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最強VR-fpsゲーマーがメイドカフェから発見されたようですが今のところ無害です!  作者: くるま


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左手にレールガン  ─異世界 そのよん─

 どうやって付いてきたんだろうか、この子。

 突き詰めて考えても仕方ないんだけどさ。


「後ろからちょこちょこついてきたまま、ワープの範囲に紛れたんですかねえ」

「…おめーにわからないの、なんでわかるんだよ、こっちが」


 まったくだ。


「それは後でいいじゃないですか、まずはどう、この子を守ってあれを倒すかです」

「「それは別に難しいわけじゃあ…」」


 声が見事に重なる、私とノマル。

 ばつが悪そうに、両方がお互いの顔をにらむ。


 あまりに同じことを考えすぎなのは、わかる。

 周り丸ごと、それこそ見える範囲をクレーターにしてしまっていいなら、別にやるぞと。


 だが、この子を中心部に置きながらそれは、きっと許可も出ないだろう。

 それとは別に、広範囲にあの程度の量の怪物が村や集落を破壊する理由もまだわかっていないから、許可はそもそも出にくいはずだけど。

 見ていない本隊が別にいてもおかしくないからね。


「はぁ、これ、それで、どーするんですかー?」


 鳥だ。

 そういや、頼んでいたことがあったな。


「おう、あんがと」


 中性子線が効いてもいないというのは、魔法の類に護られている可能性を見ていた。


「ディータぁ、これ見て敵の弱点とか、生態とか、もうちょっとわかんないかね」

「体の一部ですか…」


 イシカと姫乃さんも、ついでで寄っていって眺めだす。


「オテガラデショー!」


 さっきまで何か役に立つのって顔してたろおまえ。


「大きさ以外は…オーガですよね」

「…でも、取り巻きにいたあれ、あんなの普通にまとめる性質でしたっけ」

「そもそも、鎧を着る文化なんてないのが、最初に探ろうと思った理由じゃないですか…何か裏にいるのなら、先兵ですよねあれも」

「全容がわからないと、長引きそうということですね」

「確認はした、ってことで一度完全に戻るのもありなのよねぇ」


 それもいい気がする。

 夢と現実の時間経過の差は関係ないとはいえ、半日くらい旅と戦闘している感覚と、それをくまなく見ている感覚はさすがに疲れるぞ。


 寝てるのに。

 

「…でも、おかげでなかなか興味は出てきたよ、この爪」

「ノマル様は、これで何か弱点の心当たりが?」

「いや違うんだけどね、ヒメはこれの生命力みたいのが希薄すぎるのは感じないかね」


 軽く爪をつつきながらノマルが言うと、姫乃さんがぴたりと止まる。


「…いえ、それよりも、あのオーガが出て…見えるまでに全く寄ってくる気配を感じなかったのは、不思議だと…」

「そこも含めて、やつら、何かおかしいんだよね、うてるも少し感じてた気配があるけど」

「肉体があるやつが私の攻撃、あんだけ受けられるとは思わないよね、そりゃもう」


 私も、それなりに不満があるらしい。


「あと、出てきた場所に関して人里らしいところではなかったのも、引っ掛かります」

「なるほどなるほど」

「生態から、何から何まで…意味不明、なんだよね、つまりさ」

「何が結論か、早くしろノマル」

「一つ思い当たりはあるんで、私のことをちょっとの間、護ってほしいわけですが、どう?」

「…またあの目を瞑って歩くような状態でさまよう気か」

「ワープでずっと使って近寄ってたんだけど、どうも後一手、上手くいかないのとあの化け物と…違うんだよ位置がねぇ」

「この子たちが、ワープに余分に乗ってしまったからでしょうか」

「それは関係ないかな」


 そういえばいたな、子供。

 一人の子を背負って、ずっと喋っていないのがトラウマのせいか、おびえているのか、寡黙なだけなのかはまだ判明していない。

 ま、みんなで一致しているのは、余計に情報を引き出したり怪しんだりしないよう心掛けてるということだけ。

 ともかく、納得した結論が出るまで私はイシカに無理に仕事を押し付ける。

 爪を切り分けてとがらせる作業だ。


「なんでこんなことを?」

「あいつの対策になるかもしれないから、まぁ急いでがんばれ」


 さて、ほどなくノマル案が決定に至ったわけであるが、どうやらさっきの子供が、メガネメガネ…してる間のノマルの足元の障害物除け担当をしてくれる役割になるようだ。

 みんなそれぞれ、結構ちゃんと仕事があるな、この集まり。



 そして、なるはやのペースで急いで突撃。


 途中まで、しっかり感知できるとノマルが言うまではリトとディータが担いで運ぶ。

 私は何をするか…というと。

 もちろん、まるごとぶちころがす。

 

「このへん!この辺に一度置いて!」


 ノマルの合図で作戦スタート。


「…やっぱり、隠れているというよりも、飛び出してくるって感じしますよぉ、これ」

「どっちでもいい! ヒメは数と位置の把握メインにしといて!」

「りょっかい!」


 もう、お見合いも空気読みも必要ないなら、見えるものを吹っ飛ばすだけだ。

 片手レールガン、片手荷電粒子速射ライフルで迷いもなく打ちまくる。


「リト! 空にいると当てちゃうから子供のそばに居なよ!」

「アンマリデスー」


 全周囲、見えたものはすべてその瞬間吹っ飛ばす。

 ふらふらしてるノマルを何度か打ち抜きそうになるが、まぁ大丈夫だった。


「…で、あいつはっと」


 さっきの鎧を着たオーガ、だが。

 即座に銃を交換、実弾式にする。


「お前に合わせてやったんだから、きっちり倒れとけよ!」


 眉間を打ち抜く。


「…かなり痛がってますよ、うてる様!」


 最低でも、そうでなくては困る。

 さっきイシカに作ってもらった切れ端を弾丸の芯にして返してやっているのだから。

 見たところ5つしか作れてしなかったので、ひるませるだけでとどめは別なのだろう。


「止まってくれるなら、上出来!」


 そのまま、自分の左手そのものが肘から先、変形するように銃になる。


 …待て待て、待ってくれ、夢!

 私にそんなのにあこがれてたかね!?


「ありがとうねぇイシカ、この距離なら時限蒸発事象地平マーカーだって撃てるわ!」

「だからあんたはいつも物騒なんだって!」

「やかましいからずっと探してろノマル!」


 私も、本当にたいがいだな。

 敵はしっかり吹き飛んだが、案の定、周辺にあっただろう奇麗な林も、もろとも消え失せた。

 それでも、いくつかまだ湧いてくる怪物がいるので戦闘は続く。

 どういうことか。


「周囲ほぼ根こそぎ消し飛ばしたんだが…?」

「もう意味がわからないです…」

「ユメデモミテンノカー」


 見てるが。

 と、そこで。


「ここだ! たぶん中心!」


 ノマルが木に抱き着きながら言うのが見えた。


「何か掘った跡が…」


 ディータが、そこにすぐさま寄っていく。

 ノマルをすべて信じるなら…。

 掘るのか、そこを。

 何か、敵と関係あるかはわからないけど。

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