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青春謳歌  作者: 三木拓矢
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第2唱 色々って色々

「あたし、中枝君のこと好きよ」


「僕も沙野さんのこと嫌いじゃないよ」


「嫌いじゃない、という表現はあたし的には好ましくないわ、好きか嫌いかで答えてちょうだい」


「む、まあ好きだけど」


「まあ、という表現は--」


「好きです!」


「あら、好きの前に大はつかないのかしら」


野郎。

好き勝手に言いやがって。



や、皆さんこんちには。この物語で一応主人公語らせてもらってます中枝春冬です。

……先に言っておきますけど今の会話を聞いて、ひゅーひゅーこのバカップルとか思った奴ら!

僕達をまだ完全に理解できてない!

この会話は、その、あれ、国民的ギャグマンガに例えると、あのネコ型ロボットの出てくるあのマンガの第2主人公的ポジションのダメダメ眼鏡君とヒロイン的ポジションの同級生の女の子の絵ではなくて、むしろダメダメ眼鏡君と歌の下手ないじめっ子的ポジションの絡みが一番近い感じだ。

それだけで分かってくれると僕としては凄く助かる。分からないって人はSFのことをこれからは少し不思議と思ってくれれば大丈夫だ。

……まあ、問題大ありだけど。


「つまり、早い話が中枝君は今あたしにいじめられてるってことでしょ?」


「そんなストレートに言うなや!!」


せっかく上手に誤魔化したのに!

そういう風に読者から思われるの嫌だったから誤魔化してたのに!


「それだと中枝君、マゾみたいに聞こえるものね」


「直球勝負反対だ!!」


「あら、あたし基本は変化球タイプのピッチャーなのだけど」


沙野さんは胸を張ってそう言った。

言ってることは大して可愛くないが見た目が可愛いから許そうかなぁ。

--僕って沙野さんに甘いよなぁ。


「得意球はスローカーブよ」


--許す!

みんなから甘いって言われても許す!

や、別に許す理由はどこにもないんだけどさ。

なんか、ねぇ。

いやぁ説明なしでもこれは分かってほしい。

そういうもんだって。


「ついでに中枝君はバッタータイプね」


「はぁ、打順は?」


「トップバッターな1番」


「おっ!なかなか好打順じゃん」


てっきり9番とか言われるかと思ったけど……。

トップバッターとか結構良い位置にいるじゃん。


「ただし」


と沙野さんは続けた。

--続けなくていいのにな。


「そのチームは2番から上位打線」


「……」


「……」


「……僕の立ち位置へぼっ!」


「うん、へぼいわ」


それって結局立ち位置的には9番打者と一緒じゃん。

下位も下位の下位打線である。

大体、2番から上位打線ってことはそのチームはトップバッターからいきなりアウトになれと?


「そのへぼさに何の意味が?」


「意味なんて、後から考えるものでしょう?」


「……えぇ~」


確かに格好いいセリフだけど!

なんか違う!なんか違うだろ、それ!

使い道絶対間違ってるから!

いやそんな決まったぜ、みたいな顔されましても!


「だって決まったんだもの」


「自分で言っちゃった!?」


「あなただってかっこ可愛いって言ってくれたじゃない」


「可愛いまでは言ってないぞ」


「可愛くない?」


「うん、まあ可愛いけど」


「まあ、という表現はあたし的に--」


「可愛い!可愛い!超可愛い!」


「そう、照れるわね」


顔が可愛いのに相も変わらず態度は可愛くない。

それなのにかかわらずあまりムカつかないのは多分沙野さんの加減具合だろうな。

実にさすがというところだ。


「や、さすがだね沙野さんは」


「ん?何のこと?」


沙野さんは意地の悪い笑みで答えた。

本当は分かってるくせにあえて分からないふりをするあたりから、もう可愛い過ぎる。


「色々だよ、色々」


「ふぅん色々ね」


「そう、色々」


「ふふ、さすがね中枝君は」


「ん?何のことだ?」


「色々よ、色々」


「ふぅん色々か」


「そう、色々」


なんかいいなこういうって、色々と。

そんなアバウト……というより少し雑な感じで今回は終わっとこう。

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