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レベルは上がるよサクサクと

 チェルにボーナスポイントを設定してもらった俺は近隣の人里を目指すことにした。

 将来がどうだろうと今現在、弱くて危険という事実は変わらない。

 ポイントは今すぐ必要な腕力、脚力、耐久力に全振りして現在使用法が不明な魔力は無視した。

 これでさっきのコボルトが1~2匹くらいまでなら問題はないはずだ、多分。


 途中で拾った適当な棒を武器に足を進めていくとコボルトを見つけた。

 俺は経験値を稼ぐべく獲物に襲い掛かった。

 コボルトの頭に思いっきり棒を叩きつける。

「ガ……」


「はぁっはぁっ、やった」

 先程あれだけ苦労したコボルトを一撃で倒すことができた。

「へへっ悪く思うなよこっちも生きるために強くならないといけないんだ」

 なんか悪人っぽくそう言って前を向くとなにやらゼリーっぽい物体がゆっくりと近づいてきた。

 スライムか?

 こいつも経験値にちょうどいいと思いっきり棒を叩きつける。

 だが手ごたえはなくその代わりにジュッと棒が溶けた。

 次の瞬間、それまでの緩慢とした動作が嘘のようにスライムが飛び掛ってきた。


「へ!? 痛っ、熱ぃ!!」

 スライムが触れた瞬間、手足に痛みが走った。

 棒と同じように俺の皮膚が溶けているのだ。

「ぎゃあ、このっ!!」

 慌てて辺りの木や地面にスライムを擦り付けて引き剥がす。

 そのあと石やら何やらを投げつけスライムが動かなくなるまでバラバラにした。

 腕から血が滲んでいてかなり痛い。

「はあっ、はっ、スライムは雑魚じゃなかったのかよ」

 そういえば某有名RPGが出るまではスライムは恐ろしいモンスターとして扱われていたことを思い出した。

 とにかく手とかを直さないと痛い。


「レベルアップ!」


「レベルアップできる経験値が溜まりました~。レベルアップしますか~?」

 早速、チェルを呼び出してレベルアップして傷を治す。

 もう経験値とか余計なことは考えないでさっさと先を急ごう。


 だがそうすんなりとは行かず……


「ぎゃあでかいカラスの大群!」


 レベルアップ!


「なんでイノシシが追ってくんだよ」


 レベルアップ!


「くそっさっきのコボルトの仲間たちか?」


 レベルアップ!




 やたら余計な戦いを強いられ町に辿り着く頃には俺のレベルは21となっていた。

 町の入り口まで来た俺は居眠りしていた兵士っぽい人に声を掛けた。

「すみませーん」

「ん? うおっ、何だアンタその格好!ボロボロじゃないか」

 気付かなかったが逃げたり戦ったりしてるうちに服が裂けて随分とパンクな格好になってしまった。


「あの、モンスターに襲われて荷物とか……」

「あー分かった分かった、こっちだついて来い。メシぐらいは食わせてやる」

 考えていた言い訳を遮って兵士の人はこちらの事情を勝手に汲み取ってくれたらしく彼らの詰め所に案内してくれた。

 俺は食事をご馳走になりながら「町へ出稼ぎに来る途中でモンスターに襲われ命からがら逃げてきた」という設定の話を兵士たちにした。

 彼らは興味もないのか思ったよりあっさりと信じてくれて今晩はここへ泊めてもらうことになった。

 正直どうなることかと思ったがとりあえずはなんとかなった。

 明日のことはまた明日起きたら考えよう、今日はもう疲れた……


書いてる分には楽にレベルアップしてますが実際に戦っている方は命がけです。

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