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プロローグ
プロローグ(幼いころの約束)
夏祭りの夜、商店街の真ん中で、二人は向かい合っていた。
紙提灯の赤い光に照らされて、まだ小さな顔が真剣に見える。
「はさむくん、大きくなったら、わたしとけっこんしてくれる?」
米は小さな手をぎゅっと握りしめて、少し上目づかいにそう言った。
蛮鶴 挟は、頬を赤くしてうつむく。
だけど負けず嫌いの性格が、幼い胸の奥でむくむくと顔を出す。
「……いいよ。でもそのかわり、米ちゃんのおにぎりより、ぼくのハンバーガーの方が美味しかったら、米ちゃんがぼくのお店を手伝うんだ!」
「ええっ! じゃあ、はさむくんのお肉より、わたしのおにぎりが美味しかったら、はさむくんがおにぎり屋さんに来てよね!」
二人は同時に「約束!」と声を重ね、小指をからめた。
夜空には花火がひらき、子どもたちの笑い声が商店街にこだました。
その約束が、何年もあとに思いがけない形で二人を結びつけることになるとは――
このときの二人は、まだ知らなかった。




