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【ゲート×ソロ成長】孤独な少女は、影を纏い最強へ 〜日常の底で、刃は静かに成長する〜  作者: ショーナ・レーベン
第3章 交錯する刃

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第9話 雷影の化身

 ユニークスキル:【雷影の化身】を獲得した。


 まずは、このスキルで分身してみよう。


 魔力を身体から消費する。

 今までの雷遁を発動するのと同じくらいの消費量。

 

 体内から抜けた魔力量から使用限度を推測する。

 おそらく1日に6、7回が限度。


 あまり、大量には作れなさそうだ。


 それにいざという時のことも考えておく必要がある。

 雷遁を2回は使用できる魔力を残しておきたい。


 分身ができた場所に視線を移動させる。


 そこには影が揺らぎ、全身が真っ黒の人物がいた。

 体表から僅かだが、紫電が発生している。


 私をコピーしたのか、ナイフも持っていた。


 鏡でも見たが、明らかに不審者だ。

 真夜中に見たら、悲鳴を上げる自信がある。


(玉野さんたち、この怪しさでよく普通に対応できたな)


 最初に会ったときの内心を想像し、少し口元を緩める。


 ……こんなことを考えている場合ではなかった。


 頭を横に振り、思考をリセットする。


 とりあえず分身の性能を確かめよう。


 説明に載っていた思考共有を意識してみた。

 なんとなく繋がっているのが分かる。


 一度、この状態で戦ってみよう。


 近くにいるモンスターを探す。スライムがいた。


 分身に倒してほしいと思うと、動き出す。

 分身がどう動こうとしているか、分かる。


 分身がスライムにナイフを滑らせる。

 核を失い、スライムが消滅していった。


(分身がいるなら、一人で複数体を相手できそう)


 そんなことを考えていると、なぜか私に経験値が入ってくる。


「……え?」


 思わず、声が漏れた。


 ステータスを確認してみる。


 私自身が倒すほどの獲得経験値ではない。

 だが、その半分ほど入っていた。


(これなら……学校に行っている間もレベル上げが捗る?)


 どれくらい分身と離れられるか。

 持続時間はどれくらいか。


 それらはまだ分からない。


 だが、条件次第ではさらに効率よくレベル上げができる可能性がある。


 期待で胸が躍る。


 性能を調べていこう。


 時間をかけて、確認していった。


 分身との距離は、調べた限りでは何キロでも離れられた。

 持続時間は3時間ほど。それを超えると消える。


 分身もスキルを使えるが、雷遁や雷影の化身など魔力を使ったスキルは使えない。

 それ以外の性能は私とほとんど同じだ。


 分身は自身の判断である程度動いていて、離れていても指示は出せる。

 分身が消えると、その記憶が流れ込んでくる。


 想像以上に便利だった。

 

 ただ、少し欠点もあった。


 石が当たったくらいで、分身は消えたりしない。

 だが、僅かでも出血しそうな攻撃をくらうと分身が消えていった。


 魔力を無駄にはしたくない。

 使いどころは選ばないといけないなと思った。


 とりあえず学校に行ってる間、分身を4体出そう。

 3時間ごとに2体ずつ出せば、1日中ゲートに潜っているのとあまり変わりない。


 そう決めた。


 分身には、そのまま経験値稼ぎを続行してもらう。


 分身の性能把握はここまででいいだろう。

 

 あとは、雷影の化身の説明文に載っていたこと。


 恩恵として身体が雷属性に適応する。

 雷属性による魔力、体力消耗を軽減。

 

 これにより、雷遁がどれくらい変わるか把握しておきたい。


 ポーチから時計を取り出す。21時頃。


 この時間なら雷遁で疲弊しても、すぐに帰ればいい。


 ゲートの入り口近くに戻る。

 周囲でモンスターを探したが、すぐには見当たらなかった。


 ……敵がいなくても雷遁の発動はできるか。


 とりあえず発動しよう。


 魔力が抜けていく。

 魔力の消費量は今までの雷遁を発動したときと比べ、おそらく半分ほど。


 分身と比べ、バチバチと激しい紫電が体表から発生してくる。

 微かなプールの塩素消毒に似た匂い。


 身体を動かすと、放電がストリームとなって後ろで流れていく。


 時間が停止したと思うほどの圧倒的な速さ。

 やはり、この状態だと全能感がすごい。


 発動から3分が経ち、雷状態が解除された。


 身体が重くなる。

 だが、「もう寝たい」と思うほどではない。


 以前、授業で1km走った後くらいの疲れだ。


 少し身体が怠いが、このまま戦おうと思えば戦える。

 そんな微妙な疲労具合。


(これなら、雷遁の手札を切りやすい)


 今までは使用したら、効果がなくなる前に必ず勝たなければいけなかった。


 だが、これなら使用した後でも戦える。


 改めていいスキルが手に入ったと思い、ゲート外に出た。


 ……。


 外に出て、背伸びをする。

 最近は籠りすぎて、少しゲートに見飽きた。


 ポーチからスマホを取り出すと、玉野さんから連絡が来ていた。


『頬に傷がある男の件じゃが、少し進展したのじゃ』


 詳しく見ていく。


 玉野さんは氷雪ギルドと傷の男の件についてやり取りをしていた。

 その男が現れた場合、玉野さんに連絡がいくようになっていたらしい。


 今日、氷雪ギルドで傷の男が現れ、玉野さんに連絡がきた。

 玉野さんはやり取りの最中に、聞き耳を立てていたみたいだ。

 その結果として、声が完全に同じで同一人物と玉野さんは確信したと書いてあった。


『追跡して、男の住所を突き止めたのじゃ。仲間も捕まえるために、今は泳がせておる。

 いつになるかは分からぬが、奴が仲間と合流した際、一斉に捕まえたい。影殿にも手伝ってほしい』


 返信を打っていく。


『私もその男について気になっていました。捕まえるときは、私も手伝いますので教えてください』


 すぐに『感謝!』とスタンプが送られてきた。


 ポーチにスマホをしまい、頬に傷があった男のことを考える。


 ……あの男が襲撃事件の犯人だったのか。


 男の憎悪の籠った視線を思い出す。


 何度思い返しても、やっぱり記憶にない。

 今までに会ったことはないはずだ。


 なぜ、そんな人物が睨んできたのだろう。


 考えても分からなかった。


(色々とすることが増えていくなぁ)


 そんなことを考えながら、家へと帰っていった。


 スキルの強化。レベル上げ。傷の男。


 そして——フーガ。


 やることは山積みだ。


 でも、一歩ずつ前に進んでいる。




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