第2部 マッカーサー・キャンペーン 第6章 SIGABA緊急電
1943年 11月6日 10:00
艦隊分遣要請電文(極秘)
送信先: 合同参謀本部(マーシャル大将)
参照: ホワイトハウス(ルーズベルト大統領)
発信者: 南西太平洋方面軍最高司令官 ダグラス・マッカーサー
【件名:南太平洋における戦局転換および戦略的打撃作戦の断行について】
1.現在、我が軍の果敢なる攻撃にも拘わらず、敵日本軍は新型戦闘機および
巧みな電波探知技術連携を背景に、ラバウル・ニューギニア間に鉄壁の防空網を
構築しつつある。このまま従来の消耗戦を継続することは、合衆国の尊い青年の
血を無為に流すだけでなく、フィリピン解放、ひいては対日勝利の時計を数年
単位で逆行させる亡国の選択である。
2.私はここに、敵の虚を突き、早期警戒網の急所であるソロモン諸島のブーゲ
ンビルを根こそぎ奪取する電撃的攻勢を提唱する。過去、2度の同地での苦戦は、
陸海軍の不徹底な連携に起因していた。今こそ、一元的指揮下における圧倒的
暴力によって、敵将の傲慢を粉砕せねばならない。
3.本計画の完遂には、最新鋭エセックス級空母2隻、および随伴する高速戦艦
部隊の『南西太平洋方面軍への一時的編入』が不可欠である。これは海軍の権益を
侵すものではなく、むしろ海軍主力をマダン沖の陽動行動において、敵正規空母
8隻を誘い出し、彼らに名誉ある決戦の場を与えるための戦略的配慮である。
4.ブーゲンビルの陥落は、敵の早期警戒網を寸断し、ニューブリテン島を巨大な
墓場へと変える。私は確信している。歴史は、この機を逃した者を許さないであろう。
大統領閣下。私に剣を与えよ。さすれば、私は勝利とフィリピンの土
を、速やかに国民の元へ届けることを約束する。
神よ、合衆国を守り給え。
ダグラス・マッカーサー




