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【ゲート×ソロ成長】孤独な少女は、影を纏い最強へ 〜日常の底で、刃は静かに成長する〜  作者: ショーナ・レーベン
第3章 交錯する刃

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第15話 ベルセルク

 フーガが拍手をしてきた。

 しかも満面の笑みを浮かべている。


「よもや……よもやここまでとは!! お前を殺すのは本当に惜しい!

 ワレが推薦してやる。お前もこちらの陣営に付かないか?」

 

 ……推薦?


 一瞬思考が止まった。

 だが、考え直す。

 

(今なら情報を抜き取れるかもしれない。聞いてみよう)


 右足は回復されてしまうかもしれない。

 それでも情報が欲しい。


「……そう言ってもらえて光栄です。それと、どこの陣営に推薦するというのでしょうか?

 それを知らないと、判断できないと思いますが?」


 私が尋ねると、フーガは顎に手を当てて悩んでいる。


「まぁよい……ここまで互角なのだ。少しは教えてやろう。

 ワレは魔王軍幹部フーガ! 今ならお前を魔王軍幹部候補として推薦してやるぞ?」


 ……魔王軍。現実にまさか実在するとは。


 その名前を聞き、少し動揺する。


「魔王軍ということは、侵略が目的でこの星に来たということでしょうか?」


「少し違うが、概ねその通りと言っておこう」


 少し違うというのは気にかかるが……別の質問もしてみよう。


「私が幹部候補になったら、この星に手出しをしないと約束できますか?」


 フーガほどの強さで幹部ということは、魔王の強さが予想できない。

 可能性があるなら、今は情報を引き出すべきだ。


「それは無理だ。魔王様はこの星をご所望だからな」


 ……そう上手くはいかないらしい。


「それなら、私もその提案は飲めません」


 私がそう告げると、フーガは少し悲しそうな顔をした後、すぐに獰猛な笑みを浮かべた。


「そうか、残念だ。ならば……脅威はここで摘みとっておく!」


 フーガが地面に両手剣を突き刺した後、空を飛んだ。


 ……やはり空を飛べたか。


 かなり厄介だ。


 フーガは天井付近の高さまで浮かび上がっていく。

 でも天井までは20mほど。


 全力で跳んでもギリギリ届かなさそうだ。

 少しでも高度を下げさせる必要がある。


 ギリッと歯を噛み締める。


「お前ら、蛮族は飛べまい!」


 フーガは空中で何か球のようなものを生み出していた。

 大きさは直径30cmほど。


 それを空中から撃ってくる。


——っ!


 右に跳ぶ。


 球が地面に当たり、床を貫通していた。


 速さはそこまでではない。

 だが、威力が高い。


「これを対応できるかな?」


 さらに複数の球を作成し、次々と打ち出してくる。


 球を走りながら避けていく。


 周囲で悲鳴が上がった。


 ……メンバーを巻き込まないようにしないと。


 できるだけ壁沿いを走る。


(どうしよう?)


 走りながら考える。


 こちらの伏せ札は【足場生成】がある。

 それをうまく使えば……なんとかなるかもしれない。


 ただし、タイミングをうかがう必要がある。

 早すぎても遅すぎても駄目だ。


 そのとき閃いた。

 壁を使えば届くかもしれない。


 次々と打ち出される球を避けていく。

 地面が陥没し、穴だらけになる。


 撃たれすぎると、走りにくくなりそうだ。


 実行しよう。

 羽を最優先で切る。


 途中で雷影の化身を発動し、一体分身を生成した。

 二手に分かれる。


 フーガはどちらを攻撃するか迷っているようだ。

 少し考えた後、分身の方に向かっていった。


 そして、フーガが城の内壁に近づいた。


——今だ


 助走をつけて内壁を駆け上がっていく。

 壁を伝い10mほど駆け上がる。


 そして——フーガに向かって跳躍する。

 分身と同時に向かう。


 一気にフーガに近づいていく。


 しかし、空中で回避された。


『今度はワレの番だ』


 そう言わんばかりにフーガがニヤけている。

 そして、私の方に爪を突き立てようと近づいてきた。

 

 その瞬間——


——スキル発動:【足場生成】


 空中にできた足場を踏み締める。


「ぬ……?」


 フーガの動きが一瞬止まった。

 今がチャンスだ。


 フーガの翼を目掛けてナイフを振るう。

 分身体も背後からフーガを狙う。


 交差する斬撃。

 両方の翼を切り落とした。


「ぉぉおおお!!」


 フーガが落下していく。


 地面にぶつかり、激しい音を立てる。


 私は空中で体勢を立て直し、足から着地した。


 フーガを見ると、分身体を睨みつけていた。

 私との区別はついていないようだ。


 翼は修復されつつある。しかしすぐに飛ぶのは無理そうだ。

 だが……フーガの足はすでに完全に治っていた。


 ……治るのが早すぎる。


 強烈な一撃で消し飛ばすしかない。

 それしか勝ち目がないように思える。


 物真似の持続時間は残り5分ほど。

 長期戦はできれば避けたい。


「……認めよう。貴様はワレに匹敵すると。

 本来は使うつもりがなかったのだが……貴様には惜しくない!」


 フーガの威圧感が急に高まっていく。


 ただ見ているだけなのに——肌が粟立つ。


「刮目せよ——『狂化(ベルセルク)』!」


 フーガが真っ黒なオーラに包まれた。

 どこか禍々しい。


 脳が『逃げろ』と喚いている。

 足が一歩、後ろに下がりかけた。


 必死に理性を総動員し、ナイフを構える。

 

 だが——

 気づいたときには視界から消えていた。


——っ!


 左に跳躍する。

 だが、周囲にはフーガがいない。


 ……どこにいる?


 周囲を見回す。

 よく見ると、分身体が手で貫かれていた。


 分身体が消えていく。


「ハズレか。だが……残りは一体」


 フーガがこちらに振り向いた。


 怖気が走る。

 その視線を感じた瞬間——体が動いた。


 体から紫電が放出される。



——【雷遁】——



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