11/11
番外編 二人の日常と小さな幸せ
祭りが終わり、商店街には再びいつもの穏やかな日常が戻った。
蛮鶴挟のハンバーガー店も、尾ニ切米のおにぎり屋も、少しずつ客足が落ち着きつつある。
「挟くん、今日も試作ハンバーガー作るの?」
米は厨房のカウンター越しに微笑む。
「うん。新しいソースを試したくて」
挟も笑顔で応える。二人の空気は、祭り前の焦燥感や不安からは解き放たれ、穏やかだった。
*
昼下がり、商店街のベンチで二人は並んで座っていた。
挟はハンバーガー、米はおにぎりを手に持ち、無言のままかじる。
「……やっぱり、二人で作ると美味しいね」
挟がぽつりと呟くと、米が頷いた。
「うん。お互いのいいところを活かせるもんね」
子どもの頃の約束を思い出す。
「いつか一緒に何かを作るんだ」――あの小さな誓いは、今や確かな現実になっていた。
*
ある日の夕方。
二人は商店街の屋台の片付けを終えると、肩を並べて歩きながら話す。
「挟くん、次の祭りはどうする?」
「そうだな……もっと大胆なハンバーガー、おにぎりも新しい具材を試してみるか」
米は目を輝かせる。
「じゃあ、一緒に考えよう!」
並んで歩く二人の姿は、幼なじみであり、恋人であり、最高のパートナーであることを物語っていた。
夕陽が二人の影を長く伸ばし、商店街を黄金色に染める。
小さな幸せが、二人の周りに静かに広がっていく――。
おわり




