悲しくて優しい始まり
超能力"ギフト"が全世界に広まった近未来の世界で有り余る力で暴走している人たちを特務機関の仲間たちで全世界を救いに行く
登場人物
識名理岳
紫翠誠
紫翠了
神宮皇
紫翠淏葉
那由多優
識名智岳
頭が真っ白になったまま校舎を出る。下を向いたまま頭がぐらぐらと回って重い。こんな気分になったのはこの学校に入った時以来だ。自分の居場所が無くなっていた。どんなことでも頑張ってこれたのに。こんなところにいなくても兄のそばにいればよかったのに。何でまたこんな事をいう人が近づいてきたんだ。もうこんなこと起こらないようにしないと。早く話を終わらせよう。もうたくさんだ。
学校に止められているバスに乗らずにそのまま歩いて青年のいる居場所を記した道筋を目指す。オレンジの光が右目に映し出されてその道の先にあの3人のいる大きなビルを目指しているのが分かる
なにも準備はしていない。どうなるのかがもうすでにわかっている。どうなっていくのかがもうわかっている。なるべく刺激しないように話を終わらせよう、そのほうがいい
この都市には4つのエリアに分かれている居住区、商業区、学業産業区、政学区に分かれており自分の住んでいる居住区とは正反対の政学区に向かっている
この政学区はこの都市の決定事項を国民の声を100%拾って得た知識を総括して動く区であり、多数の意見を無意識に拾い集めるための機器が両耳に取り付けられている。色んな疑問や難解な学問も自分の意識下の中で答えが探り出されるように設計されており資産や所属しているところのデータも右目に写し出されることで感覚的に分かるようになっている。課題も人生で覚えている原理、原則を覚えているならば答えが導き出されるようになる。
必要なのは導き出す過程が重要視される。
この政学区にビルがあるということは信用できるのだろうか。足取りは重いまま政学区の隅にある大きなビルに辿り着いた。
「うっそ、本当にここにあるのか」
本当にここにあの人達がいるのか?本当に自分にできることがあるのか?信用されるのか?あの事件のことを掘り起こされればどうなるかわからない
身なりに気をつけながらビルの入り口に足を向けた
「本当に来ると思う?あの子簡単な学校でのんびりしてたよ?あそこの教師たちはなにを考えているのかな」
顔立ちの整った青年はため息を吐きながら退屈そうに書類をみる
“識名理岳“15歳、4月18日 職業不詳
紙の資料を見ながらため息をつく。これに何の意味があるのか
「僕の発言がダメだったかな〜?僕こんな人達をまとめあげる仕事なんてやったことないけどできる〜?」
「今来てるのでお静かに願います」
側を離れず凛と立っている女性、紫翠了は静かに言葉を続ける
「誠さんはあの子のことはどう見えますか?なにも考えないように過ごしているように見えます」
紫翠誠は自信のなさげな顔で答える
「うん、あの子は失敗する事をたくさんしないといけないのにね。正解をすぐに出して、その場から居なくなろうと必死で答えてたよ。あの人の弟、だいぶ苦しかったんだろうね。僕も似たようなものだけどね。頑張って迎入れないとね」
あの子が来た。うん、間違いない。この子が“あの子“を救ってくれるんだよね。頑張ってくれよ。“夢で話してるんだろう?“頼むよ〜?
「私はあの子信用できませんよ。何で喧嘩腰になり始めたんです?ずっと黙って聞いてるあなたはらしくと思いますが」
了は黙って聞いていた。最初は俯いたまま話を聞かない理岳を諦めかけていた。
すぐに顔を上げたのには驚いた。
“あの子“の話になった途端に真剣に聞き始めたからだ。救ってくれるんだろうか?
期待を持って誠が話し始めようとした瞬間に怒り始めた
『なぁ!なぁっ!俺な!そういう感情で話して解決しようとする人間嫌いなんだよ。俺になんで頼ろうとするんだ!俺な!俺な!ずっと頑張ってきたんだよ!頑張ってこれたんだよ!
ちょっと休んで何悪いんだよ!辛い気持ち、あんたわかるだろ! みんないなくなった! あんたにこの気持ち分かるか!なぁ!わかってくれよ!』
私は信用できない。こんな子供の考えで誠さんは何を考えてる
紫翠誠を見るととても驚いた、泣いているところを見たことがない、何が見えているんだろうか?私は間違ってるのか
『ねぇ、ねぇ。君にお願いしたいことがあるんだ。いい?いい?あの一緒にいた女の子の話し相手をしてほしいんだ。いい?お願いできないかな?君はずっと黙ってていいから。そばにいて。仕事をしているね。僕が話をつける。あの子のそばにいて欲しいんだ。いい?お願いできる?』
そう、この子気づいてないのかな?あなた迷彩機能で何も見えない聞こえないところにあの子が立っていた。入ってくる時にじっとあの子を見ていた。頑張って我慢して救ってくれるお兄さんのはずだからね。我慢するの。我慢して。
『俺な!静かに過ごしたいんだ!なんでそんなことしないといけないんだ!なぁ!もういいか!?帰っていいか!?もういいか!帰るぞ!』
『うん、ごめんね。悪かった。僕も無理やりやらせるわけにはいかないからごめんね。学校には誰もいなかったってことになってるからね。私たちはいなかったんだ。気をつけて帰ってね』
「誠さん、大丈夫なの?みんな救うんだったら最初ってあの子なんでしょ?あの子のお兄さんに言われたんだったらもうちょっと真実話したら?あなたらしくないとおもうけど?」
「うん、大丈夫。仕方ないよ。あの子に全部言ってもいいけど時間をかけていけ……ん?なに?何かあったの?うれしそうだけど?」「いいえ…優しい子だったみたいです。とても優しい子。よかった。救えますね。あの子、神宮皇ちゃん、良かった…良かった」
この話はとても重要になります。お姉さんの気持ちは後になってわかりますが、悲しい思いしてきた人たちはいっぱい出てきます。でもこの物語、辛い人生送ってきた人たちでも絶対に幸せになっていくシリアス強強の感じなので読み進める時はその感情は何なのかをよく考えながら見てください
筆者はそれを強く望みます




