殿下ぁ
まだメアリー視点が続きそうです。
振り向いてみるとグリードリッヒ殿下がいた。彼の斜め後ろに男子生徒が控えている。
昨日助けた王子様はニコニコしながら私に挨拶をしてきた。
サラサラの金髪で碧眼、目もとは少しタレ目。ナヨナヨしている訳でもなくけどガッシリとした体格でもない、言うなれば普通だ。均等がとれた体格と言ってもいい。
(どっちでもイケそうっていうのが迷いどころよね。それに比べて……。)
殿下の斜め後ろに控えている男子生徒の体格。短髪に日焼けしていて筋肉がしっかりついているのが服の上からでもわかる。殿下との体格差はおいしい…ゲフンゲフン。大体10㎝ぐらいだろうか?
グリードリッヒ殿下と後ろの男子生徒を観察していると痺れを切らしたのか後ろに控えていた男子生徒が口を開いた。
「おい!殿下が挨拶をしているではないか!返事をしないか!」
声が大きい。
一瞬この男子生徒で幾つかのシチュエーションの妄想が出来るなぁと思っていたら返事をしないメアリーに注意をしてきた。
まだ注意が続きそうな所を殿下は右手を挙げて制した。
声の大きさでビックリして固まっていると思った殿下は苦笑いをした。
「……すまない。彼、昔から声が大きくてね。」
「いえ、此方こそ挨拶が遅れてごめんなさい。」
つい素で返事をしてしまう。
(いつか殿下の鼓膜が潰れそうね。)
チラッと見ると未だに此方を睨んでいるが気にしないことにした。
「あの、何かご用でしょうか?」
早く話を切り上げて同年代の肉体ウォッチング……ゲフンゲフン。試合の為の観察を続けたいのだが。
「あぁ、昨日のお礼をいいにね。あと君のトーナメントの番号が知りたくて。日にちはいつだい?」
「フンッ、どうせ一次敗退が目に見えている。」
「コラ。初対面のレディに対して失礼だろ。」
「ですが殿下……!」
「バルド。今は彼女と話しているんだ。少し黙っていてくれないか。」
「…………ハイ。」
バルドと呼ばれた彼は不満ですと言いたげな顔で黙った。
「ええっと、レディ名前を聴いてもよろしいかな?」
少し気まずい空気を拭うように殿下は声を明るくかけてきた。
「え、えぇ。私はメアリーです。番号は36番で試合は明後日から始まります。」
「明後日っていうとCブロックか。ならバルドと同じだな。」
「そうですか。もし当たったらよろしくお願いしますね。」
後ろに黙って控えているバルドに愛想笑いを向ける。
「…あぁ。女だからといって手加減などするものか。」
彼は女性に対してあまり良く思ってないのかな?
「では僕は彼女を応援しようかな。」
殿下は殿下でイタズラな顔をしながらバルドをからかう。
「で、殿下!」
バルドは捨てられそうな犬みたいな目で殿下をみている。
それを目の前で繰り広げられたメアリーはというと……。
(ファッ!主従カプだ!相思相愛だ!あれ?ここに私が入るの邪魔じゃないかな?キャー!リリシャにも見せたい!)
内心大荒れていた。




