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【ゲート×ソロ成長】孤独な少女は、影を纏い最強へ 〜日常の底で、刃は静かに成長する〜  作者: ショーナ・レーベン
第4章 解明の刃

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第8話 偽物

 翌朝。差し込む光で目を覚ます。


(……昨日のあれは、夢じゃないよね)


 真っ先に頭をよぎったのは、この世界が実在しているかの疑いだ。

 

 石碑の言葉。生活感のない街。

 もしここが偽物の世界だとしたら、ヤタ族たちも『作り物』なのだろうか。


 記憶の中のヤタ王は、最後に力尽きたように横たわっていた。


 あの状態からどうやってサハギンたちの襲撃を免れ、生き延びたのか。

 普通に考えれば、あり得ない話だ。


 だが——


「お姉ちゃん、これ食べて! おいしいよ!」


 昨日助けたヤタ族の子供が、焼いた魚のようなものを差し出してきた。


 見慣れない魚だったため、念のため鑑定をする。

 毒はなさそうだ。


 受け取って口に運ぶ。……美味い。


 味はブリの塩焼きに似ていた。

 香ばしい脂の乗り、身の弾力。


 とても偽物とは思えない。

 

 それに……子供たちが屈託のない笑顔で話している。

 ヤタ王の悲痛な願いを思い出す。


 それらの全部が偽物だとは、どうしても思えなかった。


「……ありがとう。美味しいね」


 ご飯が食べ終わり、時計を見る。

 そろそろ玉野さんたちとの待ち合わせ場所に向かわないといけない。


 私は子供の頭を軽く撫で、防具を着用していく。

 名残惜しそうに付いてこようとする子供たちを「危ないから」と言い聞かせ、集落を後にした。



*******



 待ち合わせ場所の岩場に着くと、すでに全員揃っていた。


 ……待ちくたびれたのか、難波ギルドの人たちが筋トレをしている。


「全員揃ったようじゃな! では改めて情報共有を行うのじゃ!」


 玉野さんが鉄扇を広げ、そう言う。

 私は頷き、石碑やヤタ族のことを共有する。

 そして『光は星の生命を吸い上げるときに生じる物』という推測を話す。


「光が集まる海底神殿……。やはりあの場所に何かあるのかのぅ。

 ひとまず光を止めた方がいいということは分かったのじゃ」


 玉野さんが真剣な面持ちで顎に手を当てる。


 すると、後ろでプロテインシェイカーを振っていた風戸さんが口を開いた。


「影殿の情報、助かるわ! ワイらも周囲を回ってみたんやが、光を発しとる場所に多くのモンスターがおったくらいしか分からんかったわ!」


 風戸さんたちはその後、情報共有をしようと撤退したみたいだ。

 そして、その場所にいたモンスターの情報が細かく書かれた紙を渡された。


 サハギンが6体ほど。

 さらにその中に明らかに上位種と思える存在がいたとのことだ。


 どのような行動をモンスターがとっていたか観察し、詳しい情報を集めたらしい。


 私は難波ギルドの人たちの冷静な判断に内心驚いた。

 九尾ギルドの人たちも意外に思っているようだ。


 失礼ながら、もっと猪突猛進に暴れ回り、「光を発しとる場所のモンスター? そんなもんすでに全部倒してきたわ!」と言うのを想像していた。


「九尾ギルドのモンは驚いた顔しとるな。……ええか? 緻密な計算と、適切な負荷のタイミングが筋肉を鍛えるには重要なんや。作戦も同じやで」


 風戸さんが白い歯を見せてニカっと笑う。……妙に説得力がある。


 玉野さんからも情報を教えてもらう。


「ワシらも難波ギルドとほぼ同じじゃが……少しだけ追加情報がある。

 守られている場所に銅像のようなものがあり、そこから光を発していたのじゃ」


 銅像が描かれた紙を渡される。

 かなり精密に書かれていた。

 

 フーガに似た悪魔のような姿。

 その存在が玉座に座り、腕を組んでいる。


 これは……魔王だろうか?


 フーガより明らかに一回り大きい。

 ただの銅像のはずなのに、禍々しさを放っていた。

 

「銅像を壊せば、おそらく光が消えるじゃろう。そうなれば他の場所の警戒が強まる。できればそれは避けたいのじゃ。よって——」


「全箇所同時攻撃やな!」


 玉野さんの言葉に風戸さんが被せる。

 玉野さんがニヤリと笑った。


「話が早くて助かるのじゃ! 光の柱は5つ。5チームに分かれ、同時刻に銅像を破壊する」


 作戦は決まった。

 それぞれのギルドを2チームに分ける。

 玉野さんと風戸さんがいないチームには私の分身が2体ずつ入る。


 そして私自身は気配遮断を発動し、気づかれずに銅像を壊す。


「時間は18時ちょうど。その時間になったら一斉に攻撃開始するのじゃ!」


 時刻を見ると、今は13時頃。

 それぞれの場所に余裕を持って到着できるだろう。


 ただし、私の分身は3時間しか保てないため、少し遅れて行かせる必要がある。

 その際、分身が合流する地点を事前に決めておく。


 私たちは互いの健闘を祈り、それぞれの担当場所へと散った。


 海風が強く吹き抜ける。

 遠くで、光の柱が静かに脈打っていた。


 銅像を破壊し光を絶った場合、相手に確実に気づかれる。

 その際、どのような行動を起こしてくるのか。


 私はナイフを握りしめ、静かに歩き出した。



————————————————————



後書き


 閲覧ありがとうございます!


 どうやら重村代表の魂がまだ彷徨っているらしく、今回は純粋な後書きになります(笑)


 何が本物で何が偽物か。

 そして、なぜこんなややこしい事態になっているか。


 そういったことを予想しながら見てもらえると嬉しいです!


 少しでも「重村カムバック!」「この先の展開が気になる!」と思っていただけましたら、

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「脳筋じゃない……だと!?」といった感想も大歓迎です✨


 次の話もよろしくお願いします!



 


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