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A Mothers lullaby  作者: D.E
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2/6

母の子守唄

点線を境に場面がかわります。

広島市につづく一本の道。わきに古い大きな木がある


その木は、何十年もの間、いろんなものを見てきた。



子供が側で遊ぶなんて

もう何百回と見てきたし、今でも野球や虫とりをする子供達を見る。


その度に、

木はあのことを思い出す…



最近では夜になっても

木の側の道を通る人が見えるようになった。


とは言っても、

そのほとんどは車だ。



広島の街も、

すっかり都会になってしまい、

木の葉に街の光が反射する。



まぶしいが

あのとき広島を染めていた

赤くおそろしい光よりは、

マシではあったが。




ある夏の夜。

木は子守唄を聞いた。

美しく、優しい歌声だった。

母親が幼い娘に歌っているようだ。

二人は幸せそうだった。




しかし木は、

それをみて悲しくなる。



あのことを思い出したのだ。




辛く、悲しい

ヒロシマの悲劇を。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その日の朝。

広島は快晴だった。

B−29(アメリカの大型爆撃機)は作戦開始の合図を受けると、

3メートルにおよぶ爆弾を、

広島の街におとす。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「あさひ!」



母親の声が外から聞こえた。

あさひは家から裸足のまま外に出ると、

母親の指差す空を見た。黒く、大きな鳥のようなものが飛んでいた。




「ひこうき!」



あさひはワクワクした



そんなあさひに母親は

静かに言う。




「お父ちゃん、あれをやっつけているのよ」



「どうして?」




あさひにはわからなかった。



「あの飛行機はね、お母ちゃんやあさひをコロしてしまうの。」




「あさひを?」




「そう。だからお父ちゃんがそうさせないようにやっつけるの。」




「ふ〜ん」




「あさひ、家を燃やされちゃったわよね?あれもあの飛行機の仕業なのよ」




「おうち………」



あさひは、はっと何かを思い出すと、叫んだ。




「かくれなきゃ!」




「大丈夫よ。警報もならないし、またいつもの偵察飛行でしょ。」




あさひには、

警報も、偵察飛行もなんのことかわからなかったが、

大丈夫だと聞かされると、

家にもどり、

支度をして学校に向かった。

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