表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/11

第十話 これが日本式である。

そろそろ始まる卒業式練習。しばらくやっていなかったため、辛さを忘れていたようだ。

「椅子を持って、廊下に静かに並びましょう。」

木曜日の五時間目、卒業式練習開始。

「はーい、一列に並んで!」

私たちは、決して速やかに、とは言えない感じで体育館へ移動した。

「背もたれ揃えて~」

練習なのにいちいち面倒臭いなぁなどと思いながら、椅子を揃える。



「卒業生入場!大きな拍手で迎えましょう。」

日本にいた頃、卒業生と在校生は別々に練習をしていたが、ここは一緒にやるらしい。しかも、小学6年生と中学3年生合同だ。

「コト、コトン。」

静かな足音が聞こえてくる。

「ぺちぺちぺち。。。」

何だかやる気のない拍手。どこが大きな拍手だ、と思った。しかし、どうせ先生があとで注意するだろうなと思っていたが、入場が終わっても何も言われなかったことには少々驚いた。やはり「日本式」ではあっても、「日本」ではないらしい。

「拍手はもっと大きくしろっていわれないの?」

と、隣の杏花ちゃんに聞いてみた。すると彼女は

「どうせ保護者の人とかもいるし、大丈夫だよ。」

と、のんきに答えた。なるほど。

「はい、では、礼の練習をしましょう。まず、背中を丸めてはいけません。背筋を伸ばし、上半身全体を傾けます。」

やれやれ。。。

「いち・に・さん と数えるので、それに合わせて礼をしてください。 いち・に・さんっ!」

礼をする。

「うーん、まだ揃ってませんね。。もう一度やって見ましょう。いち・に・さんっ!」

礼をする。。

「まあまあ揃ってきていますね。この調子で頑張りましょう。次は、座礼です。皆さん着席~」

座る。。。

「では、先ほどと同じようにやって見ましょう。いち・に・さんっ」

座礼をする。。。。

「これは結構揃っていますね。オーケーです。次はですね。。まあ時間もあまりないことですし、校歌を一度歌って見ましょうか。」

歌う。。。。。

「~♪~」

「キーンコーンカーンコーン」

歌い終わると、チャイムがなった。やっと終わった。別に日本のやり方を愚痴っているわけではないのだが、やはり疲れるものである。



「あー憂鬱。。」

机に突っ伏してブツブツ言っていたら、絵美がやってきた。

「どうしたの?」

「卒練疲れた。」

ちなみに、卒練とは卒業式練習のことである。

「確かに大変だよね。」

「うん。二年間やってなかったから辛さをすっかり忘れてたよ。」

「なるほどねー。」

何だか、とても平和な会話だな。

「じゃあ、授業始まるからまたあとでね。」

時計を見ながら絵美はそう言って、自分の席に戻って行った。

さて、次の授業なんだっけ。。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ