじゃ。もしかするとワシがこの世界に来させられた理由かもしれんのう。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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