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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
グーシャとの出会い編

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第23話「エフ街へ」

体裁も加えてじゃ。



 ワシは目を覚ますと、ジーナとグーシャを起こさんように起き上がり、鏡に毛並みを見に行ったのじゃ。

 ワシは黄色い毛色の体毛をチェックして髪を整えたのじゃ。


 運ばれた朝食を見て、ジーナとグーシャを起こしたのじゃった。

「美味しい!」

 グーシャは久しぶりの温かいご飯だったようで満足しとったのう。


 食事を終え部屋を出るとルナも丁度出てきたところじゃった。

「ルナ、今後の方針について話したいのじゃ」

「私もその話をしようと思っていました」


 宿の休憩用テーブルについたワシらは次の街のことをルナに尋ねるのじゃ。

「イー街が今この島の最終地点です。大陸に行くには船を使わなければなりませんが、港町であるエフ街は滅びています……」


 ここは島じゃったのか。なんという事じゃ。打つ手なしかのう?

「ですが、船だけなら多分残ってるはずです。このイー街で船を使える人を探して、エフ街に行き船でこの島を出ましょう」


 ワシらはギルドに行き依頼をしたのじゃ。船乗りの手配じゃ。依頼した後ワシらは魔導アイテムである受信機を受け取って、他の依頼を探したのじゃ。


 ワシらは魔草刈りの報酬を受け取っておった。じゃが、それ程高額ではなかったのじゃ。

 船乗りは雇えても後々困るのじゃ。ワシらは食事処の一時店員の依頼を受けたのじゃ。


 ルナ、ジーナ、グーシャがメイド服になって御奉仕するのじゃ。そういう趣旨の依頼じゃから仕方ないのじゃ。

 可愛らしい格好で給仕しとるのう。


 グーシャは緑色の髪を揺らしながら、一生懸命働いておったのじゃが、やはり中には許せぬものもおるようじゃ。

「おい、遅いぞ! さっさと並べろ!」

「す、すいません……」


 イチャモンつけられて謝るグーシャじゃ。ワシはイチャモンつけたやつの頭をこねたのじゃ。

「いや……悪い。どうしても許すことが出来なくて……」

 こねる度に謝罪を述べながら自分の境遇を話す男じゃ。


「妻と子供があんたに殺されて、俺はここまで逃げてきた。だから……俺は……」

 ずっとゴブリンの魔王に復讐する事を考えてきたという彼は、涙を流し始めたのじゃ。


「わかってはいるんだ……許さなきゃいけないって。神様が面倒見るんだから、もういい加減気持ちの整理をつけなきゃいけないって……」

「許さなくていいです。なんなら一発叩いてくれてもいいです」


 グーシャは真剣な面持ちで言ったのじゃ。

「いいのか?」

「はい、思いっきり。スッキリするくらいで」

 男は思いっきりグーシャを一発叩いたのじゃ。


「……ありがとう。少しスッキリしたよ」

「本当にごめんなさい」

 まだまだわだかまりはあるのじゃ。じゃが皆、前に進まねばならん。


 資金を調達し終えて、宿に向かうのじゃ。三人分の臨時依頼で少し蓄えができたのじゃった。

「エフ街に行く時、少しゴブリン討伐依頼を受けましょう。それまで臨時依頼で稼ぎます」


 給仕する姿は可愛らしくて見ておれるのじゃがワシのやる事が少ないのじゃ。グーシャのフォローくらいじゃのう。

 グーシャに怒りを覚える人の頭を柔らかくしてあげる事しかできんのじゃ。


 そうして三日が経ったのじゃ。船乗り資格を持っとる人が現れたのじゃ。

「このイチジマからナナナ大陸に渡りたいっていうのはお前らか」

 ギルドの役員さんに受信機を返して、とある男に会ったのじゃった。


「私たちは世界救世の旅に出るために大陸を目指します。船で送ってもらえないでしょうか?」

 ルナが尋ねると男は頷いたのじゃ。

「どっちみち俺もナナナ大陸に行きたくて船乗り資格を取ったのに、ゴブリンのせいでエフ街に行けなくて困ってた。護衛してくれるなら助かる」


 利害は一致しとるようじゃ。男は馬車を手配しようとしたのじゃが、ルナがそれを止めたのじゃ。

「タダで楽に行けますよ」

 ルナはジーナを見とったのじゃ。ジーナは笑って頷いたのじゃった。


「うっひょお! すっげぇや!」

 男は上機嫌でスライムの上に乗っとったのじゃ。

 イー街からはビー街へ行く急な下り道と、エフ街へ行く緩やかな坂道があるのじゃ。

 ワシらはエフ街へと行くため、緩やかな坂道を下っておった。


 グーシャがゴブリンを出して、敵のゴブリンから護衛しているのじゃ。川を伝って出た大量のゴブリンがこの街道で生きておったのじゃった。

「グーシャ、やはり再支配は無理かのう?」


 ワシはグーシャが支配出来たら戦闘も簡単に躱せると思っとったのじゃ。

「無理だね……。あたしの支配からは完全に離れてる」

 仕方なく二体のゴブリンで一体ずつゴブリンを殺していくのじゃ。


「ワシも戦ってもよいのじゃぞ?」

「ダメ! あたしに任せて!」

 これはグーシャの責任だと言い張る彼女に近づけるようにジーナに言ったワシは、スライムに乗ったままグーシャの頭を撫でたのじゃ。


「わっ! コン様……」

「偉いのじゃぞ、グーシャ」

 グーシャのゴブリンが戦闘中の間、ずっとグーシャの頭を撫でてやったのじゃった。


 そうしてエフ街に着いてからも、ジーナのスライムとグーシャのゴブリンで切り抜けたのじゃ。

 グーシャのゴブリンは一定時間に二体ずつ出せるようじゃ。


 ゴブリンの軍とゴブリンの群れの衝突で戦争状態の中、エフ街の港までスライムに乗って進んだワシらは動かせそうな船を選び、船乗りの男と共にナナナ大陸へと旅立ったのじゃ!

次は大陸じゃ!


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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