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【ゲート×ソロ成長】孤独な少女は、影を纏い最強へ 〜日常の底で、刃は静かに成長する〜  作者: ショーナ・レーベン
第3章 交錯する刃

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第4話 エルフ

 案内されながら、代表のことを聞いてみた。


「影ちゃんなら、歓迎されると思うわよ?

 少し毒舌だけど、根は優しい子だから」


 バチコーンとウィンクを飛ばしてくる。


 話しているうちに、本社に着いた。

 受付でギョッとした目で見られたが、そのまま案内される。


 どこでも、ギョッとした目で見られる。

 そんなに影を纏っていると怪しいだろうか。


 自分の姿を客観的に想像する。


 ……うん、かなり怪しいな。


 影を纏いすぎて、見た目の怪しさを忘れていた。


 鏡の前を通る。そこには影で覆われた自分が映っていた。いかにも悪役といった感じだ。

 改めて自分を見て、そのシュールさにちょっとだけ笑った。


 代表の部屋の前で言い争いが聞こえてくる。


『だから、俺が入ってやるって言ってるだろ?

 お前ら、女だけじゃん。俺は強いし、全員守ってやるって』


『あなたのような信用できない男はいらないわ。さっさと失せて』


 部屋の中から冷気が漏れている。


 廊下にいるのに、吐く息が白くなる。

 肌がピリピリと痛い。


(扉を挟んでこれか……中はどれだけ寒いんだ)


 中の人物は相当な実力者だ。無意識に背筋が伸びる。


『……ッチ。いつか後悔するぜ』


 部屋から男が飛び出してきた。

 男は私に気付き、ジッと見つめてくる。


 頬に大きな切り傷がある。かなり特徴的な風貌だ。

 一度見れば忘れないだろう。


 会った覚えはない。



 だが——なぜか憎悪の籠った視線を感じる。



 男は私を見て舌打ちをすると、そのまま去っていった。


(あの視線は……なに?) 


 背筋に冷たいものが走る。


 嫌な予感がした。あの男は覚えておこう。




 横を見ると、エリカさんが頭を抱えている。


「あちゃー。あの人、また来たのか。今は、かなり代表の機嫌が悪いかも。

 先に中に入って、影ちゃんのこと話してくる。ここで少し待ってて」


 エリカさんは申し訳なさそうにそう言った。


「大丈夫です」と伝えると、エリカさんは中に入っていった。


 断片的に「ハァ?」「まぁ……無事なら良いわ」といった会話が聞こえてくる。


 5分ほど待っているとエリカさんが部屋から出てきた。


「お待たせしてごめんねー! 機嫌がおさまったから大丈夫だと思う!」


 そう言って扉の中に案内される。


 中に入ると、少しだけ冷たい空気が漂っていた。


 部屋は全体的に白が多い。

 白い壁に、白い机。ソファーまで白で統一されている。

 まるで雪景色のような印象を感じた。


 中の人物に、視線を移動する。


 小柄だ。身長は150cmほどだろうか。

 見た目は二十代前半くらい。

 そして、白髪で赤い瞳。アルビノなのかもしれない。

 だが、一番特徴的で、人間なら絶対にないものがあった。


——10cmほどある大きな尖った耳。


 思わず、目を見張る。


 すぐに鑑定してみる。



【人物鑑定:東條雪奈】

種族:エルフ レベル:23

スキル:【氷魔法 Lv.5】 / 【寒冷耐性 Lv.4】

    【刀術 Lv.3】 / 【鑑定 Lv.3】

    【精霊術 Lv.2】 / 【精霊武装 Lv.1】

状態:正常 弱点:やや近距離



 種族がエルフとなっている。



 そして——鑑定。



 おそらく、こちらも鑑定された。


 冷や汗が流れる。

 どうするか考えていると話しかけられた。


「ギルドの者を救ってくれたようね。礼を言います。

 私の名前は東條雪奈。あなたのような強者と知り合いになれて嬉しいわ」


 少し間が空く。


「それにしても鑑定持ち。

 私以外だと初めてみたわ。名前が見れないのも初めてね」


 ……やはり見られていたか。


 ただ、名前は見られていないことに少しホッとする。

 影纏いを発動しておいて良かった。


 軽く息を吐き、返事を返す。


「私も鑑定持ちに会ったのは初めてです。私のことは影とでも呼んでください。

 それと……私も雪奈さんを鑑定しました。種族は変えられるのですか?」 


 その後はお互い、気になったことを情報交換する。


 種族は、称号【エルフ化】によるものらしい。

 精霊を見れるようになるため、常にエルフ化を発動しているみたいだ。


 私も名前が見れない理由を聞かれる。


 称号で【影纏い】があり、それで名前などを見えなくできると伝えておいた。


 他にも、鑑定などの一部のスキル。

 ジョブが全く同じでも取れるスキルに差があることも教えてもらった。


 私の正体には興味があるみたいだ。

 だが、ギルド員を助けてもらったことから詮索はしないと言われる。


(……もう、正体バレを心配していたと察したのか。頭の回転は速そうだ)


 それと、フーガのことも共有しておく。


「今日、エリカさんも入ったゲートと同じ場所。その場所に一月後、またフーガが来るみたいです。

 フーガのレベルは……最低でも40。私も戦う予定ですが、今から備える必要があると伝えておきます」


 雪奈さんは目を閉じ、少し考えていた。


 思考の整理ができたのか、話しかけてくる。


「それなら、コピー体と互角だったあなたと戦ってみたいのだけどどうかしら?」


 私もフーガと戦う前に、対人戦の経験は少しでも増やしておきたい。

 でも、レベル上げが今は一番の優先順位だ。


「少しでもレベル上げをしたいので、今からでもいいですか?」


 尋ねると今からできるみたいだ。


 それと、フーガの詳細も伝える。コピー能力についても説明した。


「それなら複数戦にしましょう」と雪奈さんから提案があった。

 四人対一。私の訓練にもなるはずだ、と。


 フーガも複数だった。その対策になる。

 私もその方がありがたい。


 私は一度頷き、同意する。


 どう戦うかを考えながら、雪奈さんの後を追った。


——四人対一。


 フーガのコピー体よりも、厳しい戦いになるかもしれない。


 でも、これは訓練だ。


 一ヶ月後、本体のフーガと戦うために——


 私はより強くなり続ける。


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