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第九話 巻き込まれる

交流会も無事に終わり、そろそろ卒業式だ。なんだか早いなーとか考えてたら、いきなり後ろから抱きつかれた。

「わっ!」

思わず叫び、振り返るとそこには杏花ちゃん。

「えっへへー」

えっへへー、じゃないよ、まったく。本気で驚いたのに。

「ねぇねぇ、もしかして、あいつのこと好き?」

「あいつ?だれのこと?」

「あいつだよー、和也。」

かずや??

「かずやってだれ?」

「もー、しっつれいだなぁー、斉藤だよ。」

まことに申し訳ありません。男子の皆様は、苗字は覚えてるけど名前までは無理です。。

「あぁ、斉藤くんね。」

「で、すきなの?」

いきなり何を言い出すんだか。

「え?ううん、別に?」

「だってさっきさぁ。。」

ああ、あのことか。さっき、卒業合唱の合唱委員を決めたのだ。

私はただ委員になりたかったから手を挙げただけなのにたまたま斉藤くんが手を挙げた直後になってしまって、いろいろと誤解されているらしい。

「だって、和也が手を挙げたから美来も挙げたんじゃないの?」

はぁ、こういうのって面倒臭い。

「ううん、たまたまそんな感じになっちゃっただけで、別にそんなことないよ。」

しかしこう言っても、信じてもらえるわけがない。

「うそー。 絶対好きでしょ?」

「安心して。私、人の彼氏奪ったりしないから。」

その一言で、ようやく開放された。

「えっ!?何で知ってるの?まさか、誰かに聞いたとか?」

いや、それ以外に何かあるか?

「うん、まあね。」

「じゃ、じゃあ信じるけどさぁ、本当にダメだよ?」

いい加減うざかったので、一言。

「そんなに自信ないの?斉藤くんだって、杏花ちゃんのこと好きでしょ?」

やはり少し焦ったらしい。普通こんなこと言われないだろうな。

「え?う、うん、もちろん、絶対自信ある!」

「でしょ?だからもし誰かに奪われそうになっても、奪われないようにすればいいじゃん。」

「わかった、ありがとう!」

彼女は去って行った。なんか、アドバイスをしたような気分だな。。。

ちなみに、私は実行委員になれなかった。



「えっとですね、私たちは今回、旅立ちの時 っていう曲を歌います。とりあえず、中3が歌ってくれるので聞いて見ましょう。」

委員の人がそう言い、みんな廊下に並んだ。

「何それ?旅立ちの時って聞いたことないけど。」

はるちゃんに聞いたところ、

「あぁ、私は小6の卒業の時にうたったよ。そんなに難しくないから、大丈夫。」

なのだそうだ。


「三年生、起立!」

ステージにある台の上に座っていた三年生達が立ち上がり、歌う準備を始めた。

「これから、三年生の発表を始めます。礼!」

大した発表でもないのに、わざわざ面倒臭いことをするものである。

「君の~瞳~に花ひらく~♪」

ふむ、なかなかいい感じだ。静かに聞いているうちに、今朝のことを思い出した。

「あいつのこと好きでしょ~?」

頭の中で響き続ける声。気持ち悪くなってくる。自分でも、なぜこんなに気にしているのかわからない。まさかとは思うが。。いや、それは絶対にない!

「頭痛い。。」

いつのまにか、曲が終わってみんな立ち上がっていた。

「美来ちゃん、立って~!」

後ろから言われて焦って立ち上がると、先生がそこに。

「具合悪いんですか?大丈夫?」

正直頭がかなり痛かったが、大丈夫ですと答え、そのまま戻ることにした。

「美来~大丈夫?」

スミレが心配してくれるなんて珍しいものだ。

「うーん。。」

しかしからかう余裕もなく、適当に答えるしかなかったのは残念。。。



結局私は、

「誤解はとけたはずだし、もう気にしないことにしよう。」

と思った。

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