情け無いけどもそれはそれ
「バーローバさん、そちらの方は?」
「この方はリーロンさんって言ってな、セイロメの仲間だ」
と紹介されたので軽く会釈をする。シシオと呼ばれた男は俺を見て
「失礼ですけど、英雄のリーロンさんですか」
「そうだけど」
「そうですか。はあ、セイロメって凄いなぁ、また俺を置いて行く」
「英雄さんなのかい、今まで無礼じゃ無かったかい」
「いや、この歳になるとね。無礼とかどうでも良くなるからさ気にしなくて大丈夫」
「そうなのかい。それよりもシシオ。家ん中入らせてくれ」
とバーローバが言うとドアを開けっぱなしにしながら慌てて用意していた。しばらく眺めいるとシシオがこちらにやって来て
「どうぞこちらへ」
と一回会釈する。俺たちは頷き、シシオについて行く。シシオに案内されて部屋に入り、
「どうぞ、お掛けになってください」
とシシオが散らかっている部屋を恥ずかしそうに見た後こちらを向く。俺たちは座る。
「シシオ、どうして会わなかったんだ?」
「それは置いて行かれたからですよ」
「それで会わなかったのか馬鹿だね」
「だって、俺は師匠で親ですよ。セイロメに背中を見せてあげる存在の筈なのにセイロメに嫉妬したんですよ。俺が到達出来なかった石の構造強化とか火の効率改善をやったんですよ。それって親として喜ぶ筈なんですよ。でも師匠、いや1人の人間として嫉妬して憎しみを持ったんですよ。それは親として師匠として1人の人間としておかしいじゃ無いですか。俺はなんでこんな器が小さいんだ」
「シシオ、落ち着いてくれ」
「すみません。ですがこんな奴がセイロメの前に出て来れる訳がないでしょ」
「いや、それだったら感情を隠して会えば良いんじゃないか」
「セイロメに隠し事なんてしたくないですよ」
「親なんて隠し事の一つや二つくらい持っているものだろう、私だってそうだったよ」
「どんな」
「いや、それは、何だったっけな」
「ないんでしょ、これは俺がおかしいからで」
「だったらさ、正直に話せば良いんじゃない」
「正直に話したら、セイロメに失望されてしまいますよ。俺は親として師匠としてセイロメに背中を見せてあげたいんです。こんな事考えるのも器が小さいって俺は」
とガックシと肩を落とす。まあかなり昔だが俺もモーケンに背中を見せたい時期あったなと笑いながら
「で、どうしたいだよ?」
「セイロメの背中を見せられる。師匠、親でありたい。こんなの器が小さいと思うけど。だけど」
とシシオは日記らしき物を持ってくる。
「これが完成すれば新しい魔法が完成すれば俺はセイロメに背中を見せられる筈なんです」
「そんなもん完成したって」
とバーローバーが喋るが俺は制止して
「分かったよ。じゃあ完成させて追って来いよ。それまでセイロメは預かっておくよ」
「リーロンさん、何を言っているんだい。そのなもん完成させたって解決しないだろう」
「それは正論かもしれない。だけどやらなくちゃ分かんないと思うよ、だって完成させて背中を見せれるんだっていうのはこいつの信念からくる行動だと思うからさ」
「リーロンさん何を言っているんだい」
「俺も正直自分で何言ってのか分かんないよ」
「なら」
「でもさああだこうだ言ってもこいつは絶対信念で会わないだろう、だったらこいつの信念に任せて見るのが良いんじゃないか」
「はあ、そういうもんかね」
「信じてみてみようか」
「リーロンさん、分かりました。絶対に完成させて追いたいと思います。セイロメをよろしくお願いします」
「まあ、任せろ。俺にも夢があるからよ」
「はい」
「やれやれ」
と俺とシシオは頷き合う。そして別れの挨拶をして帰路に着く。そしてバーローバーに家に着き。酒を飲んだ後、部屋で寝る。目が覚めると朝ご飯の匂いがしたので朝飯を食いに行く。そして、今日の予定を聞く。するとセイロメは
「次の街に行こうかな」
ときっぱりと言う。俺はココを見ながら
「良いのか?」
と尋ねるとセイロメは頷き
「時期ではないので」
ときっぱりと答える。そして食べ終えると支度をする。そして支度を終えて玄関を出ると
「ちょっと寄りたい所があって」
とセイロメが言ってきたので着いて行くとシシオの家の前に着く。無理だよと思いながら見守ると魔法陣が現れる。
「頑強な石よ飛べ」
とシシオの家に向かって石が飛び、家が少し壊れる。そして
「色々考えていたのに!これで勘弁してやる!だからちゃんと追って馬鹿親父の背中見せろよ!」
と叫ぶ。聞かれてたか?まあ良いかと思いながら見守る。ココとモウが唖然としてた。セイロメは正気に戻りしばらく悩んでいる素振りを見せた後
「これがうちの別れの挨拶だからね。真似しないでね。うん行こうか」
とそそくさと行ってしまう。




