表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
11/36

第11話 止まれない村

砂塵を越え、

ノアはまた歩いていた。


見渡す限り、

誰も休むことを許されない村。


朝も夜もない。

光も影も、絶えず流れていく。


小さな手が麦を刈り、

大きな背が土を運び、

痩せた指が織り機を叩く。


止まった者は、

そこにいなかった。


何もない空間だけが、ぽっかりと開いていた。


ノアは、

黙って歩いた。


砂に埋もれかけた風車の羽根を、

そっと直す。


一瞬、

どこかで、小さな音が止まった。


ひとりの子どもが、

ふと、手を止めた。


誰も気づかない。


空気が、

ほんのわずかだけ緩んだ。


ノアは振り返らず、

村を後にした。


ただ、

かすかに、風の音だけが、変わっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ