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宝石だけじゃない、工学知識でモノづくり ~荒野での快適生活を邪魔する奴らは、返り討ちにする~  作者: 色石ひかる
7_勇者を返り討ち

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第42話 久しぶりの神界

 翌日の朝食後に、俺とレネは拠点をあとにしてルーペンへむかった。南門から街中へ入って、そのまま大通りを北へ向かうと左側にアコトカ神殿が見えてきた。


「アコトカ神殿でお祈りをする前に、ステータスボードでスキルの技を確認しても構わないだろうか」


「もちろん平気ですわ。私も新しい技が追加されているのか興味があります」


「ステータスを確認してから、神殿の準備が出来たと報告しよう」


 レネと話しているうちにアコトカ神殿の前まで来ていた。門を通って奥にある神殿の中に入って、ピーノスさんを探したが見当たらなかった。代わりに近くにいた神官へステータスボードを確認したいと伝えた。


 神官へ寄付を渡してから、ステータスボードがある部屋で確認した。残念ながら新しい技や向上したステータスはなかった。そろそろスキルも上がりにくくなっているのかも知れない。


 部屋を出てから礼拝堂へ移動して、神アコトカ像の前へ移動して、両手を合わせて目をつぶった。神殿の準備が出来たと心の中で報告すると、閉じている目を通して明るさを感じ始めた。


 目を開けると前回来たときと同様に、真っ白な空間が周囲に広がっていた。


「今回はキュウヤも自然と神界へ来られましたわ」


「また来るとは思わなかったが、直接報告できるのはうれしい」


 周囲に視線を移動させると神アコトカの姿があった。


「神殿の準備が整ったのは確認できたのである。すばらしい女神像で神器としても申し分ないのである」


「女神像をほめてくれてうれしい。俺が神殿を造ると宣言すれば、レネの神殿ができるのだろうか。また宣言には何か制約はあるのだろうか」


 念のための確認と、失敗をしないために不安がある部分を聞いた。


「神殿の定義はむずかしいが、俺が認めればアコトカ神殿は神殿として認めるのである。アコトマにも話しておくからアコトカ神殿も認めれば、反対する人族や獣族の国は皆無のはずである。宣言は思いを込めれば制約はないのである」


 どうやらむずかしい言葉や宣言内容に制約はないので、この土地を女神レステアネの神殿と宣言する、という言葉があれば大丈夫そうだ。


「ありがとう。俺たちの準備はできていると、神殿長へ伝えてほしい」


「分かったのである。最近は神力が増えて、少しずつだがよい影響へ向かっているので、そのていどは問題ないのである」


 これでレネの神殿に向けて準備が出来た。あとは神殿長を迎えて、俺が宣言をすればレネの神殿が完成する。


「楽しみにしている。レネは何か聞いておくことはありそうか」


 レネへ視線を向けた。


「私からはとくに何もありませんわ。神殿が完成したあとに、どのような変化が訪れるのか楽しみです。神力の質があがれば、うれしいかしら」


「そのような変化なら俺もうれしいのである。ふたりなら問題ないと思うが、魔族の動きが活発になっているので注意してほしいのである」


 今まで出会ったことがないが、魔族は魔物にくらべて非常に強いと聞いている。神アコトカから話が出るくらいだから、魔物とは別に考えたほうがよさそうだ。


「魔族に気をつけながら、レネと一緒にこの世界を楽しんでいきたい」


「そろそろ時間である。次に会えるのを楽しみにしているのである」


 周囲に明るい光が満たされたので目を閉じて、明るさがなくなったと感じてから目を開けると礼拝堂へ戻ってきていた。


「報告ができてこのあと神殿長が来ると思うから、礼拝堂の外で待っていよう」


「それがよろしいですわ」


 礼拝堂から出てからレネと一緒にしばらく待っていると、神殿長のヴォルンさんと神官のピーノスさんの姿が遠くにみえた。ふたりも俺たちに気づいたようで、こちらに歩いてくる。


「キュウヤさんとレネさんが、まだ神殿内にいてくださって助かりました。話がありますので、奥の部屋へお越し下さい」


「分かりました。俺たちふたりとも平気です」


 ヴォルンさんから声をかけられると、そのまま素直にふたりのあとに続いた。前回案内された格調高い部屋へ通されて、俺とレネ以外にはヴォルンさんとピーノスさんのみがいる。俺たちが座ると向かいにふたりが座った。


「慌てていない様子を見ますと、神託の内容を知っているのでしょうか」


 神界に行って直接会ったとは答えられないので、どのように話すか考えているとレネが口を開いてくれた。


「さきほど礼拝堂でお祈りをしましたら、私たちふたりも神託を受けましたわ」


「そうですか。それではキュウヤさんとレネさんが、新しい神の神殿を建てるというのは本当でしょうか」


「その通りです。俺たちの故郷で祭られている女神で、この国周辺では知らない名前の女神です。土地と神器が用意できたので、信者である俺が神殿を造ろうと考えましたら、神託が降りてきたわけです」


 本来とは若干異なるが神殿の条件は神アコトカから聞いたので、まるっきり嘘を言っているわけではない。


「私への神託は神殿建設の立ち会いとなりますので、神アコトカ様がお認めになる女神なのでしょう。前回の神託もありますから、快く引き受けたいと思っています」


「助かります。場所はランダーにあるので俺たちが案内しますが、いつごろならおこし頂けるでしょうか」


 神殿長の移動なので護衛はいるはずだが、中位魔物がいる荒野への移動になるので安全に配慮したかった。俺とレネがいれば中位魔物は脅威ではないし、俺たちの強さを魔物は感じているのか、拠点周辺には魔物が近寄らなくなった。


「危険なランダーに神殿を造るのですか。案内して下されば助かりますが、準備がありますので3日後でも平気でしょうか」


 場所を聞いて、ヴォルンさんとピーノスさんも驚いていた。


 そのごに詳細を話し合った。護衛の人数も多くなりそうで、現状では全員を拠点に泊まってもらう余裕はないので、日帰りで帰れる日程とした。3日の日の出とともにルーペンを出発することで整合した。


 話がまとまったときに部屋の扉が開いて、ひとりの男性が入ってきた。ヴォルンさんに耳打ちして話しが終わると、ヴォルンさんが俺たちに視線を向ける。


「アコトマ神殿へも同様な神託があったそうです。日程はアコトカ神殿に合わせるらしいので、3日後の朝に出発すると伝えして平気でしょうか」


 もうひとりの神も、レネの神殿を認めてくれてうれしかった。


「それで大丈夫です」


「分かりました。日程や詳細は私から伝えておきます」


 すべての話し合いが終わって、俺とレネはアコトカ神殿をあとにした。日程をミネラルとハーブへ伝えるために、寄り道をせずに拠点へと戻ってきた。

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