番外編 外堀を埋めよう レオナルド視点 後編/エピローグ
レオナルド視点、完結編となる【後編】です!彼の想いを、ぜひ最後まで見届けてあげてください。
リーリエが行方不明だと知らせを受けて、数秒何が起こったのか理解できなかった。
学院の警備は完璧だったのではないのか!
パトリシア様が監禁場所を特定してくれたからすぐに駆けつけることができた。
相手を凍りつけながら(感情が昂り過ぎて魔力が漏れ出てしまっただけだが、敵の動きが止まったから結果オーライ)一人で敵をすべてを倒した。
犯人は隣国の元王女だとか。
王女とはこんなストーカーのような人間ばかりなのか!
今回は無事助けだせたからよかったものの、万が一リーリエを失うようなことがあったらと思うと、今でもすごい焦燥感にかられる。
このことで自分の気持ちがはっきりした。
リーリエにはずっと側にいてほしい。
他の男は近づけたくない。
居場所を特定できる魔道具はパトリシア様がリーリエの監禁場所が分かった理由づけに用いられることになったのはラッキーだった。
大手を振ってリーリエにそれを渡すことができるのだから。
若干みんなが引いていたような気はするが、気にしない。
これでリーリエを危険(危険な男も含む)から守れるなら、なんでもしよう。
例えドン引きでも構わない。
リーリエさえ、了承してくれれば問題ないのだ。
「これは居場所が特定できる魔道具なんだ。監禁場所を特定できたのは、これを持っていたからということになっているから、身につけておいて欲しい。常に居場所を特定する訳ではなく、必要な時にしか発動させないから」
もちろん俺が用意した特別製だ。
自分の瞳の色と似た色の魔石を使っている時点で執着を表している。
この執着の塊のような魔道具を受け取ってもらえるのか、固唾を飲んで見守っていると、リーリエは意外とあっさりと受け取った。
あろうことか、ライハート殿下からだと思ったのだ。
「俺が君の為に用意した物だ。リーリエ嬢が行方不明だと聞いた時、不安でしょうがなかった。だから、身につけてくれると俺が安心する… 仕事としてだけではなく、リーリエ嬢を守りたいんだ。…迷惑かな」
リーリエがどう思うのか。どう思っているのか。
今までどんな敵にも震えたことなどなかったのに、気が付けば手が震えてる。
「そんなことないです!えっと、嬉しい、です」
少しの間の後、慌てたようにリーリエが俺の手を取った。
勝った…
言質をとった。
よし、外堀を埋めよう。
この時はライハート殿下とパトリシア様に邪魔をされて、雰囲気が壊れてしまったが、リーリエと呼ぶことの許可を得て、リーリエにはレオと呼んでもらうことにした。
こうしてさりげなく、周囲にそういう仲なのだとアピールしていく。
リーリエはかなり可愛いから放っておくと、有象無象の男が湧いて出るからな。
「こうして俺が無事リーリエを助け出すことに成功しました」
事件の詳しいことを知りたがっていたメルトロー前侯爵と夫人にことの顛末を報告しに来た。
厳しい顔をしていた前侯爵は
「あのクソ王女め」
とぶつぶつ呟いていたが、全く同感なので深く頷く。
そして、ひとつ息を吐いて、ガバッと頭を下げた。
「リーリエ嬢と婚約させて下さい!これからももし、万が一、リーリエ嬢がまた狙われるようなことがあっても俺なら守れます!リーリエ嬢にも個人的に守りたいと伝えて、了承をもらっています」
「うーん、そんな急に…やっとリーリエに会えたばかりなのに」
と前侯爵は唸っていたが
「そうなのね。リーリエが望んでいるなら、彼に守ってもらうのが一番いいわね」
渋い顔をしていた前侯爵に夫人が援護射撃をしてくれた。
こうして、少し渋っていた前侯爵の了承を得た。
「リーリエ、俺と婚約してください」
跪いてプロポーズをすると、リーリエはあわあわと慌てて
「え!?いきなり!?付き合い始めたばかりなのに?」
と言っている。
「え!?リーリエお姉ちゃん、騎士さまと結婚するの!?」
「え?そうなの?おめでとう!」
「やった!本当に騎士のお姫様になったんだね!」
孤児院の子どもたちが出てきて騒いでいる。
「え?まだ返事をしてな」
「みんな、ありがとう!」
リーリエの言葉を遮って、子どもたちの祝福に礼を言う。
「まっ、まぁ、いいか…嬉しいし…」
少し顔を赤くしたリーリエはにかっと笑うと
「よろしくお願いします!」
と俺の手を取ってくれた。
嬉しさのあまりリーリエを抱き上げて、くるくると回る。
「ひゃっ!」
慌てて、俺の抱きついてきた。
よしっ!グッジョブ、俺。
周りでは、子どもたちが拍手して祝福してくれていた。
こうして子どもたちの支援を受け、プロポーズに成功した。
ちゃんとした婚約者にと求める書類は、前侯爵経由で届けてある。
完璧だ。
リーリエは少し流されて安いから、気をつけないとな。
レオナルド視点の番外編、ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました!
本編と合わせて、二人の物語を最後まで見守ってくださった読者の皆様に心から感謝いたします。
リーリエを失う不安から、かなり執着心の強い男になってしまった。
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