21
私が結衣の部屋に着いた時、彼女は既に普段着に着替えていた。髪は下ろし、長椅子にうずくまって薄い板を眺めている。机の上には既に冷めた茶碗が二つ、脇には数枚の開かれた書類が置かれていた。扉の音を聞いて、彼女は顔を上げ、薄い板を置いた。
「帰ってきたの?」彼女は自分の隣の場所を叩いた。「座って。話があるの」
私は腰を下ろし、彼女の目の下にうっすらと青い色が浮いているのに気づいた。
「吉田さんのこと、調べてみたの」彼女が口を開いた。声はいつもより低い。「彼の最近の動き、少しおかしい。佐藤を調べているだけじゃない。旧市街再開発の案件の古い書類も引き出している。あの書類は三年前に封じられたものよ。彼が突然引き出そうとしたから、書庫の者が変に思って報告してきた」
「どんな書類だ?」
「評価報告書。三年前のあの土地の評価報告書よ」彼女は私を見た。「あなた、あの土地のことを知っているの?」
「いくらかは」
彼女はしばらく沈黙した。指で膝の上を無意識に叩いている。
「小林、あなた、吉田さんと何か話をしているの?」彼女は率直に尋ねた。目は私の顔をじっと見つめ、一瞬も離さない。
私は避けなかった。「彼が会いたいと言ってきた。話をした」
「何の話?」
「彼の席のことだ。彼は来年退く。席が空く。誰が座るか」
結衣の表情が変わった。驚きではない。何かを既に察していたような静けさだった。
「彼はあなたに座れと?」
「私に興味があるかと尋ねられた」
彼女は長いこと私を見つめた。彼女の頭の中で歯車が回る音が聞こえそうなほどだった。
「どう答えたの?」
「考える時間が必要だと」
彼女は長椅子の背もたれに寄りかかり、目を閉じた。指でこめかみを押さえ、そっと揉んでいる。
「小林」彼女は目を開けた。「吉田さんがなぜあなたを訪ねてきたか分かる?」
「金が必要だからだ。息子が米国で損をした」
「金だけじゃない」彼女は首を振った。「彼は逃げ道を探しているの。おじい様が彼の権限を収めようとしている。彼は諦めきれない。退く前に、自分が握っているものを良い値で売りたいのだ」
「握っているもの?」
「旧市街再開発の案件の帳簿、松本美月のこと、それから……」彼女は一呼吸置いた。「それからおじい様と佐藤の祖父との間のこと」
私は彼女の続きを待った。
「佐藤の祖父は、昔おじい様の大きな一件を処理してあげたの。具体的に何かは分からない。でも、あのことが表に出れば、おじい様は江城で立ち行かなくなる」彼女は私を見た。「吉田さんはあの一件の内情を知っている。彼が佐藤を調べているのは、確かめたいのだ——佐藤の手に、祖父が遺したものがあるかどうかを。もしあれば、彼はそれをおじい様との交渉に使える。もしなければ——」
「彼はあなたを頼るしかない」私が代わりに言葉を終えた。
彼女はうなずいた。
「小林、もしあなたが吉田さんと手を組めば、それはおじい様の対抗馬に回るということよ」彼女の声はかすかだが、一言一言は明瞭だった。「あなたはそれを考えたの?」
「私にどう選べと言うのだ?」
彼女はすぐには答えなかった。立ち上がり、窓辺へ歩いていき、窓を押し開けた。夜風が吹き込み、彼女の髪を乱した。
「分からない」彼女は言った。声は少し嗄れていた。「どちらを選べばいいのか、私には分からない」
「なぜだ?」
「どちらを選んでも問題があるからよ」彼女は振り返り、窓枠に寄りかかった。「おじい様の側を選べば、あなたは永遠に彼の手の中の駒よ。彼が行けと言う方へ、行かねばならない。吉田さんの側を選べば、あなたは賭けをしていることになる。彼があなたの欲しいものを手に入れさせてくれるかどうか、彼が肝心な時にあなたを売らないかどうか」
彼女は私を見た。目の縁は赤かったが、泣いてはいなかった。
「あなたに何かあったら嫌なの」彼女は言った。「あなたが私を助けたせいで、おじい様に追い出されるようなことがあってはならない」
どうやら彼女の見通しはまだ十分に深くない。私は安心した。立ち上がり、彼女の前に歩み寄った。
「結衣」私は彼女を呼んだ。「私に吉田の席に座ってほしいか?」
彼女は長く沈黙した。夜風が彼女の髪を私の顔に吹きつけるほどに。冷たく、彼女の香水の香りがした。
「ほしい」ようやく彼女が言った。声はかすかだった。「あなたが彼の席に座れば、私にも集団の中で味方ができる。何でもおじい様の言いなりにならなくていい。何でも彼の者たちを避けて通らなくていい」彼女は顔を上げて私を見た。「でも、あなたに危険を冒してほしくない」
「もし自分のためにやるのだとしたら?」
彼女は一瞬呆けた。
「もしその席に座るのが、あなたを助けるためではなく、自分のためだとしたら?」私は彼女の目を見た。「それでも私に座ってほしいか?」
彼女は長いこと私を見つめた。そして彼女は笑った。その笑みはごく淡いが、目には光があった。
「ようやく本当のことを言ったわね」彼女は手を伸ばして私の手を握った。「小林、私はあなたが自分のために動くことを恐れていない。私はあなたが何もかも私のために動いて、その貸しを心の中にため込んで、いつかまとめて返せと言うのが怖いの」
彼女の手はとても冷たかったが、しっかりと握られていた。
「その席に座りたいのなら、座りなさい」彼女は言った。「でも一つ約束して」
「何だ?」
「吉田さんとどんな話をしようと、おじい様とどんなに争おうと——私に隠さないで」彼女は私を見た。「私はあなたの婚約者よ。あなたの駒じゃない」
この言葉は重かった。重すぎて、私はすぐには返せなかった。
「分かった」私は言った。「隠さない」
彼女はうなずき、私の手を離し、長椅子のところへ歩いて戻り、腰を下ろした。
「吉田さんのことなら、いくつか情報を持っているの」彼女は机の上の書類を手に取った。「これは私が調べさせたものよ。旧市街再開発の案件の評価報告書。当時の評価機関は吉田さんが推薦したものよ。評価額と市場価格の差は二億。この金の行き先は私には調べられなかった。でも、吉田さんの息子が米国で会社を経営していて、この三年でかなり損をしていることは知っている」
彼女は書類を私に差し出した。
「これらのものは、使えそうなら使って。使えなければしまっておいて」
私は書類を受け取り、数頁めくった。数字、表、資金の流れ図。葵がくれたものよりも詳細だった。結衣は佐々木の会社にこれだけ長く在籍してきた。彼女の手にあるものは、私が思っていたよりも多い。
「吉田を調べ始めてどれくらいだ?」私は尋ねた。
「二年」彼女は言った。「彼が初めて自分の者を後任に推そうとした時から」
私は彼女を見た。彼女は長椅子に座り、髪を肩に下ろし、ゆったりとした普段着を着ていた。ごく普通の若い女性に見えた。しかし彼女の手に握られているものは、佐々木の会社に三十年いる古参の臣を転覆させるに十分だった。
彼女は侮れない。
「結衣」私は彼女の隣に座った。「お前の手には、こういうものがまだどれだけある?」
彼女は私を一目見て、口元を動かした。
「十分よ」彼女は言った。「でも人を害するためのものじゃない。自分の身を守るためのものよ。分かっているでしょう、この家では、用心していなければ生きていけないって」
彼女が「この家」と言う時、声はかすかだった。しかし私には彼女が言わんとすることが分かった。佐々木の家の水は深すぎる。深すぎて、佐々木の姓を持つ彼女でさえ、慎重に歩まねばならない。
「小林」彼女は私の肩に寄りかかった。「吉田さんと話す時は、気をつけて。彼は手の内をすべて見せるような人じゃない。彼が見せるものは、彼が見せたいものだけよ」
「分かっている」
「それから佐藤のこと」彼女がこの名前を口にする時、声に揺れはなかった。「吉田さんが彼を調べているのは、おじい様の弱みを探るためだけじゃない。あなたを試しているのよ」
「私を?」
「彼は知りたいのだ。あなたが佐藤にどんな態度をとるのかを。もしあなたが佐藤に敵意を持っていれば、彼は佐藤を使ってあなたを脅す。もしあなたが佐藤をどうとも思っていなければ、彼は佐藤を使ってあなたを味方につけようとする」彼女は顔を上げて私を見た。「あなたはどう思うの?」
この問いは、これまでのどの問いよりも難しかった。
「私の考えはこうだ」私は言った。「佐藤は私の敵ではない。ただ、まともに生きたいだけの人間だ」
結衣は一瞬呆けた。そして彼女は笑った。今度は本当に笑った。目が三日月のように細くなった。
「あなた、変わったわね」彼女は言った。「出会ったばかりの頃は、そんなこと言わなかった」
「人は変わるものだ」
彼女は何も言わず、ただ私の肩に寄りかかり、目を閉じた。
私は長椅子に座り、片腕で彼女を抱き、もう片方の手でその書類をめくった。数字が目の前を踊るが、頭の中では別のことを考えていた。
吉田は金を欲しがる。私は権力を欲しがる。結衣は味方を欲しがる。おじい様は権限を収めようとする。佐藤は生きることを欲しがる。誰もが何かを欲しがり、誰もが何かを握っている。この碁は、私一人が打っているのではない。
携帯が震えた。吉田からの報せだった。
「小林様、あの一千万、いつ入りますか?」
私は結衣に目をやった。彼女はもう眠っていた。息はかすかで、睫毛が灯りの下に小さな影を落としている。
私は片手で返した。「三日内に」
そして携帯を置き、毛布を引き上げて彼女に掛けた。
三日。一千万が届く。そうすれば、私は次の手を打ち始める。




