↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アニメの主人公じゃない俺が婚約破棄された令嬢を助けることになった  作者: 霜月風炉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/12

4:濡れ衣と婚約破棄 side.アステリア

「今ここにアステリア・コランダムとの婚約破棄を宣言する!」


 多くの貴族が集まる大広間にて、アベル・フォン・サラザールは高らかに宣言する。その隣には洋扇で口元を隠し、勝ち誇った表情を浮かべるサレンディアが立っていた。

 私——アステリアは突然の宣言に、唖然とするしかなかった。

 それはお父様も同じだった。


「アベル皇子、一体何があったと言うのですか⁉」

「コランダム伯爵、私は見てしまったのです」


 お父様の言葉に応えるように、サレンディアが口を開く。


「彼女、アステリア様がシーア王妃のブローチを懐に入れるところを。その証拠は彼女の身に着けているブローチです!」


 何を言っているのかわからなかった。

 だって、このブローチはサレンディアが婚約祝いにとプレゼントされたもの。


「待ってください! これはサレンディアが————」


 私は声を上げる。

 しかし、それはアベル皇子によって遮られる。


「口を開くな、この盗人め! 母上、この話が真実であるかはアステリアのブローチを確かめればわかるでしょう」


 アベル皇子の言葉にシーア王妃は頷くと、側近の騎士が私の身に着けていたブローチを取り上げる。そして、ブローチを確認したシーア王妃は、それが自身のモノであることを認めた。


「この色合い、そして傷の箇所。間違いなく私のブローチで間違いないでしょう」


 周囲がざわつく。

 お父様の方へと顔を向けると、血の気が引いており真っ青になっている。


「さて、これで明らかになったな」

「待ってください! 私は————」

「盗んでいないとでも宣うか? 随分と見上げたものだ。本来であれば、この場で斬って捨てるところ。だが、俺は優しいからな。この場から即去れば罪には問わない。さあ、どうする?」


 私の唇が震え、声が出せない。

 込み上がってくる涙を堪えながら、私は踵を返すと出口へと向かって小走りに駆け出す。

 背中から誰かの声が聞こえていた。

 廊下を抜け、門を抜け、大通りを抜けて、私は涙を溢しながら走った。

 気が付けば、人気の無い場所に立っていた。


「どうして……」


 私はつぶやく。

 あのブローチはサレンディアがプレゼントしてくれたもの。私は盗んでいないのに……。

 その時、サレンディアの表情が脳裏に過った。

 あの勝ち誇った表情は——そういうことだったのだ。


「私は……嵌められた?」

 

 なんで——と私は涙を流す。

 一緒に喜んでくれた姿は嘘だったの?


「おいおい、こんなところにお嬢ちゃん独りでどうしたんだ?」


 背後から声がした。

 同時に強引に引っ張られ地に叩きつけられた。


「い、痛い!」

「へっへへ……こんな人気の無い路地裏に独りで来ちゃダメだぜ? それに嬢ちゃんは貴族だろ? ま、運が悪かったってことで諦めな」


 仰向けに転がされ、男が覆いかぶさる。

 ドレスの中に手を突っ込まれ、下半身の秘部に触れようとする。


「嫌ッ! 止めて! 誰か!」

「誰も来やしねぇよ。ここは特別人通りが少ねぇんだ」


 どうして、どうしてこんなことに……。

 私は必死に抵抗しながら思う。

 だけど、私の力では暴漢を振り払うことができない。

 こんな男に私の純潔を奪われるなんて————。

 口を塞がれ、胸を破かれる。

 終わりだ——そう思った時だった。


「そこまでだ」


 男性の声がした。

 

「何だ、テメェ? 今良いところなんだ」

「はいはい、そいつは悪かったな。だけど、無理矢理ってのは倫理的にダメだと思うんだ」


 男性の声の方へと、私が顔を向ける。

 そこには黒髪の青年が月明かりに照らされながら立っていた。

ブックマーク等々をお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。