#50 オカザキさん家の新生活事情
四月ですね。
「一年◯になったら」を我が家のゆー君も歌います。そんな時期です。
なんで伏せ字かと言うと、著作権に引っかかる恐れがありそうですので。
曲名でありながら歌詞ですからね。歌詞の引用は短かければ良いというものでは無いようです。
この現代、歌詞の引用は非常に難しく、歌詞の無断借用で著作権法違法になるらしいのでこんな体裁。
まさか「一年没になったら」とあてるヒトもいないだろう。いや、ゆー君なら歌いそうだが。
「一年、棒になったら」
一年を棒に振るか。やめて俺の思考。いい加減止まって。
「一年間になったら」
期間限定お父さん。
え?
えーーーーーーー?
お父さん業も契約社員ですか?
まって、マジまって(止まって俺の脳細胞!!!!)
さて皆様、いかがお過ごしでしょうか。(仕切り直し)
我が家のゆー君も無事に保育園を卒園しました。春は新たなことが始まる季節。
進学、就職、出会い、別れ、恋、番組改変(あまりテレビを見ないのでどうでもいいが、ラジオは友達なので切実――という割には聞けてないけど)
早かったなぁ、という気持ちでいっぱいです。
なっちゃんが保育園を卒業した時にもそれは思いましたが。
卒園式に参加して、涙腺が緩む。
4年間、ゆー君は保育園を利用させて頂きました。
過去のエッセイでも書きましたが、運動が苦手だったり、発語が無いと言われたり。お姉ちゃんに依存しているのでは? とも言われたりしました。
姉ちゃんに関しては、その通りだと思いますが(遠い目)
でも素敵な保育士さんにも、素敵なお友達にも出会えて、今のゆー君があるのかな、と思います。
ゆー君は脚力が弱いと散々言われてきました。
「整形外科でしっかり見てもらったら?」
と言われたこともありましたねぇ。(それすら今では懐かしい)
それがどうか。
年長組になったのと、今回の担任の先生の「伸ばす言葉」に救われたと思います。救われたのは主に親である僕らが、ですが。
「ゆー君はしっかり挑戦してますよ」
「跳び箱できました、スゴイです!」
「ジャングルジムにも登ってますよ」
「私達保育士のお手伝いしてくれて、本当にがんばりやさん。助かってます!」
「劇のピーターパン頑張りましたね、とてもよく声がでていて。台詞も完璧でしたもんね
「ゆー君は聞かれたら、しっかり自分の意見を言ってくれます。他の子は照れたり、言えなかったりするんです。これってスゴイことですよ」
最後の言葉は、保育園卒園後、3月いっぱいは登録あるので保育園利用していたのですが、相方さんに先生に言われた言葉でした。
相方さん、思わず涙をこぼしてしまったそうです。
スゴイことなんです、と言い切れる先生、あなたがスゴイです、と僕は言いたい。
この社会は情報で氾濫しています。
どの情報を信用したらいいか分からない。
その中で半かじりの知識に追い立てられながら、新米ママ・新米パパは子育てをする。
子どもの個性だって一人一人違う。
だから、なっちゃんとゆー君だって、やっぱり違う。
違っていいし、親だって間違っていいと僕は思う。
でも「親だからこうあるべき」という空気、あまりに厳しくないか? と僕は思う。
間違った時に「ごめんね」と許しをこう、これも親子の関係なんだと思います。
その子を育てるという事は未経験なことです。
だからこそ、毎日が新しい。
ゆー君はなっちゃんがそうだったように、小学校に入学することで、保育園ではあり得なかった社会の厳しさの一端を味わうことになる。
でも僕らは、子ども社会のことは先生たちにお任せしないといけないし、その一方で学校に任せっきりではなく、僕らが子ども達に接する事で示す「オトナ」ってヤツを背中で語っていかないといけない。最後にチビズを守るのは僕らだ、という意識もある。そのバランスの中で格闘して、でも思い通りにいかなくて声を荒げる事もある。
でも、それでいいんじゃないかな? と思います。
親になったら完璧な親になるなんてある訳ない。
子どもに親にさせてもらった、その感覚がまずあって。
だから僕らは、やっぱり半熟な「親」なんです。
そうでない、親御さんもたくさんいっることをココでは記しておきますが。
完璧でなくてもいい。
完全でなくてもいい。
未完成でもいい。
もっと言うと頑張らなくてもいい。
頑なに張らなくてもいい。
なっちゃんもゆー君も
君たちが君たちらしく、笑ってくれたらそれでいい。
普段、そう言えない事が多いのがなんとも情けないんだけど。
新しい旅立ちに期待をこめるのは、子どもたちだけじゃないぞ、と春の息吹を感じて深呼吸をしながら――。
「もうイヤーーーーーー!!!!!」
相方さんの絶叫が響く。
鉛筆にも算数セットのおはじきにも、それぞれ1つずつ名前を書く必要があるのです、入学準備は。
「手伝おうか?」
と僕が声をかけた瞬間に睨まれました。
「レオさんが、こんな細かい作業できる訳ない!(断定)」
え? ひどい……
「やれるの? このおはじきの一枚一枚に名前書くのが?」
すいません、無理でした。応援してます。
「応援なんか、いらんわーーーーーーー!」
お怒りごもっともです。(なら言うなw)
一方のゆー君は名前をつけてない小学校用の鉛筆を使いたいとルンルン。勿論、相方さん却下の一喝。半泣きですが?
さてそこに空気を読まないマイペースななっちゃんが乱入してカオスな様相。
子どもが常にいる春休みは、親のペースも乱されてなかなか大変なのです。
春の息吹が――
期待に満ちた新生活が――
希望ふくらむ淡い感情が――
ま、いっか。(おい!!)
オカザキさん家は、まぁいつもこんな感じなのです。疲れたら一緒に背伸びしましょ。そんな感じでね。
それでいいんです。
50話でなろう版オカザキさん家を一区切りとさせたいと思います。
振り返ってみると、本当に脱力系でしかないこのエッセイを読んでくれた皆様に本当に感謝に感謝しかなくて。
お読み頂き、本当にありがとうございました。