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浮気調査から始まる商業帝国築き上げた件について  作者: 白鼠


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三日間。


私は秘書に報せを送った。「佐藤一郎を徹底的に見張れ。細大漏らさず。佐々木結衣の方には手を出すな。彼女は自ら出てくる」


その上で、携帯電話の通知を切った。完全に電源を落としたわけではない——この件に関する全ての報せを途絶させただけだ。結衣からの報せは届くが、私から尋ねることはない。葵からの電話はあるだろうが、秘書が代わりに受ける。


この三日間が必要だった。彼女に考える時間を与えるためではない——私自身が見極めるための時間だ。


彼女が結局どちらに歩み寄るのかを。


---


一日目


午前九時、秘書からの報せが届き始めた。


「佐々木結衣、未だ外出なし。朝食は使用人が部屋まで運ぶ。執事に書斎の古い紙の箱を探させた模様。中身は不明」


古い紙の箱。


私にはその中に何があるのか分かっていた。


午後二時、佐藤が住処を出発し、四十分歩いて佐々木会社の人事部へ面接に向かった。彼はあの洗いざらしで色あせた白い上衣を着ていたが、丹念に皺を伸ばしていた。面接官は人事責任者の山田颯太。私の手配だ。


「山田責任者の所見:佐藤一郎の業務能力は基準を満たしており、経歴に問題なし。ただし『前職を辞めた理由』を尋ねたところ、十秒の沈黙の後『個人的な理由』と回答。標準的な手続きに従い、来週の入社手続きを伝えたとのこと」


彼は私の名刺を使わなかった。正式な窓口から履歴書を送り、面接の手続きを経たのだ。


この男は、助けを受けることさえも、体面を保とうとする。


夕刻六時、佐々木結衣が外出した。車は使わず、徒歩。執事によれば、普段着に帽子をかぶっていたという。


「方向:旧市街」


私は指で操縦輪を二度叩いた。


「追うな。戻ってくるのを待て」


四十分後、報せが届いた。


「佐々木結衣、旧市街の路地の入り口に十五分間立っていたが、中には入らず。その後歩いて川辺の公園へ向かい、腰掛けに一時間半座っていた。現在、帰途につく」


彼女は彼の住む場所を見に行った。だが中には入らなかった。そして川辺に一時間半座っていた——そこは私と彼女が初めて会った食事処の近くだった。


彼女は佐藤に会ったわけではない。だが彼女は、彼の記憶が残る場所に長く留まっていた。


夜十一時、秘書から最後の報せが届いた。


「佐藤一郎、本日の面接後は帰宅し、外出なし。窓の灯りは十時までともっていたが、その後消灯」


---


二日目


朝六時、結衣が外出した。運動着で、朝の散歩。


経路:旧屋敷の外周を一周し、佐藤がかつて住んでいた旧宅の跡地を通る——そこは既に取り壊され、今は駐車場になっている。彼女はそこで五分間立ち止まった。


午前十時、葵の電話がようやく繋がった。秘書は私が「出張中」だと伝えた。


「出張? こんな時に出張? 彼は結衣が——」


「小林様からは、会社のことは既に手配済みとおっしゃっておりました。小林様はどうかご安心なさってお休みください」


葵は電話を切った。十分後、彼女は外出した。


秘書から報せが届く。「佐々木葵、旧市街へ向かう」


「佐藤一郎に会いに行くつもりだな」


「止めますか?」


「いや」私は返した。「行かせろ。どうなるか見ておこう」


四十分後、二通目の報せが届いた。


「佐々木葵、佐藤一郎の住処を突き止め、扉を叩く。佐藤一郎、応対。会話の内容は傍受できないが、佐々木葵が立ち去る際の顔色は非常に悪かった。佐藤一郎は扉を閉めた後、外出せず」


私は佐藤に電話をかけた。


「葵が行ったか?」


「ええ」彼の声は穏やかだった。「江城から立ち去れと」


「どう答えた?」


「この仕事が必要だと、そう言いました」


沈黙。


「小林様」佐藤が言った。「私が調べられているのは分かっています。ご自由に」


電話は切れた。


午後三時、秘書から一通の書類が届いた。佐藤の詳しい身元調べ。


退役した偵察兵。五年間の服役、三等功勲章を二度。退役後は警備会社で二年間働き、退職理由は「上層部との衝突」。書類には処分通知も添付されていた——彼が違法な指示の執行を拒否したため、譴責を受け、自ら辞めたという。


悪評なし。弱みなし。脅しに使えるようなものは何一つない。


清廉潔白な人間は、この世で最も手ごわい。


夜八時、結衣が佐藤に一通の報せを送った。


私の監視網がこの情報を捉えた——内容ではなく、その存在だけだ。彼女が送り、彼が返した。往復で三度。


そして止まった。


秘書が尋ねた。「内容を掴みますか?」


「不要だ」


私には彼女が何を尋ねたのか分かっている。彼が何と答えたのかも分かっている。


だが彼らは境界線を越えてはいない。少なくとも今のところは。


---


三日目


この朝、結衣は外出しなかった。


彼女は一日中家にいた。執事によれば、午前中は書斎で本を読んでいた——書類ではなく、確かに本を。午後は庭に二時間座り、葵と幾ばくか言葉を交わした。葵の表情は前日よりいくぶん和らいではいたが、依然として強張っていた。


夕刻、佐々木のおじい様が彼女の部屋を訪れた。四十分間、共にいた。


何を話したのか、誰にも分からない。


だが執事が後になって伝えた。「おじい様が出て来られた時に、こうおっしゃいました。『この子もようやく、大人になったな』と」


この言葉が何を意味するのか、私には見当がついた。


夜九時、結衣から一通の報せが届いた。


「明日、出社する。時間をくれてありがとう」


答えはなかった。表明もなかった。ただ「出社する」だけだ。


佐藤の方では、この日は平穏に過ぎた。彼は住処を片付け、来週の入社に備えている。秘書が一枚の写真を送ってきた——彼がその洗いざらしの白い上衣を窓辺に干しているところだ。窓からは温かみのある灯りが漏れている。


地下室に住む男が、上衣を清らかに洗い、窓辺に干している。


私はその写真を長いこと見つめていた。


---


三日間が終わった。


結衣は三日間考え、佐藤は三日間待ち、葵は三日間騒ぎ、私は三日間見守った。


彼女は佐藤に会わなかった。電話もしなかった。境界線を越えるようなことは何もしなかった。だが彼女は朝の散歩で佐藤の旧宅の跡地に立ち止まり、川辺の腰掛けに一時間半座り、佐藤に報せを送った。


私にも何も寄越さなかった。三日間、あの「明日出社する」という報せの他には、何一つ。


彼女は中間にいる。左にも右にも寄らず。前にも後ろにも進まず。


これが彼女の「考えた」結果なのだ。


携帯電話の画面が輝いた。結衣からの報せだ。


「明日の朝、執務室で。話がある」


「話がある」——「考えた」でもなければ「答えは出た」でもない。「話がある」だ。


彼女はまだ答えを出せていない。あるいは、その答えは口にできない類のものなのだ。

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