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第20話 逃げ続ける先に終わりはない

 「とりあえず今はここに隠れるぞ...」

 教会の中でありそこには廃工場にいた亜人達がおり、レイド人の男がフィリアを壁に寄りかかるように置くと拳銃をリドルに渡す。

 「これは...?」

 「さっき拾ったんだ、俺は他の皆を誘導してくるから」

 男は行こうとするとリドルが止める。

 「あなたは危険なところに行くならば、これはあなたが持つべきでは」

 「いや、見つけたら呼ぶだけだ、ここが壊される方がまずいからな」

 そうして男は走り去っていった。


  

 「....いってしまった...しょうがない...フィリア、起きて」

 フィリアの頬を叩くとフィリアはゆっくりと目を開ける。

 「起きてよかった、廃工場が襲われた、今はこの教会に籠城してるから」

 リドルがフィリアに説明するとフィリアはゆっくりと立ち上がり、辺りを見回すと外へ繋がる扉へと向かおうとする。

 「今は危ないから、それに起きたばかりだし安静にして」

 「ごめん、僕が足手纏いで...」

 「大丈夫だよ、今はそれよりもどうするかを考えよう」

 リドルは立ち上がると腕を上げる。

 「みんな! これからについてどうするかを考えよう、何か案を持つ人はいる!?」

 リドルは元気よく声をあげるが誰一人として声を上げる者はいない、周りの空気のどんよりとした重さにリドルの視線も落ちる、しかしそんな中で扉が開き、ドレットが勢いよく入る。

 「皆! 大変だぞ!!」

 「どうしたんですか?」

 リドルがドレットに聞くと息を切らしながらも言う。

 「実は...! みんなが王城に...!」

 「落ち着いてください、一体...王城に何が...?」


 リドルがドレットに水を渡すと勢いよく飲み干し、ドレットは話す。

 「今見たんだ...王城に連れてかれてるんだ...みんなが....!」

 「そんな...助けに行った方が...だけど...」

 リドルは周りを見渡すが皆活気がない、こういう時になんと声かけをしていいのか、リドルにはわからない、口から何か声を発するその直前、だがそれ以上声が出ない、リドルが悩んでいるとドレットが前に出る。

 「何みんなはメソメソしてるんだよ! 仲間は殺されて、捕まって! みんなに住む場所を奪われて! 今は悲しむ時じゃあないよ! 怒る時だよ!!」

 ドレットの言葉に皆が振り向く、やはりいつもだ、彼女の言葉が勇気になる、リドルのニコリと笑うと立ち上がる。

 「そうだね、僕たちは仲間を見捨てたりなんてしない! みんなで助けに行こうよ!」


 皆がゆっくりと立ち上がる、そしてやがて皆は声を上げる、その希望の空気はやがて皆を包み、流れを手に入れる。

 「みんな、何かいい案はないかな、ある人は教えて欲しい」

 そして皆が話し合う中で、教会へとキールが現れるのであった。

 「みんな...ここにいたんだな...」

 「キール...よかった...ルイーゼは?」

 「すまん、別れて行動したんだ...そのうち来ると...思いたい」

 キールは俯きながらいうとリドルはキールの肩を掴む。

 「お前が生きていただけでもよかったよ」




 俺の人生はゴミだった。

 キールという名は主人のつけた名だ、だが俺はこの名前が嫌いだ、言われた通りに物を盗み、何も考えずにただ存在していた、そこに意志はない、だけどそれは俺の罪だ、選択をしないという選択を取ったにすぎない、言い訳にも満たないそれがとても嫌いで、自身が嫌いで、生きる意味なんて見出せない、俺が逃げられたのは主人が捕まった時だ、主従媒体が解除されたその一瞬で俺はとんでもない力が出た、捕まりたくない、それだけの思いで逃げ続けた、そしてあの廃工場へと逃げ込んだ、ゆっくりと朽ちていくその場所は俺に取っては悪くない選択であった、だんだんと鼓動の止まっていく仲間たちを見て俺は生を感じた、そして今、俺の命を燃やして、世界をかけるかもしれなことを、誰かのために行うこと、それはとても気持ちが穏やかになる。

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