第22話「街道のゴブリンについて」
誰がワシと寝るかで揉めるのじゃ。
街道に出るゴブリンについてはどうしようもないらしいのじゃ。
エフ街からビー街に逃げたグーシャは身分証でビー街に入りそのままシー街へと向かったのじゃ。
この時ゴブリンが生まれ続けており、捨ておく形でシー街へと入ったのじゃ。
シー街でも居場所を見いだせなかったグーシャはディー街に向かい、ここでもゴブリンを置いていったのじゃ。
ディー街でも隠れる場所がなく、イー街へと向かったのじゃが、距離が長すぎてゴブリンに背負わせたのだそうじゃ。
街道からイー街に入る時、ゴブリンは殺されたそうじゃ。そしてイー街で保護されたのじゃ。
そして宿を抜け出し橋の下に小屋を建てて、ゴブリンと共に隠れ住んだそうじゃ。
夜になると川を伝い、多くのゴブリンが街の外に出たらしいのじゃ。それは下流である次の街への街道でおるそうじゃ。
支配から離れたゴブリンは制御出来んらしいのう。繁殖し、魔物として生きてしまっておるのじゃ。
もうゴブリンの繁殖は止められんのじゃ。ならば後は依頼を受ける者たちに任せるしかないのう。
ワシもジーナも今回の件で大分レベルアップしたように感じるのじゃ。ルナも少し長くワシを見えるようにさせられとるのじゃ。
皆成長しとる。ワシは今後強い敵が現れてもいいように、少しずつでも強くなるように意志を固めたのじゃった。
今後の方針を宿で決めるのじゃが、ルナとグーシャが喧嘩したのじゃ。
「だから! 一つのベッドで四人は無理ですよ! 二つベッドある部屋をとるので、ジーナと一緒にグーシャさんは寝てください!」
「ふざけるな! あたしがコン様と寝る! あとさん付けは不要だ! ルナ!」
「じゃあこの際だからはっきり言いますけどね。最初に出会ったのは私で、私がコン様の正妻なんです!」
話変わっとるぞい、ルナ。ワシはまぁまぁと、二人を落ち着かせる。
「落ち着いてよ、ルナ、グーシャ。私がコン様と寝るんだよ」
「なんでそうなるんじゃ……」
ワシはため息をついて提案したのじゃ。
「大きなベッドの部屋一つ、普通の部屋一つとるのじゃ。ルナは普通の部屋で寝るのじゃぞ」
ドガーンと岩が落ちてきたようにガッカリするルナじゃ。
「魔王はワシでないと管理できんのじゃ。お主は一人でも寝れるじゃろう?」
涙をポロりと流し腕で拭ったルナはヨロヨロと立ち上がり言ったのじゃ。
「……わかりました」
無言で部屋に向かったルナにワシは申し訳ないような気持ちになって、声をかけたのじゃ。
「ルナ!」
「……なんですか?」
ルナが振り向く前に後ろから抱きしめたのじゃ。
「ちゃんとわかっておる。お主が一番ワシを想っておることくらい」
「ならどうして……」
ルナは涙目じゃった。なんじゃこの茶番、部屋別れるだけじゃろう?
「ちゃんと部屋別れられるならご褒美をやるのじゃ」
「ご褒美?」
ルナの目が上目遣いになったのじゃ。
すっと顔を寄せてキスしてあげたのじゃ。ワシは唇を離すと言ったのじゃ。
「良い子にしとれよ」
「はい!」
現金なヤツじゃのう。まったく、先が思いやられるわい。
ルナが部屋に入るとワシも自分の割りあてられた部屋に行くのじゃ。ジーナとグーシャと同じ部屋じゃ。
振り返り部屋へ行こうとすると、ジーナとグーシャが目を瞑り唇を差し出し立っておったのじゃ。
ワシはチョップを二人にして、部屋へと引っ張って行ったのじゃった。
ベッドで休むと二人がくっついて来たのじゃ。
「風呂へ入らんか!」
「一緒に入ろう? コン様」
グーシャが頼んでくるのじゃ。ワシは風呂に入っても意味ないのじゃ。
「ジーナよ、グーシャを綺麗にしてやるのじゃ」
昨晩は風呂に入っとる余裕もなかったから、今日こそはじゃ。
ジーナに連れられ風呂に入ったグーシャは綺麗になって風呂からあがり、寝とるワシの上に乗ってきたのじゃ。
「ぐっ……まったく、ヤンチャな奴じゃのう。奴隷になったんじゃなかったのかのう?」
「あ、ごめんなさい……」
おっと地雷を踏んだのじゃ。土下座をして謝るグーシャにワシは慌てて言ったのじゃ。
「冗談じゃ、冗談! 土下座なんてせんでよい! 外でだけワシに逆らわんかったらよい! 他人に見られんところでは楽にしておくれ」
「コン様……好き! ジーナとルナも好き! 私たちもう家族だよね?」
家族というより仲間じゃが、家族という括りの方がしっくりくるならそれでもよい。ワシはこの子らの心の安寧を願っとるのじゃ。
この子らは最早ワシ以外に面倒を見ることができんじゃろう。
じゃからワシは目一杯甘えさせてやるのじゃ。それがこの子らから魔物を悪用させぬ方法じゃと思うからのう。
ワシは両手を腕枕に使われて、眠る二人の寝顔を確認してから、目を瞑り眠ったのじゃった。
毎回思うのじゃがくどいよのう?
ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!




