第25話「ナナナ大陸」
魔法ネットワーク、それは世界中の魔素を元に繋いだネットワークじゃ。
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港について船から降りた後、船乗りの男と別れたワシらは、まずギルドに向かったのじゃ。
登録された身分証は魔法ネットワークで共有されとるから、問題ないのじゃ。
「私たちはこの大陸の事を全く知りません。まずは情報収集から始めましょう」
「そうじゃのう。依頼を見る限り、街から出ると魔物も結構おるようじゃ。これらは魔王のせいなのかのう?」
役員さんに確認するルナは、頷いてワシの方を見たのじゃ。
「伝承通り、過去に現れた魔王たちの影響で魔物が溢れているようです。
魔物は街には入ってきませんが、街の中から魔王が現れる場合もあります。その辺は調査しているようですね」
「ではワシらの旅の目的について見直さねばならんのう?」
「そうですね。魔王を止めること、魔物を討伐すること、人を助けること。この三つで行きましょうか」
そのためにはするべきことがあるようなのじゃ。
「コン様。私はレベルアップって今まで言ってきましたが、その意味を理解していますか?」
ゲームのレベルアップみたいなもんじゃろ? 経験値積んで強くなるのじゃ。
「少し違います。経験を積むのは間違ってませんが、それは腕があがるだけなんです。
この世界でいうレベルアップとは、魂の力『魂力』の強さをあげることにあります」
魂力? ふーむ、魂の力か。もしそれが強くなるとワシはより悪いヤツも改心させられるということかのう?
「魂力は文字通り魂の成長でレベルアップします。魂力が上がれば存在する力が強力になるのです。コン様は神様ですので出来ることが大幅にあがるでしょうね」
「それは飛べたりするということかのう?」
「全貌はわかりませんが有り得ますね」
それは面白そうじゃ。じゃが問題はその魂力の上げ方じゃな。
「魂力は生半可な事ではあがりません。それこそ魔王を倒すくらいじゃないと」
そう言った後、ルナは優しくワシを見たのじゃ。
「コン様は確実にレベルアップされてます。この調子で魔王を説得していけば、世界も救済することができるでしょうね」
ワシはこれからも魔王を倒すのではなく説得する事にしとるのを、ルナもわかっとるらしい。
じゃがワシは考えるのじゃ。この先には倒さねばならん魔王も存在しとるじゃろうことを。
それは悲しいストーリーじゃ。全ての魔王を説得したいのじゃ。じゃが、今のワシではそれは叶わんのう。
ナナナ大陸での冒険がどうなっていくか、ワシはちょっとだけ身震いしたのじゃ。
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。私たちもいますしね」
「そうだよ、私もいる」
「あたしの事を忘れたら許さないから!」
ルナとジーナとグーシャがワシの右手を掴んだのじゃ。そうじゃな、ワシは一人ではないのじゃ。
「とにかくワシらの今後の方針を決めようなのじゃ!」
今おる港町はアルファ町というらしいのう。ベータ街へ行くか、ガンマ街へ行くかデルタ街へ行くかの三通りの道があるのじゃ。
比較的簡単な依頼があるのはベータ街への道なようじゃ。
ベータ街へ行くことを決めたワシらは、一旦宿をとり、船旅での疲れを癒すことに決めたのじゃった。
じゃが宿に行くと困ったことになったのじゃ。
「一室しか空いてないんですね」
どうやら今アルファ町は賑わっとるらしく、部屋が一部屋しか空いとらんのじゃ。
仕方なく寝袋を三つ借りたルナは、部屋でジーナとグーシャに寝袋を渡したのじゃった。
「今日は私たちはこれで我慢します。コン様ベッドを使ってください」
「えー! やだ! コン様と寝る!」
グーシャがごねる中、ジーナは寝袋を受け取り床に敷いて風呂に向かったのじゃ。
「ジーナはいいのかよー?」
「ワガママばかり言ったらコン様に嫌われる」
「うっ!」
そんなやり取りを見とったワシはルナに尋ねた。
「ワシが床で構わんのじゃぞ? ベッドは三人の誰かが使ってもよいし……」
「ダメです。船旅で一番疲れてるのはコン様なんです」
どうやら船乗りの男とのやり取りを覚えとったらしい。確かにゆっくり休みたいとは思うのじゃが、男としてはどうなのかのう?
とはいえ、ベッドは一人で寝れるくらいの大きさしかないのじゃ。
ルナはグーシャと共にジーナを追い、風呂に入っておった。ワシは神様の力で常に何があっても綺麗らしいのじゃが、たまには風呂に浸かってみたい気分なのじゃ。
シャワーを浴びてみたのじゃが、温度を感じん。次に湯船にお湯を溜めて入ってみたのじゃ。温かくもならんのじゃ。
そもそも基準がわからんのう。二階の床は歩けるのに、壁はすり抜けられるのじゃ。
「その辺は上位の神様がコン様に備え付けた設定なのでなんとも言えませんが、そうなるとベッドに寝れたりするのも不思議ですよね」
最初にワシを作ったあの説明せん神様かのう。雑な設定じゃのう。
ワシはともかくベッドに寝させてもらって、眠りについたのじゃった。
上位の神が設定したワシの形じゃ。




