逃げられない…
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「…時間だね。」
「え…」
…もう…?
手足が震える。
何をされるんだろう……
ーーーーー
1時間前。
「どうにかして、抜け出そう…」
自分に言い聞かせるように呟いて、まずは使えるものが無いか探した。
石と土しかない。
床と壁は石で出来ていて、ここを掘るなんて到底出来ない。
唯一、食事を受け取る用の穴はあるけど…さすがに通れるわけがない。
扉もあるけど、鍵は閉まっている。
壁の上ら辺に、鉄格子の窓もあるけど、届く位置では無い。
何か……。
どうしよう、どうしよう……
…とりあえず、石で何か出来ないかな。
何も出来ないと思いつつ、石をぶつける。
ゴッと音が鳴っただけで、当然何も出来ない。
……でも、石だったら私の手錠を外せる……?
ふと、そう思い、大きい石を、私の手錠にぶつける。
でも、金属だからか、ビクともしない。
魔法も使えないし…
諦めるしか、無いのかな。
でも、その時、鉄格子の窓から、子猫が入ってきた。
「えっ、何?」
子猫は私の足に乗って、まるで怖くないよというように腕にほっぺをすりつける。
その後、食事を受け取る用の小さな穴を軽々通って、牢屋の外に出る。
なんだ、子猫が来ただけか。
そう思ったのに、何かが引っかかる。
雰囲気とか仕草が、何か見覚えがあるような……?
その時、また子猫が戻ってきた。
その口には、鍵が咥えられている。
「えっ?」
それをそのまま、私の前に置く。
これ、持ってきてくれたのかな…?
私が子猫を見つめていたら、子猫は早くというように鍵を私の足に当てる。
…ありがとう、子猫ちゃん。
私は我に返って、鍵を開けて牢屋の外に出る。
私が外に出ると、子猫はついてきてというようにどこかへ走っていく。
「ま、待って…」
私も急いでついて行くけれど、足枷が邪魔で思うように歩けない。
気づいた子猫が、戻ってくる。
でも、その時。
「うわっ」
足枷のせいで足がもつれ、転けてしまった。
その拍子に、ドンッと大きい音が鳴る。
やばい、あの人達に見つかる…!
その時、案の定「ボス」と呼ばれていた男の人と、女の人が駆けつける。
「え、抜け出したの!?」
驚いて、私を見る。
「でも、残念だったね。あんたは私たちから逃れられないよ。もっと警備を強化して…今度こそは逃げられないよ!」
そして男の人が、私を運ぶ。
抵抗したが、男の人はビクともしなくてそのまま牢屋に入れられた。
そして、そのまま時間だけが経ったのだ…。
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