平安モノの宮廷小説を書こうとしてたら自キャラ(科挙二回落ちて宦官になった彼)から激詰めされた件
こんにちは。狸です。
月の裏ことムーンライトノベルズ(BL)で「科挙二回落ちて宦官になったヤツ」こと玄迅のお話を半年ほど前まで連載していたヤツです。
現在はですね、「小説家になろう」さま本体で全年齢向けの平安ほのぼの宮廷小説(泥沼NLもあるよ!)を連載しようと思い立ち、資料を見たり下書きを始めたりしているところなのですが。狸の脳内に今でも棲んでいる周玄迅とかいう男がうるさいのなんのって……。
玄「平安朝!? 日本の後宮ですね?」
狸「うん、そうね。日本の場合はあんまり『後宮』とは言わない気がするけど。帝がいて、中宮とか女御とか更衣とか……様々な身分の妃がたくさんいるのは玄迅の国と同じだね」
玄「古来、あなたの国は我々から文字や制度を学んできましたからね! 俺は志遠さまの後宮で四品の内侍まで登りつめた上級宦官ですから。お役に立てますよ!」(金帯にぶら下げた瑠璃と翡翠の佩玉をギャリンと鳴らしながら)
狸(こいつ……また権力を誇示してやがる)「ありがとう。だけど、日本の宮廷には宦官いないから。またいろいろと事情が違って……」
玄「はあっ!? 宦官いないのかよっ」
狸「いないよ?」
玄「じゃあ、後宮の庭仕事とか力仕事とか警備とかっ。妃の入浴のお世話とかっ。誰がすんの? あと、妃を誰が皇帝の寝所まで背負っていくんだよ。女がおんぶすんの?」
狸「声でかいな……。日本の妃の住まいはそっちと違って厳重に隔離されているわけじゃないから、警備とかは宦官じゃない男性が担当してるよ。あと、あなたの後宮と違って、妃をマッパにして髪飾りもぜんぶ取っ払ったのち絹布でぐるぐる巻きにしたのを、宦官が背負って皇帝の寝所まで運んでいったりとかしません。当時の日本は通い婚ですからね。帝の方が妃の居住スペースに行くの! どっちも着物着てるの!」
玄「はあ? 妃に服なんぞ着せて。暗器を隠し持っていたらどうすんだよっ」
狸「確かにその危険はあるけど。そのテの暗殺事件、本邦ではあまり例が無いから(たぶん。知らんけど)心配すんなっ。だいたいさあ、いくら宦官とはいえ男性が妃のことを裸に剥いて、おんぶして皇帝の寝所まで運んでいくとかさぁ、人権侵害もいいところだよ。中宮や女御の親は有力者なんだから。娘がそんなことされたら黙っちゃいない……」
玄「そうだ! あんたの新しい小説の下書き描写! 中宮の親父と弟がフツーに弘徽殿に娘を訪ねてきてるんだけど。なんで男、しかも外戚が後宮に入り込んでんの!?」
狸「あなたの感覚では不思議だろうけど、日本はこうなんだよ」
玄「外戚の患を自ら呼び込んでいるようなものだろっ」
狸「うるさいな。だったら宦官の患はいいのかよ。だいたい外戚の患も何も、この時代の日本は摂関政治。まず、娘を入内させて男子を産ませ、その男子を帝位につけることによって、帝の母方の祖父やおじが政治の実権を握るというシステムなのっ」
(とはいえ、外戚が権力を握ることを悪とするならば、玄迅が言う通りだな。「これでいいのか、摂関政治?」だんだん疑問になってきたぞ。中華で行くと後漢の何進とかさぁ。悪役がやることじゃんね?)
玄「そもそも! なんで男が平然と妃の住みかに入り込めるんだよ? 間違いが起きたらどうすんだ?」
狸「うーむ。確かに本邦では女房と公達の宮廷恋愛は風雅なものとされてきたけれど。これって、妃の住まいで住み込みで働く女性のところに男性が通い婚してるって構図だよねえ。今まで当たり前みたいに思ってたけど……よくよく考えたらヤバいかも……」
(い、いかん。自キャラに論破されつつあるぞ?)
狸「ま、まあ、だけど。女房たちのところに公達が夜歩きしていたから国風文化が栄えたって側面もあるし。それに、妃は御簾の奥におわしたから……」
玄「御簾? 御簾なんぞ、めくれば終わりじゃねえか。妃のところに男が入りこまねえって保証がどこにあるんだよ?」
狸(う……否定できない)「ま、まあね? 源氏物語にも、まさにそんな話もあったけれど。文化の違いということで、ひとつ納得しておくれよ、玄迅」
玄「遣唐使从我们这里学到了什么!?」
(訳:遣唐使は我々から何を学んだんだ!?)
「学到了什么?」と言われましてもねえ……。
文明の進んだお隣の国の文字とシステムを頑張って学び、自国に合う形へと魔改造した結果がこれだ!
ひらがな、便利だよ。玄迅♪




