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最強VR-fpsゲーマーがメイドカフェから発見されたようですが今のところ無害です!  作者: くるま


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もう、あんたとはやってられんわ  ─異世界 そのろく─

「解決はできるけど、回答は、あくまでこっちの奴らにさせないと…って、それじゃダメかね」


 夢の中、何か怪しいやつと出会って…。

 ちょっと我ながら、イライラしていたのだが。

 不満を、だれも聞いていないから全開に垂れ流してたら、自分から反応があった。

 なんなのそれと言われる方も、多いだろう。

 でも、夢だし…。


 そして、気軽に私は関わらんよと言われてしまったわけですが。

 だめじゃないかもしれないけど、腹が立つんだよね!


「私だってそういう気持ちはちょっとあるけど、いっちゃ悪いけど面白い奴だよ、こいつ」


 …私の考えることはわからん。

 私なのになぁ。


『ここの人たちも、わたくしのことは悪魔と呼びます…しかし、私は願う想いと生きる糧だけを求めています、それだけです』

「それを、振るえる力が大きいものがやればこうなるのだと、教えたいとでもいうのでしょうか?」

「正直、願いを訴えた相手が死んでいるという一点に関しては僕も怪しんでいるというか、不愉快を感じますが」


 エルナだかいうこれ。

 言われるようなことを気にもしないように、上半身を起こして、姫乃さんのほうを見ている。


 いや、その隣にいる子供なのか?

 向いてはいるけど、眼は瞑ったままなので正直わからないな。


「理由と、やりたいことはわかったけどさ、ヒメ、こいつはダメだ」

「ノマルさま、言われていることはわかります」

「だろうよ」

「しかし…アティ=エルナ」

『なんでしょうか』

「あなたは何があっても契約というものを、すべてやりきらないと気が済みませんか?」

『それは間違った表現です、私は契約の範囲でしか動かず、私が生きることを放棄はできないとだけ申しました』

「でしたら…」


 姫乃さんだけが、会話をしようとしている。

 何か別の解決ができると思っている。


「主人の居ないそれを終了して、私と契約をしませんか」

「ヒメ、何言いだしますか!?」

「セカイヲワガテニー!?」

『魅力的なお話です…私は契約者の持つ大切なものを力に変換して受け取らせていただきますが、それでよろしいのなら』


 やっぱ悪魔じゃねえか。


「よろしいですとも」

「やめてくださいませ!」

「本気で何言ってんの!?」


 鳥だけ反応が違うが、ディータもイシカもノマルも反対しかない。

 そりゃそうだ。

 怪しすぎるもの。


「しましょう? その…契約を」

『では、これを手放さぬようお持ちください』


 起き上がったエルナが何かを手渡す。

 ちらりと見えたのは、宝石のようなもの…かもしれない。

 それを手に取る姫乃さんが前かがみになると、そのまますごい速さで、エルナが姫乃さんにキスする。


『よろしいです、契約はなされました…お望みを』

「……なんかされましたけど…まぁ、いいです、私の望みは、あなたに契約の間、寝ていてもらうことです」

『……ずいぶんと、面白みのない願いです…ね』

「あなたの力とやることを、他に広げられることで起こる混乱にこの世界は、きっといつか耐えられなくなるでしょう」

「だからって、何も考えずに率先してやることかな」


 ノマルの言うことに合わせたくはないが、私も何も言わずふっとばせって思うよ。


「だって私、適任でしょう?」

「そんなことがあるはずないでしょう! ヒメ!」

「だって、身の回りの物どころか私まで、うてる様のもので私から奪うべき大切なものってありませんから」

「そんな悪ふざけで通用すると思って言い出したの!?」


 私だって、そりゃ一言いいたくなるよね。


『……なるほど、意識の中にも所有する大切なものという心の位置づけがない人…ですか、裏をかいたということなのですね』

「…屁理屈で終わると思うんだが、なんか効いてるな」


 心を読んで、大切なものをとりあえず奪うことがこいつの目的ってことなのかなぁ。

 どう考えても悪魔、絶対悪魔。


 そこまで読んでいたかどうかは知らないけど、姫乃さんは本当に、所有物や大切に思うものがなかった…と?

 それはそれで寂しいけど。

 所有していないけど大切なものはセーフくらいの、軽くとんちで抜けられる奴だったのかな、これ。


『ただ、どちらとしても望みをかなえるとして、わたくしの生きる力を得られませんので、これを素直に受けることは…』

「私の持っている生命力や魔力であれば、あなたが持っていって構いませんよ?」

「だから大事にしないようにしてほしいんだけど!」

「そういうものが欲しそうにしているの、貴女から漏れている精神の会話の端から漏れているのを最初に感じました」


 そういうことか。

 相手の心も感知で逆に読んでいたっていう、姫乃さんの先手が決まったわけか。


『…あら、想像より、話が早い部類だったということですか』

「あなたが目的地を乗り換えるように、あちこちでこの行為をするのを認めるわけにはいきません、そのうえで、与えるものすべての拒否はせず、一度止まっていただけませんか…」

『わたくしとしては、得られるものが足りないとまでは言いませんねぇ、貴女はとても強力な生命と運命力をお持ちです…が』

「私と常に同調してこの世界を学習するなどの行為をすることも許します、退屈はしないはずです」

『…そう、ですが、少し奇麗になりすぎて、少々不満な感じを受けないことは…』

「へぇ」

「そうなんだ…」


 ノマルと私が、ここで楽しそうに笑う。

 一斉に、にっこりと、並んで。


「ヒメはものすごい平和に、妥協して、得があるように提案していると思うよ?」

「断りたいなら、今度は私たちで契約についてお話しするけど…」


 ああ、悪いこと考えてるぞ、これ。


「世界を飛び越えた事象の地平のさらに向こうで、全身すりつぶしながらな」

「空間のはざまで徹底的な障壁を作って、無限の牢獄のアスレチックしてもらったりもできるけど、楽しくねえ?」

『…なにを…私にそんな態度出来る存在…そんなものがいるとは…』

「ためしてみるかい?」

「悪いけど、こっちは世界1つ相手するよりアンタを困らせられる小手先のいたずらが、ダース単位でそろってるからねぇ…退屈しないからこっちにこいよ悪魔ちゃん」


 相手は思考を読むことも得意というのはわかってる。

 こっちの意図の底の底を、読んでもらおうと誘っているような感じだろう。

 しばらくアティ=エルナの動きは止まり、そして、ゆっくりと…言った。


『よろしいです、ヒメ、貴女の思うとおりに、いたしましょう』


 折れた。

 やれやれ。


 どっちが怖かったのかも聞きたかったが、まぁいいだろう。

 それから…。

 ふてくされるように横になったアティ=エルナと、それを運ぶ担当の一同。

 ノマルはなにやら、紙に一筆したため、それに指輪で印を押して鳥に手渡した。


「リノートの土地を荒らした分は、これである程度納得させられると思うからちゃんと手渡してよ、リノートの兵隊さん」

「マカセラレタナー!」

「この7印を押したことって数回しかないから、そこそこ圧力を感じると思わせられるって信じてるよ、我は」


 権威を振りかざすようなこと言ってる気がする。

 意味はわからないけど。


「それじゃあ、私もそろそろ寝ちゃうけどさぁ」

「ここでですか!?」

「私も今回結構長い事いろいろやったと思うんだよお? これ以上は、まだ足りないから何か貰うついでで行くことになるけど、それでいいのだろうか?」

「…いえ…」


 イシカは顔ですぐわかる。

 それだけはやめてという顔。


「何か追加…ですか」

「ヒメ?」

「それでは、猫と少し仲良くなれる、という御礼はどうでしょう?」

「へぇ、いいねえ」

「では、それで!」


 姫乃さんは笑顔だが、横の2人はちょっと、同時に暗い顔。

 そんな程度でその顔はしなくていいじゃないか。


「んじゃあね、皆の衆~」



──────────────────────────────────



 ぱちり。

 …目が覚める。


 起きたのに、疲れた。


 時計を確認してみて、朝の6時とちょっと。

 長い夢を見た割に、いつもよりちょっと早いなぁ。


 日付がもしかしたら違うのかと思って一応確認したが。

 あの、グランデとゲームで暴れた日の翌日で間違いない。


 一戦終えたお祝いと、已御としくるの泊まる場所を巡って、しばらく言い争いをしていた気がするが…。

 詳しく思い出したくない。



 あとは。


「……変形…する?」


 自分の左手を眺め、馬鹿なことと思いながら構えてみる。

 いやまあ、そうだよ、なるわけないよ。

 そして、いつもの定位置だよと言いたげに横で寝ている姫乃さん。

 狭いから仕方ないんだけど…。


「…いや、やってること変態だが、これ」


 言いながら、どうしても気になって姫乃さんの寝ているとこを少し寝間着をめくり、おなかのあたりを確認。


「ないよね、うん、あるわけがないね」


 万一、あの文字が書いてたら私の信頼度がどうしようもなくなる。

 あそこまで私が破天荒だった時代なんて、思い出を見渡したってないんだから、あったら相当困るのよ。

 羽輝は頭の中でそう言っていた。


 何も変わらない、日本の日常の朝だ。

 外の様子見ながら、歯を磨こう。

 いつものように。

 

 …と。

 店の入り口から出ると、いつものように、猫がいる。


「おはよぉ、みなと入郎…」


 すると、猫が、ふっと近寄り、手を出してきたのが見える。

 初めてだ。

 世のしつけの類と逆に、猫にお手をせがまれているよう。

 そう思ったので…。

 羽輝が指を出すと、触れた。


 はじめて、入り口の猫に触れた日だった。


 …もしかすると、そういえば…。

 もしかのもしか、するならば。


 もしかすると、夢ではなかったのかも、知れない。

2話で異世界終わる予定がずいぶんと。

ちなみに、勢いで取ってつけたものではなく当初から入れる予定ではあったものです、念のため。

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