第3唱 僕の妹は変態です
「お兄ちゃん起きてー」
と、休日としては朝早いAM7時。
起きぬけの眠たい目をこすりながら声のした方向、つまり自分の布団の上に目を向ける。
すると布団の上には小柄な少女が乗っかっていた。
うん、いつも通り。
「どうした妹」
「おはようお兄ちゃん。今日も朝からカッコイいね」
みなさんおはようございます。
一応この物語で主人公語らせてもらってます中枝春冬です。
決して主人公をやってるんではなく語らせてもらってるです。
主人公で語り手と言う意味ではなく、主人公を語らせてもらってますという意味です。
お間違いなく!
「で、朝からなんの用かな愚妹君」
「ふっ、よくぞ聞いてくれたなお兄ちゃん」
そう言って上の妹、中枝夏は不敵に笑った。
なんだこいつ。
僕はこんな奴妹にした覚えはない。
「前置きはいいんだよ。早く言え」
「お兄ちゃん、今の時間は?」
「7時」
「ラッキーな数字と言えば?」
「5」
「そう、7なんだよ」
いや、7とは言っていない。
普通ラッキーな数字と言えば5だろ。
ご縁があるの5。
「まあ、つまりお兄ちゃん大好きのあたしは少しでもお兄ちゃんに幸せになってもらいたいなと思って朝の7時に起こしに来たのさ」
聞いて損した。
お兄ちゃん大好きとか平然と言うな。
「アホの子はリビングに戻れ。僕は寝る」
そう言って布団に潜りこんで2度寝をしようとした僕の腹部に衝撃がはしる。
「ほらほら、早く起きないと大変だよ」
「……っ……く」
「ここがいいのかな?お兄ちゃん」
「や……やめ」
「んー?声が小さくて聞こえないなぁ」
「……ぁ……っ」
「ふふっ、もっと良くしてあげようか?」
「……無理……」
「お兄ちゃんの辛そうな顔を見てると……凄くゾクゾクする」
恐るべき変態である。
我が妹ながら。
一応言っておくけれど別に変な事はしていないし、されていない。
夏が布団の上から僕にヒップドロップを連続でやっているだけである。
……あれ?だけの使い方ってこれであってたであろうか。
…………まあ、いいか。
つかいい加減苦しくなってきた。
「……止め……」
「病め?」
「言ってない!」
思わずツッコむ僕。
余計に苦しくなってしまった。
「……止め…………て……くれ」
「しょうがないなぁ」
と夏は笑顔で言った。
あぁ、多分こういうのを凄惨な笑顔と言うんだろう。
絶対悪いこと企んでる顔だ。
「その代わりお願いがある」
やっぱりである。
これだから女ってやつは。
「わたしにキスをしろ!」
「無理、やだ」
即答なまでの即答。 多分答えるまでに1秒もかかっていない。
なんとなく予想はついていたけど。
やっぱりか。
「ならばここで死ね!」
「お前既に病んでるよ!」
「恋愛なんてのは一種の病気みたいなものだからね」
「恋愛するな」
「恋に恋する女子中学生に対しそんなこと言う!?」
「じゃあ対象を変えろ」
「年上好きなんだよ!」
「知らねえよ!僕を巻き込むなよ!」
「兄好きなんだよ!」
「僕しかいねえじゃん!」
なんかグダグダだ。
グダグダグダグダ。
「キスをするまであたしはここを動かない!」
「兄妹でキスなんかするか!」
「外国ではスキンシップで家族同士でキスするよ?」
「ここ日本だから」
その後も散々どうでもいい会話を続ける僕らだった。
結局下の妹の秋がくるまで僕は拘束されたままであったという。
我ながら情けないくらいの草食系。
ちゃんちゃん。
……この終わり方ってどうなんだろうか。




