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【ゲート×ソロ成長】孤独な少女は、影を纏い最強へ 〜日常の底で、刃は静かに成長する〜  作者: ショーナ・レーベン
最終章 覚醒の刃

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第7話 妨害——空間操作

 視界が切り替わり、一瞬で別の場所に辿り着いた。


——熱い


 肌を焼き尽くすような熱さ。

 気がつくと、マグマで囲まれている。


 そして——マグマが地面から飛び出し、螺旋状になって私たちを襲ってきた。


——っ!


 密集していたせいで、身動きが取れない。


(ヤバい)


 マグマが近づくのを、呆然と眺めることしかできない。


「氷魔法」


 近くにいた、雪奈さんがボソッと呟いた。

 マグマが氷で覆われていく。


 だが、勢いまでは消せていない。


「パンプアップ! おぉぉおおお!」


 端っこにいた風戸さんがいきなりユニークスキルを発動し、巨大化する。

 そして巨大な氷を体で受け止めた。


「——風戸さん!」


「ワイは無事や! はよ、密集を解除せい!」


 風戸さんが体で防いでいる間に、私たちは密集から脱出した。


 それと同時に、ぱちっ、ぱちっ、と乾いた音——誰かが拍手をしてくる。


「これを防げるとは、こちらの世界まで来ただけはありますな」


 しゃがれた声。

 声が聞こえた方向を見ると、ローブを着たスケルトンが立っていた。

 リッチと思われる個体。


 その人物に鑑定をかけた。



【個体鑑定:リンドカムイ】

レベル:40

スキル:【眷属召喚 Lv.7】 / 【魔導 Lv.6】 /

    【自動防御 Lv.5】 / 【空間把握 Lv.5】 /

    【未来視 Lv.4】 / 【共有 Lv.4】 /

    【魔槍術 Lv.3】 / 【封印 Lv.2】

ユニークスキル:【時空間魔法】

状態:正常 弱点:近距離



 レベル40。

 おそらく最後の魔王軍幹部だ。


 さらに、詳細鑑定をしようとしたとき——


「それはいけませんな」


 リンドカムイが私の方向を振り向き、何かを発動した。

 鑑定で表示されていた物が視界から消える。


(は……?)


 もう一度鑑定しようとしても、発動しない。


 私が困惑している間に、リンドカムイが眷属を7体召喚した。

 マグマを纏った巨大な骨の犬。


 リンドカムイが私を見てくる。


「フーガを退けた実績から、汝には最大の警戒をさせてもらいますな」 


 骨犬7体が散らばり、そのうち3体が私を襲ってきた。


 一体一体がかなり速い。

 少なくとも、レベル40に近い動きだ。


 考える暇がない。

 ……一旦、目の前に集中しよう。


 まずは各個撃破だ。

 一体の骨の犬に狙いを定め、ナイフを振るおうとする。


 その瞬間——左右から別の個体が同時に噛みつこうとしてきた。

 左右から、寸分違わぬ同時攻撃。


 咄嗟にバックステップで背後に飛ぶ。


 ……連携が厄介だ。


——ならば、犬たちの連携を崩す動きをしよう。


 気配遮断を発動し、その場から一気に移動する。

 だが、骨の犬たちはわずかに私の存在に気づいている。


 犬。昔戦ったコボルトを思い出す。

 気づかれている原因は……嗅覚だろうか。


 暑すぎて汗が湧き出す。

 嗅覚が原因ならば、気づかれやすそうだ。


 この犬たちは一旦無視しよう。


 犬たちから離れて、【鑑定】が使えなくなった理由を考える。


 リンドカムイが何かを発動した直後、鑑定だけが使えなくなった。

 ならば、リンドカムイが持っていた【封印】が怪しい。


 どれくらい効果が続くか分からない。

 この場では、鑑定は使えないと思った方がいいだろう。


 周囲を見回すと、みんな戦っている。


 約10人で1体の骨の犬を囲んでいるが、かなり押されていた。

 スピードが違いすぎる。


 だが、交代要員として、背後に待機しているメンバーが見えた。

 持ち堪えるのはまだできそうだ。


 私を襲っていた犬たちを視界に収めると、その場で周囲を警戒していた。

 ここは、ボスを直接狙おう。


 リンドカムイへ視線を向ける。

 奴は、玉野さん、雪奈さん、風戸さんと戦っていた。

 

 巨大なマグマを雪奈さんが凍らせ、風戸さんがその大きな体で防ぐ。

 その隙に、玉野さんが召喚した狐たちと一緒にリンドカムイに炎を放っている。


 かなり拮抗している。


 玉野さんが放った炎が奴に当たりそうになり——透明な壁が一瞬だけ見えた。

 おそらく【自動防御】だ。


 【未来視】で何が見えるのかは分からない。

 だが、見えない攻撃なら当たると信じたい。


 ……玉野さんが【自動防御】を発動させたタイミングに奇襲を仕掛けよう。


 近づき、リンドカムイの背後でジッと待つ。


 10秒。30秒。

 時間だけが過ぎていく。


 まだ我慢だ。

 息を殺して機を待つ。


 私を襲っていた骨の犬が警戒を解き、こちらへ向かってきた。

 ……玉野さんたちの戦闘に、犬たちまで入ってきたら均衡が崩れる。


「信じるぞ、影殿」


 玉野さんがボソッと何かを呟いた。


 玉野さんの周囲に炎の渦が生じ始める。


「炎狐招来!」


 数条の焔が渦となり、リンドカムイへ飛び込む。


——今だ。


 地面を蹴り、一気にリンドカムイへ接近する。


 焔が透明な壁に当たり、壁に罅が入る。

 遅れてやってくる凄まじい熱風。


 その風を掻き分け、リンドカムイの背後から核にナイフを突き刺す。


「ぐっ!!」


 刺さったが、骨の犬がちょうど追いつき、私の邪魔をしてきた。


——っ! 邪魔だ!


 ナイフを一閃し、犬を一匹切り裂いた。

 体を断たれた犬が消滅する。


 だが、その隙にリンドカムイが私から離れた。


「時空間魔法」


 リンドカムイが呟いた後、核がナイフの刺さる前の状態へ巻き戻っていく。


 さらに——



——目の前に、リンドカムイが2体立っていた。

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