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第31話 群衆という名の抑止力

 〜深夜〜

 「逃げろ! モンスターだ!!」

 教会前を陣取る軍兵達が次々と襲われる、統率を失い陣形は崩壊し、それでも機関銃で対抗する軍兵が放つ銃弾はまるで吸収されるように肉の塊の中へ埋め込まれ、まるでものともしない怪物に軍は押されつつあった。

 

 「リドル...ここからどうするんだ?」

 男がリドルに聞くとリドルは教会へと走りながら答える。

 「このまま教会に向かう、俺は怪物(仲間)を無力化できる、だからこっちの被害を最小限にかつ、相手の数を減らしてもらうんだ」

 リドルの言葉に男は答える。

 「お前はどうするんだ? 今までは相手の被害を最小限にしてことを荒立てないようにしていた...なのにどういう心境の変化なんだよ」

 「俺は元から相手のことなんか考えちゃいないよ、こっちが正当化しやすいように動いてただけ、怪物(仲間)を俺たちには生み出す手段がない、だからこそこれを怪物として扱うにしても俺たちは関係ない、そしてこれらを連れてきたのが俺たちだとバレたとして、これらはどこから来たって話になる、そうすれば王の方が危ないんだよ」


 男はしばらく黙ると立ち止まり、リドルを止める。

 「俺たちと王、どっちに信憑性があるかって話だ、俺らの話を聞いてくれる人なんて...」

 「そこは積み重ねってのもあるよ、だけど今回は大丈夫だよ、襲われているのは一般の人間じゃない、軍人ってことだよ」

 男は首を傾げるとリドルは続けて話す。

 「王派閥と軍派閥の二つで分かれてる以上は相手の弱みを見つければ確実に潰しにくる、ここは軍が優秀であることを祈るしかないけど...もし上手くいけば軍派閥に取り入ることができるんだよ」

 男はしばらく長考すると答える。

 「つまり、この怪物達の正体を軍部にどうにか教えることで王派閥を潰すことを条件にこの戦争を終わらせるつもりか?」

 リドルはコクリと頷くとアルド少佐を指差す。

 「あいつだよ、今、ここを仕切っている、あいつとどうにか交渉ができれば...勝つ手段はある」


 「できるのか?」

 「.....ミスったら絶対死ぬ、俺が行くのが手っ取り早いかもしれないけど...死んだらみんなは怪物(仲間)に殺されて終わるんだ」


 「だったら俺が....!」

 「いや、それだと怪物(仲間)に殺される可能性がとても高いんだ、だからこそ今までの積み重ねを今、使うんだ」





 


 ドンと破裂音がルイーゼの耳に響く、大扉は皆でどうにか塞いではいるがそのうちここは押し切られてしまう、そんな絶望感の中でガラス窓から見えたのはキラキラとした赤い光であった。

 それと同時に連続で緑や青、様々な色が空を彩り、爆発音は連鎖的に鳴り響く。

 「あれは...?」

 ルイーゼが口に発したその時、拡声器の声が響き渡る。

 「私の名はリドル! スキル[魔法破壊(マジックブレイカー)]を持つ人間だ! 交渉をできないだろうか!」

 リドルは教会の前にいた、怪物たちを殺しながら話し、堂々と大扉の前にいた。


 男は汗を流しながらリドルに言う。

 「おい、こんなことをして...殺されるかもしれないんだぞ....しかもあんなことして注目を集めて...怪物達を消すにしても元も子もないだろ...」

 「いや...それだけじゃないんだよ」

 リドルの言葉に怪物たちはすぐにくるがそのうち怪物の姿は消え、リドル達は包囲されるのであった。


 「今すぐ降伏しろ」

 銃を構え、軍兵は二人支持するがリドルは止まらない。

 「私は交渉をしに来ました、無防備な人間を撃つ気ですか?」

 リドルの言葉に軍兵は引き金に指をかけるが指揮官が止める。

 

 そこには花火に集まった群衆がいた、皆がその場を見ていた、街の人たちが、男も、女も、子供も、老人も、皆がそれを見ていた。

 「アルド・フィーリウム・ベリルド少佐殿と面談をさせていただけないだろうか!」

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