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第22話 その運命は既に決まっていた

 「5分って...時計ないのかい?」

 ドレットがキールに聞くがキールは首を横に振る。

 「そもそも5分ってのも怪しいからな、ここからは死を覚悟しろよ...」 

 「死ぬなんて嫌だけどね、これに果たして意味はあるのやら」

 「まあここからが——」

 キールが話すその瞬間に、何か金属音が二人が囲むように鳴る。

 その先を見るとそこには手榴弾が落ちていた。  


 「手榴弾!!」

 キールは叫ぶと同時に横に転がりながら飛び、それと同時に爆発する。煙の立ちこめる中でキールは叫ぶ。

 「来るぞ!!」

 キールの言葉を聞き、リドル達は教会を出る。

 「みんな、慎重に行くよ」



 

 銃声が鳴り響き、戦場と変わるその教会にいる亜人達はまともな武器を持っていない、応戦できず、逃げ惑うことしかできない、それはただの時間稼ぎに過ぎないのだから。


 キールは銃弾が当たらないように射線を切りながら走る、壊れた鉄板を引きちぎると盾にしながら仲間の元へ走る。

 足を瓦礫で潰された獣人の手を引っ張りながら瓦礫を蹴り飛ばすとすぐさま盾を獣人に渡し、石を拾う。

 「こんなもんしかないか...」

 キールはポケットに入れると横に走り、横椅子に滑り込むと、それを持ち上げて遮蔽物にするとフィリアに話しかける。

 「ここからが正念場だ、フィリア、奴らの位置はわかるか?」

 キールがフィリアの耳に頼ろうとしたその時、フィリアが自身の胸に手を入れると拳銃を取り出す。

 「ファイア」

 キールは咄嗟に頭を下げて避けるが右腕を撃ち抜かれる。

 「お前...なんで...」

 腕を抑え息を切らしながらフィリアに問うとフィリアは自身の顔に手を置くと次の瞬間に全身が一瞬だけ淡く光り、その瞬間にコールの姿が現れる。

 「ファイア」

 キールは横へと受け身を取りながら避けるとコールの胸ぐらを掴みグルリと回りながら遠心力でコールを奥へと投げ飛ばそうとする。

 「甘い」

 コールは腕を離すことなくそのまま二人は教会奥へと投げ飛ばし、土煙を上げながらも部屋に二人のみの空間が現れる。

 キールはすぐに走り出し、コールの腕を掴むと自身の体を中空へと上げ、コールの背へ蹴りを当てようとするがコールはワイヤーをキールの腕に絡め、そのワイヤーを踏み、地面へ叩きつける。

 「がっ...!」

 キールは血を吐きながらもすぐに体勢を戻すとコールの拳銃を蹴り飛ばし、そのまま踵落としをコールの顔面へと当てる。


 「当たってない....!」

 コールは腕でキールの蹴りを防いでいるのをキールが目視し、すぐに離れようとするがコールは足を掴むと上へと投げ、体勢を崩した瞬間にキールの首に蹴りを入れ、キールは気絶し、地面へと倒れ伏す。



 

 痛い


 全身が痛い

 

 休んでいないからだろうか? ひどく体が重い。


 苦しい、なぜこんなことをしている?


 仲間を犠牲にして、その先に何がある?


 こんなところで終わる。


 何もできずに終わる。





 法律は救ってはくれない、罰があるのは...求め過ぎているからだ。

 本当に弱い人は戦うしかない。

 ずっとそうだ、誰かが血を流さなければ終わらないんだ。

 人間である以上は、



 そうだ、次の世代、俺たちすら知らないその数百年後の皆のために、俺たちは戦っているんだ、止まらない、止まれない、まだ....終わるわけにはいかないんだ。



 

 キールは目を開き上を見ると既に銃の引き金を引いていた、まもなく詠唱されるであろう、だがキールは最後まで諦めない、キールは手を伸ばすが、届かない



 「ファイア」

 キールが死を覚悟したその時、銃口がずれる。

 その光景に一瞬だけ理解できなかった、しかしすぐにキールは理解した。それはルイーゼであった。

 「間に合った...よかったよ....キール」

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