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第32話 交渉と取引

 花火の音は止み、そこには人のざわめきの音だけがあった、静寂だが雑音の鳴り響くその中心にリドルはいた。

 周りの軍兵が銃を下ろすと共に人ごみの中からアルドが現れる。


 左胸にあるたくさんの略綬とその歩き方、その素振り、全てにおいて高潔なその姿を目にする。アルドはリドルの目の前まで近づくとアルドは口を開く。

 「交渉は決裂したはずです、降伏する気になった、とはとても思えません、何の用でしょうか?」

 アルドは不敵に笑うがリドルは緊張しながら答える。

 「あの怪物です、あの正体を、俺は知っています」

 リドルの言葉にアルドは笑う。

 「あなたが奴らを連れてきたのでしょう?」

 「.....あの怪物は....俺の情報は王派閥を破滅させるほどの情報です、取引です、その情報を与える代わりに、軍派閥が勝利したその時、亜人の解放を求めます」



 アルドはしばらく長考するとニヤリと笑う。

 「あれは魔法生物の類いでしょうか? あなたに触れた瞬間に怪物達は溶けていく、あんな怪物は自然発生などしない、そしてあのような生物を作れるほどの組織があるとすれば...確かに筋は通っています、いいでしょう、その取引を受けましょう」


 アルドのその言葉にリドルがホッとしたその時、アルドはリドルの額に拳銃を当てる。

 「ファイア」

 「.....ッ!?」



 










 リドルは思わず目を閉じた、しかし何も起きない、匂いも感覚も、体温も、何一つ変わらない、リドルはゆっくりと目を開ける。

 「冗談ですよ」

 「な.....」

 アルドは銃を懐にしまう。

 「いついかなる時も油断してはならないとはよく言ったものです、あの怪物もです、慢心しては足元を掬われますよ」

 アルドはそう言ったその時、リドルの額を銃弾が掠る

 「痛っ....!」

 銃声はない、額から垂れる血液、それを見たアルドはすぐさま手をパンと叩くと突如として霧が辺りを覆う。

 「王派閥の攻撃ですね、今はあなたの死体を周りには見せています、ですが油断はできません、このままいきましょう」


 アルドの言われるがままにリドルはアルドに引かれ、軍兵の中へと入っていく。

 「それでは教えてもらいましょうか、あの怪物の正体を」

 「わかりました、あれは——」

 リドルは王城で起きたことを走りながら話すとアルドは納得した表情でリドルの手を掴むと走り出す。

 「では部下に行かせましょう、ここからは捕まらないように動きますよ」

 二人は路地へと向かうがその瞬間に銃弾の嵐が空から舞い降りる。

 「まずい....」

 リドルは頭を守ろうと手で覆い、銃声が止み、上を見ると防弾盾を上に構えた2人、そして右手を上へ掲げ、空間を歪ませている人間がいた。防弾チョッキに顔全体を覆うヘルメット、今までの軍兵とは雰囲気の違う人間であった。

 「行きますよ」

 全員が走り出し、上から機関銃で狙う兵士を横目にリドルは走る。


 「彼らは?」

 「特殊部隊ライト、エリート中のエリートといえばわかりやすいでしょう」

 リドル達は走り続け、進み続けていると突然、床が崩壊し、穴が開き、そこからジェル状の巨大な何かが現れる。

 「怪物....!」

 リドルは前へと出るとジェル状の怪物に触れたその瞬間、腕はスライムの中に入る。

 「消えない....!?」

 リドルが腕を抜こうとするが段々と吸い込まれ始める、肘まで吸い込まれそうになったその時、特殊部隊の一人がリドルの腕を掴むとスライムがその腕を避けるように避け、その瞬間にリドルの腕を引き抜くとその瞬間にもう一人が長銃を構えるとカプセル状の銃弾を打ち出し、体内に入ったその瞬間にカプセルが溶け、燃え上がる。

 「彼らに任せてここは行きましょう」

 アルドとリドルは怪物の横をすり抜けると走り出す、そうして街へと二人は出るのであった。

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