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資料など見ていて「なんじゃ、それは?」と思ったこと、みっつ

 こんにちは、狸です。

 月の裏でしか見たことのないランクイン通知を表でも見ることができました。

 高評価をありがとうございます。


 というわけで、久しぶりに表に投稿。

 ネタ探し用の文献をみていて「なんじゃ、そら」と思ったこと、三選でございます。

その1:屋根のうえで絡み合うふたり(「東都歳時記」より)(BL注意!)


「東都歳時記」という本が角川ソフィア文庫さまから出ておりまして。お江戸の行事を挿絵付きでこれでもかと紹介しているんですね。モトの本の刊行は天保年間。狸の陰間のお話は文政六年、異国船打払令が出た年くらいの時期をイメージしておりますので、それよりほんの少し後の時代のお江戸を描いたものになります。


 で。その本の挿絵の中で、前髪の少年と野郎頭のおっさんがハダカになって納涼屋形船の屋根の上で仲良くしているんですが……これは暑いから服を脱いだと解釈すべきなのか、素直に全力で邪推していいのか、どっちなんだ! そもそも君たち、船の中のひとから見えないだけで、両国の花火見物に来てる人々からは丸見えだ!




その2:なあ、それホンマにカッコいいか?(「唐詩選」より)


 拙作に、科挙に二回落っこちたからと親に自宮させられた男が大活躍するお話がございましてね。そのなんちゃって唐風泥沼恋愛譚に門下侍中もんかじちゅうが出てきます。


 門下侍中とは、門下省もんかしょうトップ詔勅しょうちょくといいまして、まあ、平たく言えば皇帝陛下がお出しになる命令書ですね、それを封駁ほうばくする権限を持つ省庁の一番エライひと。封駁ほうばくというのは、皇帝陛下のサインが入ったご命令書に対して異議を申し立てて差し戻すことです。皇帝の専制を未然に防ぐための制度ですね。唐代は貴族の力も強いので、このような機関がございました。


 で! 

 唐詩選に載っていた宋之問というひとの詩によると! 


 門下侍中のかぶる帽子にはテンの尻尾がぶらさがっていたらしい。さらに調べると黄金のセミの飾りまで!


 なあ、脂ぎったオッサンの帽子にテンの尻尾と金のセミ生えてんの? それ、ホンマにカッコいいか?


 息も絶え絶えに笑い転げた狸ですが、いろいろと調べたところによると、当時、テンの毛皮は超高級品。セミは役人の高潔さの象徴なんだそうで……。「貂蝉冠」とは宮廷の重鎮にしか許されない冠。三国志演義で董卓と呂布を誘惑する美女の名も由来はここからなんだそうです。


 そんなわけで、検索して実物の写真を見てみたのですが……うーん、思ってたよりはカッコ悪くないけど、そんなイイかなぁ?




その3:動物の名前の漢字が中国と日本で異なる件について(「漢詩創作のための詩語集」より)


 動物の名前の漢字が中国と日本で異なる件。コレ、なにげに作中に漢詩なんかぶっこもうとすると大問題でございまして。


 私、作中の漢詩に「鰹」を出そうとしたんですがね。中国では「鰹」という字は別の淡水魚を指す文字らしい。調べてみると、狸の知ってる魚の漢字、軒並みその調子。なので、特定の魚種名を出すのは断念いたしました。


 まあね、中原から海は遥か天涯。海水魚なんて生涯ほぼ見ることのなかった人々が作った文字を海洋民族が教わってきて、既存の文字を身近な魚に当てはめたり、自分たちで新しい文字を考え出したりした結果がコレなんでしょう。知らんけど。


 で、ここからも大問題です。古代中国と日本で漢字の意味が異なる哺乳類。それが「狸」。


 石川忠久様監修「漢詩創作のための詩語集」の「猫」の項を見て、「!」となってイロイロと調べたところ。古代中国では「狸」という文字は「ヤマネコ」などを指したらしい。


 と、いうことは「你是家狸吗ニーシーヂャリーマ?」って某猫型ロボットに尋ねたら「うんっ!」ってニコニコで返事してくれるの? ついでに私のペンネームは「シロネコ」なの?


 いえいえ、私はタヌキですからね。「リー」がネコなら「マオ」という漢字の立ち位置はどこやねん。そもそも中国にもタヌキおるやろ、そいつを表す漢字はなんですのん?


 こうして、調べ物地獄が始まります。ちなみに中国でタヌキを表す漢字は「むじな」らしいですがね。そもそもムジナって何の生き物なん? 見たことないぞ!


 このうえ、カツオやマグロが中国語でなんというか調べはじめたら、もうキリがありませんので……ほどほどにしておきます。

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