第24話「船旅」
魔道アイテムという概念が出るぞい。
船の操縦を船乗りの男に任せ、海を進む船じゃ。何事もなく進みそうじゃったのでワシはゴロンと寝転んだのじゃ。
太陽の陽射しが痛いのじゃが、のんびりした船旅じゃった。
エンジンに魔道アイテムを積んだ船らしく、海中の魔力を集めて動くらしいのじゃ。
ナナナ大陸には船で二日かかるらしいのじゃ。イー街からエフ街に行くまでの間ワシらは休みなしで突破したから疲れておったのじゃ。
寝ずでおったからジーナとグーシャはぐっすり眠っておる。ルナはスライムの上で休ませてもらっておったから起きとるのじゃ。
ワシもまだ大丈夫じゃったから、ワシは念の為船乗りの男を見張っておったのじゃ。
男一人、女三人の旅じゃ。何があるかはわからんのじゃ。船乗りの男は人の良さそうな顔をしとるが男は狼じゃ。
「そんなに睨まなくても大丈夫ですよ」
ルナが囁いてきたのじゃ。
「そうは言ってものう。聞かんかったワシらが悪いのじゃが、あやつは名乗ってないのじゃ」
そう、船乗りの男は名前すらわからんのじゃ。男は船を操縦しとるが、あやつの思いどおりに出来るのじゃ。
あやつが、「ヤラせてくれなきゃ、これ以上進まない」とでも言うてみい。
どうするのじゃ?
「シバキ倒しますよ」
男の腕力には敵わんじゃろ? 男はガタイがいいのじゃ。三人がかりでかかっても負けるのじゃ。
「魔王相手にそんなことしたら命がいくらあっても足りませんよ」
まぁ確かにそうじゃのう。と、思ったら男は操縦を止めてこちらに来たのじゃ。
「どうしたんですか?」
「いやぁ、流石に操縦しっぱなしは疲れたなぁと思ってね」
確かに男は操縦しっぱなしじゃ。複数人船乗りを雇うべきじゃったかのう?
「ちょっと休憩させてもらってもいいかな?」
「はい、大丈夫ですよ」
ルナは笑顔でそう言うのじゃ。
「三人は可愛らしい女の子だよね」
「ありがとうございます」
男の台詞に礼を言うルナ。
「そしてこの先に操縦してたどり着ける船乗りは今俺しかいない」
雲行きが怪しくなってきたのじゃ。
「何が言いたいんですか?」
「俺にご褒美あってもいいんじゃないかなー? とね」
男はルナに近寄ってくるのじゃ。
「エフ街まで護衛したじゃないですか。あなたもナナナ大陸に行くんでしょう?」
「その通りだ。二人はね。でも君からは何もされてない。おかしいよね?」
男がジリジリ近寄ってくるのじゃ。
「まったくやれやれじゃ」
ワシの存在を知らせるのを忘れとったらしいのう。
男が襲いかかってルナの胸を触ったところでルナが祈り、ワシが見えるようになったのじゃ。
ワシは驚いた男の頭を掴みグリグリこね回すのじゃ。
「ひっ、ひぃっ! す、すいませんすいません! ちょっとした出来心で……」
「仕方のない奴じゃ。男がこんな状況でおったら抑えられなくなるのも無理ないのじゃがのう」
無防備に寝とる可愛らしい女の子二人に麗しの巫女が一人じゃ。性欲抑えろ言う方がキツイわい。
「コン様は性欲は?」
「ワシは爺さんじゃし、神様じゃからないんじゃー!」
嘘じゃ。本当はムラムラしとるわい。
「ふふふっ。そういうことにしておきましょう」
船乗りの男には罰として着くまで無休で働いてもらうのじゃ。
ルナから話を聞いたジーナとグーシャはジト目で船乗りの男を見ておった。
スライムを一匹護衛として出したジーナとゴブリンを一匹出したグーシャは話し合って交代で寝ることになったのじゃ。
ワシは念の為ずっと起きておったのじゃ。疲れて眠ったルナの頭を撫でると、船乗りの男の後ろに立ったのじゃ。
「男としての気持ちは分かるがあれはいかんのう。お主の運命の先にいい事が訪れるようにしてやるわい」
そう言うと、「ルナに教わった通り」に男の左手の小指を摘んだのじゃ。
そこから赤い糸が出てきて、引っ張れたのじゃ。そしてその糸を空中に投げたのじゃった。
「弾けるのじゃ! そ〜れっ!」
赤い糸は空中で爆発して分裂して世界中に飛んで行ったのじゃった。
これで男と結ばれる人は確実にどこかにおるらしいのじゃ。いつか引き寄せるように出会えることが決まっておる。
その時までに気の利いた言葉でも言えるようにしておくことじゃのう。
ワシはルナの所に戻り頭を撫でてやったのじゃ。するとジーナとグーシャも寄ってきたのじゃった。
「まったく、子供よのう」
二人を抱き寄せ頭を撫でてやるワシは大切な宝物を撫でる気分じゃった。
二日間の船旅は何とか終わり、ナナナ大陸のとある港に船を寄せたのじゃった。
ワシの可愛い仲間たちじゃ!
ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!




