表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DoomsDay  作者: 文乃絢千
6/12

6.毒島

 才華はアイスティーが空になったので氷を口の中で舐めている。おもむろに携帯を取り出すとドゥームズデイという単語を調べ始めた。元々はキリスト教の最後の審判の日(生前の行いが裁かれ、運命が決定する日)に由来しているそうだ。


(うーん、私たちの最後の審判の日って訳だ)才華は妙に納得した。


 携帯を機内モードに切り替えると人を観察していた。ニヤニヤしている人、大声で話をする人、うつむきながら下を見ている人など千差万別だった。手鏡を取り出すと薄くメイクを施した。何やら騒がしいと思ったら誰かが喧嘩をしている。


 才華はその様子を眺めていた。二人の男は殴り合っている。痛そうだなと才華は思った。


「はーい、そこまで」


 声を出した男は二人の男を一瞬で倒した。二人とも地面に転がりながら腹の辺りを押さえている。


 男は赤いジャケット、アフロヘア、顔にはピエロのメイクを施している。手には拡声器を持っていた。


「続きは本番でお願いしまーす」拡声器から男の声が響いた。


「皆さん、こんにちは。私は毒島ぶすじまと言いまーす」


「ドゥームズデイの進行実況役を務めていまーす。宜しくお願いしまーす」


 毒島は変な口調だった。


「締め切りの時間が経過したので皆さん、バスに乗って貰いまーす」


「そこから飛行機に乗って会場まで行きまーす」


「それでは移動しまーす、宜しくお願いしまーす」


 熱く塗られたピエロの化粧で毒島の表情が分からないから、才華は気味が悪かった。


 毒島の誘導で大勢の人たちが成田空港内を歩いている。まるでハーメルンの笛吹だ。才華はバスに乗り込むと窓を開けた。何だか息苦しかった。


 バスから飛行機まではそんなに時間が掛からなかった。


 飛行機の搭乗ゲートを歩くと毒島が立って居た。


「こちらの書類にご記入をお願いしまーす」才華は毒島と目が合った。毒島は軽く会釈すると後ろの人に書類を渡した。


 才華は書類を眺めた。中身は契約書だった。才華は余り中身を読まなかった。どうせ死んだら終わりでしょう。ただ、賞金は税金が免除されるという項目だけ読んだ。最後の方にアンケートが書いてあった。


(どうしてお金が欲しいのか?)才華は妹の心臓移植の為と書き込んだ。


 契約書に名前を書くと才華は考えた。本当に後戻りは出来ない。みんなの顔が浮かんだ。両親、夢佳、美和、浩二。まぁ、浩二は要らないか。あいつは腐れ縁って奴だから。


 飛行機の座席シートに座ると隣に女性が座った。二十代くらいのメイクの濃い女性だった。その人は鼻歌を歌っている。聞いた事のあるメロディーだったが何の曲かは分からなかった。


 飛行機が飛び立つと才華は窓から空を眺めていた。実は生まれて初めて飛行機に乗った。雲の上を眺めるのはとても心地が良かった。


 才華は少し眠る事にした。少しでも休憩を取った方が良いと判断したからだ。才華は直ぐに眠った。だが、突然、機内で大きな声が聞こえた。


「皆さーん、書類は書きましたか」毒島がマイクで喋りだした。


「今から書類を受け取りまーす」「では、前の方から」別のスタッフが書類を集めて回った。


「今から大事な話をしまーす」


 毒島はテンションが異常だった。才華は煩いなと思ったし、睡眠の邪魔だった。


「大事な、大事な、ルールを説明しまーす」毒島の目が冷静になった。

>>登場人物

鈴木才華すずきさいか17歳


毒島ぶすじま?歳


>>設定資料

DoomsDayドゥームズデイその①。ドゥームズデイは大規模な賭け事であり、様々な事柄が賭けの対象となる。誰が優勝するのか、誰が最初に死ぬのか、誰が最初に逃げ出すのか、など状況に応じて賭け事が成立する。一日に動くお金は三兆円とも言われる。


DoomsDayドゥームズデイその②。ドゥームズデイの運営は絶大な力を持つ。世界中の権力者、セレブや富豪が後ろ盾になっている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ