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最強VR-fpsゲーマーがメイドカフェから発見されたようですが今のところ無害です!  作者: くるま


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アティ=エルナ  ─異世界 そのご─

「じゃ、労働担当は早くしてよね!」


 ノマルの要求により、敵をせん滅する、調査するの途中で出てきた、穴掘り。

 なんでだよ。

 そう思わずにいられないが、埋めた跡のようなものがあると言われるならば、言ったやつは掘ることになるわけで。


「手伝い必要ですかねディータ」

「いえいえ、ヒメの手を借りるほどではないです」

「どうでもいいから早くって言ってんの!」


 どこから湧いて出てくるのか、岩陰だなんだ、小さい化け物が次々出てくる。

 プラズマバレットで吹っ飛ぶ分にはいいけど、うち漏らしたら何があるからわからないうえ全周囲警戒なので神経は使う。

 楽っぽく見えていたからかヒメが向こうに行ってるけど、探知手伝ってくれないかな…。

 途中で入ってなぜかなじみまくりの鳥とヒメが掘りに参加。

 穴の周囲警戒にイシカの配置でかれこれ…10分はやったろうか。


「メタワン…の一部ですかこれ」

「何体分か、けっこう埋めてるね、これが力っていうのの原因かしら」


 おっ。


 前から言ってたメタワンというものがとうとう出てくるのかしら。

 みたいなぁ。

 作業やめてそっち見に行けないのかな…。


「あまり痛んでないものもありますかね」

「…おなかだけなら、少し動くくらいはできるかな?」


 姫乃さんが、掘り出したものを何かいじってると思うんだけど…。

 遠くで、そっちばかり見てられないし、見えない。


「…では、頼んだわねt-gd'2033、うてる様をしっかり守ってね」


 聞こえると同時に、穴から飛び出してきたのが見えたのは。


 犬?


 鎧を着た犬のような、小型の4本足。

 一目散に、怪物どものほうに走って行って、何するかと思えば…。

 うわ、めちゃくちゃ攻撃してるよ。

 強いな、割と爪でしっかり体ひしゃげさせてるよ。

 たまに鳴き声っぽいのも聞こえるけど、サイレンを思い出させるもので、たぶんこれは生き物ではない。

 ロボットっぽいよな…。


 これが、夢の最初のほうで聞いた話によるなら、国境に広く置いてるわけか。

 挑戦的っていうか、なんていうか…だな。

 今だけで言うなら、確かに助かるけどね。


「ヒメ、ありがとね!」

「うてる様のものの自覚がありますからね!」


 穴からちょっとだけ顔を出して姫乃さんが言うのを聞いた。

 そんな深く掘ったの…というのと…。

 やっぱり貼ってたんだ、私、あの「うてるのもの」って紙を。

 楽しそうに言う理由を聞きたくなるわ、全く。


「うてる様、ヒメが言うには、もう2体出せそうですから、こっちに来ていただけますか?」

「ずいぶん生きてるもんだね」

「手足繋ぎ変えたら、そこそこ完成しそうなものがあるそうです」


 本当にロボットみたい。

 イシカがやってるわけではないのだろうし、姫乃さんだからできるのだろうか、これ。


「メタワンもいいけど、急にあいつらの出てくる量、減ってるぞう?」

「…このせいかも、しれません」

「これって何だね、穴の中になんか?」


 見た瞬間、ちょっと固まった。

 ディータがずいぶん懸命に掘っているが、そのせいですでに埋めていたものであろう物は全体掘り起こされている。

 もしかして、手で掘ってますかディータ。

 指大丈夫なの人間の見た目して…。


 あ、いや。

 そっちも気になるけども、埋まっていたものだ。

 これで敵が減った?

 いや、関係あるの?


「…墓?」

「名前の書いた箱をわざわざ埋める必要が、なんなのでしょうね」

「いや、棺桶にしか私は見えないが」

「カンオケ…ですか…?」


 そうか。

 宗教的な概念がないと、そういう固定した儀式はそもそも認識できないのか。

 こいつらの世の中、まとめて土葬か。


「別の世界だと、こうして…なんだろ、固定して埋めるのが動かなくなった人のためになると思ってみんなやってる場所があるとか、そんな奴」

「拷問っぽいですね…」


 姫乃さんに言われてみると、そうなのかなぁ。


「…ま、説明はしたから、穴から出して開けようぜ、これ」

「説明からすると、中に人が入ってるってコトに聞こえますけど、何もされません?」

「だからまぁ、開ける役以外は囲んで武器出しておくのだよイシカ」

「交戦確定の何かが入ってるんですか別の世界!?」


 たまにゾンビくらいはいるかな。

 サメもいるかもしれないな。


 そんな思いも巡らせながら。

 さらに、じゃんけんの概念をしばらく説明することになる。

 もちろん、棺桶を開ける担当を決めるためだ。


「我には無理だろおー!」

「いや、ずらせば開くよたぶん」

「ムセキニンナヤツー」

「…やっぱ鳥にするか、開ける担当」

「ヒドイデスー」


 ひとまずノマルが外れくじ。

 他は、開いたところに何かあれば容赦なく初手でとどめをぶち込めるように待機。


「…じゃあしょうがない、やるよぉー」


 横から両手で押して、ふたをずらそうとする。

 中身が見えそうなところを、みんなで集中して覗こうとしていると…。


 ばんっ!

 フタそのものが飛ぶように跳ね上がって遠くに落ちる。


「ちがうちがう! 我じゃない!」

「わかってるけど…こいつは…」


 他は、もう絶句である。

 見慣れていないなら、そういうものか。

 いわゆる西洋にあるような、花で敷き詰めた中で横たわる遺体。

 だが、どう考えても死んではいないだろう。

 正直、どちらでもいいから終わらせるつもりで銃を構えるのが伝わった。


 しかし。


『アティ=エルナ』

「なんか、なんか言った!?」

「こいつが精神で会話してきてる! 思考の共有しようとしてるぞ!?」

「ならやること決まって…」

『アティ=エルナと申します、名前も書いてあったはずです』

「この方、何も縛られているわけでなくそのまま生きて…?」


 姫乃さんおよび、ここの夢の住人からしてみれば、何から何まで意味不明か理解できない判定なのは、それでむしろいい。

 こいつはじゃあなんだ。


『あなたたちが戦ったものは、私が出現させたものです』

「敵ってことよね」

「ちょっと待ってください!」


 姫乃さんがなぜか、レールガンにノーを出した。


「理由があるなら、そして、止まる可能性があるなら、その話を聞きたいと思うのです」

「甘いよなぁ、ヒメ」

『わたくし、アティ=エルナは、望みをかなえました…豊かに生きるわが苦しみを知らぬもの、それを憎む心を解決したいと』

「…言うことは、普通にお悩みですね」


 ディータが納得している。

 私には、今までのすべての話と接点を感じないんだが。


『わたくしは解決を試みました、契約者が育ち、生きる苦しみを知らぬもの、それらをすべてが消えることになれば、苦しみを知らぬものがいるという苦しみは昇華されるものであると』

「おいおい、待て待て待て!」

『まずは苦しみの元であろう、面識のある関わる者たちを、苦しさを味合わせて苦しみを知る者にすべて変えるのが解決であると判断しましたが、正しく機能はしませんでした』

「こいっつ…!」


 ノマルも飲み込んだらしい。

 悪魔だろ、これ。

 望んだもの、出来事、悩みを極大に曲解して受け止め、最低の手段で解決する悪魔。

 いるいる、映画でいたわ、こういうの。


『契約者はそれでは飽き足りず、悩みをさらに持ちましたので、それをさらに広げ、必要な限り広く苦しみを…』

「もういい!」


 姫乃さんもこれには限界だ。

 初めて、こんな叫び声を聞いた。


「もうやめてください…そのひと、そんなに苦しんで、壊そうとして、今なぜ…それに満足できないのですか…もうやめて…」

『契約者は、もういないのです』

「はぁ!?」

『苦しみだけがいくつもいくつも増大し、契約者が失われて苦しみだけが残りました、わたくしも生きるために得るものを他から摂取しなくてはなりませんので、契約の範囲内でそれを得、契約は行います』


 …殺せ。

 絶対こいつは殺せ。

 契約にかこつけて食欲か何かを満たして、契約の悩みは曲解して契約者を苦悩させ続けて殺してるだろうこれは!

 悪意しかねえよ!

 なんで私は撃たないんだよこれ!?


「まぁまぁ、そう大声出さないでよ、私さ」


 …んぅぇ?

 夢の私が、私に答えた?

今日、もう一度投稿予定です

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