面倒な奴
俺は少年に向かって
「大丈夫、大丈夫」
と言った後、少女に向き直り
「家まで送るけど何処かな?」
と優しく声をかける。すると少女は泣き始める。何か事情があるのかなと思いつつどうしようと迷っていると
「あの良ければ僕に何があったか話してくれないかな」
と優しく声をかける。ナイスっと思いながら
「そうだよー、もし何かあれば俺が解決するから」
「ガウ」
とベヒーモスは頷く。少女はベヒーモスを見て少し笑い、頷き口を開いた。
「家はありません」
と悲しげに言った後、ベヒーモスを見てこれまでの説明をしてくれた。
少女の両親は工芸品を作る組合に属していたがそこに領主ウルッニンがやってきてこの俺ウルッニンに無償提供しろと脅しをしてきた。それに反発した組合員は街を出て行った。それに気づいたウルッニンは激怒して、ない罪をでっち上げ少女の両親を見せしめにした。そして家は押収され、少女は領主に逆らった哀れな子として見せしめに生かされている。
「誰も助けてはくれないのか?」
と内心ブチ切れながら穏やかに聞く。
「はい、見せしめが怖いと思うので」
と俺と少年は街を見る。
「ですが裏でこっそりと助けてくれてます」
と少女が慌てた様に言う。少女の話を聞き、街を見るのをやめ、まあ表だっては助けらんないかと考え少し落ち着く。少し考え
「じゃあ、疲れたから泊まる宿に一緒に行こうか」
と俺は提案して、少女に手を差し出す。すると少女はキョトンとした声を出す。
「駄目です。私が泊まれば、店に迷惑が掛かります」
と拒否をする。俺は少し考え
「いや、大量に金を積めばいけるだろう」
とニコッとする。でもでもと少女は拒否をする。どうしようかなと迷っていると
「じゃあ外に泊まりません?僕もご一緒しますので」
と少年は提案してくる。それは安全策だなぁと考え
「じゃあ良い宿に泊まりに行こうか。こいつを売って」
とベヒーモスを見せる。ベヒーモスは首を振る。何?と思っていると少女はベヒーモスを見て
「売るのは可哀想だと思います」
「あのなんで良い宿に泊まる流れになっているんですか。街の外に泊まりましょうって言っているでしょう」
「ガーウ」
と三方が見てくる。俺は少女の意見を聞いて
「売るのは可哀想だね。うん、宿に泊まろう。後あの良ければこいつを貰ってくれないかな」
と俺はさっきの少女の姿を思い出し、ベヒーモスを見せる。ベヒーモスは頷く。何?と思いながらベヒーモスに小声で「噛みちぎるなよ。やるよ」と声を掛ける。するとベヒーモスははあ?と言わんばかりの顔をする。何?と思いながら危なそうならやるかと思いながら少女に手渡す。するとベヒーモスは手に乗り少女に頭を下げる。少女はベヒーモスに向かって頭を下げる。これで良いなと思っていると
「あのなんで提案を無視して宿に泊まる事にしてんですか」
「いや、疲れたから。外で泊んの面倒だから」
「だったら僕がやりますよ。それで良いでしょ」
「やだね、街に泊まりたいの!そう決めたから」
と俺は宿がありそうな方へ歩き出す。




