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第13話 必要なのは公平ではなく、公平に見えることである

 銃声は止まり、王の姿に皆が震える、心臓がはち切れるほどの緊張、リドルはその王をただ見続ける、それしかできない、この言葉で全てが決まる、吉か、凶か。


 「その覚悟、気に入った、いいだろう、城内に3人、許可を与える、入りたまえ」

 王の言葉は亜人解決の解放でもなんでもない、交渉を行う事自体の権利、それを手に入れただけで酷く疲れる、だがしかしここからである、ここからが本番であり、重要な盤面である。

 「誰が行こうか?」

 リドルが皆に聞く、皆が話し合い、まず1人はキールであった。

 「キールさんは前回で演説もしています、あなたは世間から見たらリーダーと呼ばれる立場です」

 ハルクの言葉にキールはコクリと首を振る。

 「じゃあリドルが行くのはどう? 僕からすればリドルが来てからここまで来たんだし」

 フィリアの言葉でリドルが出ようとするとキールが止める。

 「お前はダメだ、リドル」

 キールの言葉にフィリアは驚いた表情をする。

 「どうして? リドルはたくさん頑張って...」

 「リドルは唯一無二の奴隷を解放できる人間だ、重要人物は狙われやすい、リドルは前には出さず、隠密に徹するべきだ」

 キールの言葉にリドルは返す。

 「でもさ、逆に公に出すことで殺されずに済む可能性もあるんじゃないかな」

 「いや、相手にお前の力が伝わっているかは知らないがそれでも行かない方がいいと思うぞ」

 「そっかあ、そうだね、じゃあ残り2人は...ルイーゼはどう?」

 「え、私? 正直言って私はあまり役には立たないわよ、それでもいいの?」

 ルイーゼは不安そうに言うがフィリアは確信しながら言う。

 「大丈夫、ルイーゼは交渉できることも、そのために耐える必要があることも、ちゃんと気づいていたじゃん! だからルイーゼがいれば百人力だよ!」

 フィリアの言葉にルイーゼは考え、顎に手をやる、しばらく考えるとルイーゼは首を縦に振る。

 「うん、わかったわ、でもあんまり期待しないでね」

 

 「じゃあ最後の1人は....」

 「そうだね、じゃあ、ドレットさん、いけますか?」

 リドルが声を掛けるとジート人の女性、ドレットが前へ出る。

 「いいのか? あたしがでても」

 ドレットは下を俯きながら言うがリドルは首を縦に振る。

 「獣人、レイド人、あとはジート人であると俺は判断しました、行ってください、みんなのために」

 「わかったよ、じゃあ行ってくるよ」

 そうして3人は王城内へと入るのであった。


 3人が入ると衛兵が前へ出る。

 「さあさあ、他のものは散った散った! さっさと解散しろ!」

 衛兵の言葉に皆がバラバラに散る、残る亜人達の遺体は運ばれることなく、衛兵達が運び出す。

 「ごめん、俺のせいで」

 誰にも聞こえない小さな声で遺体にリドルは呟くと歩き出すのであった。




 「陛下、このような場をいただき感謝します、どうか私たちの言葉をお聞きしてください」

 三人は跪きながらキールが言う。

 「では聞こうではないか、其方らは何を望むのだ」

 王の言葉を聞き、キールは話始める。

 「私たちの目的はいくつかありますが、まず一つ、それは平等な権利です、あなた達のような素晴らしい種族と同等に、公平な権利を、平等な刑法を、自由に生きる道を、それが私たちが求めるものです」

 キールは冷や汗をかきながら王の様子を伺う、王は深く長考をすると口を開く。

 「人はいつもだ、違うものを迫害し、同じであることを求める、其方らが奴隷であるのは、ただ違ったから、それだけであったのだろう、だがしかし世は簡単に変わることはない、だからこそ予にできることは少ない、だが其方らのその高潔な精神、気に入ったよ、予はそんな者を後押ししよう」

 王の言葉にルイーゼは顔を俯かせながらも口が緩む、それは交渉の成功に近いからである、決して確定したことではない、さらには世界の認知革命とも言えるそれは簡単にはできないであろう、だがしかし、それをする上で、人間に共感をしてもらえるということは、酷く嬉しかったのであろう

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