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第十七話 アイデンティティ

どいつもこいつも、ムカつく!

夫と絵美が家に帰って来たら、お灸を据えてやるんだから・・・!

夫や松山たちから放置された私は、家に帰ることにした。


家に帰ると、すぐ異変に気がついた。

家の荷物の大半が無くなっているのだ。

なんでなんで!?どういうこと!?もしかして空き巣被害!?!?


私の荷物は無事だが、夫と絵美の荷物が無くなっている。

テーブルの上に、書類が置いてある。


「え・・・離婚届!?!?」


そこには、いくつかの書類が置いてあった。

特に緑色の書類は一目瞭然なので、私は絶句した。

その他にあった書類は、押印済みの離婚給付等契約書、登記原因証明情報、登記識別情報通知などだ。

夫の委任状や印鑑証明書なども置かれている。

そして、夫からの手書きのメモもあった。


「頼りない夫の私は、もうあなたのお役に立てないと判断し、離婚を決断します。もう二度と関わらないようにしましょう。これらの重要書類を記入したら、直近の月曜日に役所へ持って行って構いません。ただ、一つだけお願いがあります。月曜日から別々の道を歩むため、今日と日曜日だけはどうか、私と絵美の二人きりの思い出を作らせてください。誠に勝手ですが、今日は絵美と旅館にでも泊まって来ます。   白石和也」


夫は絵美との「最後の思い出作り」として、土日だけは絵美を貸して欲しいと言ってる。

これから絵美と二度と会えなくなるのは可哀想だから、まあ二日間ぐらいは許してやってもいいかな。


それより、私は簡単な役所手続きしか知らないため、置かれた重要書類を見てもよく分からない。

分かんない分かんない。

・・・これってどういう意味の書類?

私はインターネットで「わかりやすく」で検索した。


簡単にまとめると「離婚に同意してくれれば、夫の家の所有権を私にくれる」「その代わり、二度と接触しないで欲しい」らしい。


え?ローン完済済みの、このマイホームを、私にくれるの!?

これ、実質私の勝ちじゃ~ん!

だって、頼りない夫が出て行ってくれるんでしょ?

これからは、私と絵美の二人きりの暮らしになるんでしょ?

私が絵美を独占できるってことなんだ!


「その代わり、夫と二度と接触しないで」ですって!

当たり前じゃない!頼りなくて絵美を甘やかす存在なんだから、こっちから願い下げよ!

夫はこの家を「手切れ金」代わりに離婚して欲しいようだ。


夫は倹約家で貯金がたくさんあるから、おそらく多額の養育費を送ってくれるに違いない!

今まで私が短時間パートをしていたのは、このダメ夫がなかなか貯金を私にくれなかったせいよ。


結婚してすぐの頃は私に通帳管理を任せてくれてたのに、「そんなにたくさん高い洋服やバッグを買っても全然使わないじゃん」と不満を言い、一年も経たないうちに通帳を取り上げられた。

分かってないな~。

女は高い洋服、高いバッグを着飾ってお出かけするのがステータスなの!

私は夫と違ってセンスがあるから、お気に入りの洋服を着飾って町を歩けば皆が振り替えるの。


一度、夫が仕事で家に居ない間に通帳を借りてお金を下ろし、新しい洋服とバッグを買った時は怒られた。

その後、勝手に通帳の暗証番号を変えられていたのには心底呆れた。


まあ、もうそんなことは気にしなくてよい。

これから私はこのマイホームの主として、絵美と幸せに過ごしながら、夫からの養育費で"丁寧な暮らし"を実現できるんだ!


家も手放し、養育費も払い続ける生活を選ぶなんて、やっぱり夫は頼りない、おバカさ~ん♪

私は喜んで「同意」することにした。

今日は土曜日で役所が閉まっているため、月曜日が待ち遠しくて仕方ない・・・!

「いや~、白石さん。すごい決断を、されましたね・・・。」

「もう、私も限界だったんです。娘が、絵美の笑顔がどんどん無くなっていって。それに絵美は以前まで"私はこうしたい"ってよく提案していたのに、最近は"ママがダメって言うから、どれが良いか分かんない"って言うようになったんです。妻というか、元妻になりかけている人があれもこれもダメ出しするから、自分の意思が持てなくなったんだと思います。それに、私も子育てに参加しようとしても"あなたは頼りないから口出ししないで!"とか"私の人生を邪魔しないで!"とか半狂乱になるんです。」

「う、うわー・・・。」


私は大場モールのイートインスペースで、パパ友の松本さん、木村さんに「離婚要請中」の話をした。

さすがに子供たちには聞かせられないため、少し離れた席にいるママさんたちに子守をお願いしている。


「ローンを完済したマイホームを捨ててまで、追い詰められてたんですね・・・。」

「俺らも、気づいてやれなくて悪かった!」

「いえ、これは私ら家族の問題なので、他のご家庭を巻き込むわけには行かないと思ったんです。でも、私が悩みすぎて精神科に通い始めた時、たまたま研修医だった優さん・・・今回のヒーローショー特別招待をしてくれた優さんが手助けしてくれたんです。」


私は、精神科に通い始めた頃の話を松本さん、木村さんに明かした。


主治医の横で真剣に話を聞いていたのは、研修医時代の松山優さんだった。

私が何度か通院した頃、こっそり廊下の一角で呼び止められ、個人的に連絡先を交換することになった。

どうやら彼のお父さんは、この地域では「勝ち確の弁護士」と呼ばれる方だそうで、今は表向きは引退したふりをしているらしい。

あまりにも勝つ確率が高過ぎるせいか、反社会的勢力との繋がりを疑われたり、賄賂疑惑、他の弁護士による圧力などを受け、まともに弁護士として働けなくなったそうだ。


今でも弁護士の資格は更新し続けているものの、事務所は撤退したらしい。

現在は別の在宅ワークをされているそうだが、どうしても正当に助けが必要な人には秘密裏に手を差し伸べているとのことだ。


そしてその息子である優さんは、私の娘・絵美の話を研修医として主治医の横で聞いていたから、どうしても助けたくなったのだと言ってくれた。


それを聞いていた木村さんが、突如拳を反対の手の平に叩きつけてこう述べた。


「俺、その弁護士知ってるぞ!別名"理詰めの松山"だろ!?この前は、商業施設の至るところで"お客様は神様だ!"と喚き散らしながら迷惑をかけていたジジイの汚職を暴いたんだってな!」

「木村さん、なんですかそれ!」

「松本さん、知らないの!?一丁目の肉屋さんを経営してる頑固ジジイが居ただろ?あいつが最近姿を消したのは"理詰めの松山"が暗躍して、多額の脱税をしている証拠を国税局に叩きつけたそうだ!どうやって見抜いたのかは松山氏も言わないらしいが・・・。」

「へぇ~・・・木村さん、詳しいですね!」

「俺は地主だし不動産業もやってるからな!そういう話はすぐに伝わってくるんだよ!俺はスキンヘッドでこの顔だから、"理詰めの松山"よりよっぽど俺の方が"その筋"だと呼ばれがちだけどよ!がははは!」


木村さんは顔が広いし、良い意味で「昭和の汗臭い豪快な親父」みたいなところが素敵だ。

私は頼りなさそうだとか優し過ぎるだとか言われるため、密かに憧れている。

確かに、初めて保護者会でお会いした時は"その筋"の方に見えてしまったものの、実際はとてもおおらかでいつもギャグをぶちかまし、年下パパ友からのツッコミを喜ぶ、コミュニケーションオバケだ。

一回り以上年下のお嫁さんをもらわれたのも納得だ。


「それにしても白石さん。マイホームを奥さんに渡すとなると、これからどうするんですか?」

「実は、後先考えずに出てきてしまいました・・・。」

「えぇー!!」

「どうしても妻から逃げ出したい一心で・・・。でも、実は松山弁護士の提案なんです。"今までよく頑張りましたね。私に良い考えがあります!あなたと絵美さんはすぐに家から立ち去ってください!その辺の手続きも含めて、私に任せてください。私の手にかかれば、あなたは勝ち確です!"って言われまして。しかも、引っ越し業者の手配と代金全額、全て松山弁護士がご負担すると言い出して・・・。」

「そ、そんなことってあるんですか!?」


私と同じくらい普段は物静かな松本さんは、何時になく動揺する。


「私にもよく分かりません。私は精神的に追い詰められると視野が狭くなってしまうので、気づいたらこんな状況になっています。持ち出した私と絵美の荷物は、一旦松山弁護士のご自宅の、お客様用の離れに置いててくれるそうです。なんならしばらく離れで居候してもいいなんて言われましたが、私としては恐縮過ぎるので、ボロアパートでも良いので早く物件を探さないと・・・。」


すると、突然木村さんが立ち上がり、ポケットに手を入れて顎をしゃくれさせる。


「チョマテヨ。」

「き、木村さん?」

「ちょ、待てよ!なんで俺に頼らないんだよ!実は先月、住人がマンションを退去した物件があって、運良く空き部屋なんだよ!ちょ、待てよ!家賃は白石さんが落ち着いてからで良いから・・・俺んとこ来ないか?テッテッテッテッテレレレ~♪Ah hoo~!」


私と松本さんは唖然とする。

どうやら木村さんは、国民的アイドル出身の国民的俳優と、リーゼント頭のロックバンドの物真似をしたようだ。

あまりにも似てなさ過ぎて、私と松本さんは顔を合わせて笑ってしまった。


「へへへへ!木村さん、それってもしかして、同じ苗字のハンサム俳優の物真似ですか?全然似てませんよ!そんなにしゃくれてませんから!」

「がははは!松本さんも・・・言うよね~!どんだけ~!背負い投げ~!」

「次はオネエかよ!!スキンヘッドでそれはキツイですって!!」

「んがっははははっ!!!」


松本さんと木村さんは腹を抱えて笑っている。

そんな姿を見ていた私も、つられて大笑いしてしまった。


「よしよし!白石さんがやっと大笑いしてくれた!笑うと幸せホルモンがたくさん分泌されるんだぞ!良い事だ!じゃあ、さっきの話通り、俺が管理してるマンションの空き部屋を使うってことで良いかい?何ならヒーローショーの後で内覧しても良いし!ちなみに4階の角部屋だから、景色も良いぞ!」

「そ、そんなに良いお部屋を・・・ありがとうございます!絵美が見たいと言ったら、今日内覧させていただいても良いですか?」

「もちろんだ!そんなに家賃が高いマンションでも無いから、あまり心配するなよ!それと、白石さんはもう少し砕けた話し方をしても良いぞ!俺はいつでもツッコミ待ちだから、松本さんみたいにツッコんでくれて良いからな!がははは!」

「き・・・木村の兄貴っ!私、一生着いて行きます!」

「おいおい、一生は面倒見きれんぞ!がははは!」

「へへへへ!」


豪快な笑い方の木村さんと、独特な笑い方の松本さんと一緒に、私も大笑いする。

元気づけてくれて・・・ありがとう!!!


* * *


僕が控室でヒーローショーの衣装に着替えて待機していると、絵美ちゃんパパご一行が楽屋挨拶に来てくれた。


「ヒーローのお兄ちゃん!」

「兄ちゃん!やっぱ衣装着るとかっけぇー!」

「おれたちも兄ちゃんみたいになりてぇーよー!」

「皆、ありがとう!大丈夫、皆もたくさん練習すれば、ヒーローになれる!!」


彼らは目を輝かせながら、僕に話しかけてくれる。

しかし、絵美ちゃんはどこか悩んでいるような顔をしている。


「絵美ちゃん、どうしたの?」

「ママが、絵美は女の子だからヒーローにはなれないって言ってた。女の子は魔法少女に決まってるって。ヒーローはケンカばかりで危ないからダメって・・・なんでもダメって言われる。」

「大丈夫だよ、絵美ちゃん。・・・すみませ~ん!!歩さ~ん!!こっちに来れますか~!?」

「うrrrrっるせぇな松山!そんなにデケェ声で呼ばなくても聞こえるってんだよ!」

「!」「おわっ!」「なんだこの姉ちゃん!?」


絵美ちゃんと松本君と木村君が驚く中、普段から言葉遣いが雄々しい山口歩さんが、ヤンキー歩きでやって来た。


実は、サンセットで一度も会わなかったものの、彼女もつい最近まで惣菜部門でフルタイムのパートだったらしい。

世間って狭い。


「以前の杉田さん」との大乱闘(口喧嘩)に収拾がつかず、そのまま出て行ってしまったそうだ。

ちょうどタイミング良く(?)はやり病にかかり、その欠勤中に転職計画を練っていたらしい。


しかし、その豪快な言葉遣いが一般企業ではなかなか通じないらしく、苦戦したと言う。

現在、歩さんはコンビニの深夜パートとして働きながら、僕と同じように"臨時キャスト"として召喚されている。

ちなみにキャスト歴は、歩さんの方が数ヶ月先輩だ。


「なんだ松山!文句あんのかテメェ!あたしにケンカ売るとは、良い度胸じゃねぇか!」

「歩さん、僕はケンカを売っているわけではありませんよ。ただ呼んだだけです。でも、歩さんはケンカ腰がデフォルトであることに僕は気づいています。怒っているのではなく、これも歩さんにとっての挨拶みたいなもんですよね。」

「っっったりめぇよ!こんなんで泣くような奴は、悪の大王には勝てねぇんだよ!」

「でも、歩さん。キャストの仕事もコンビニの仕事も、お客様商売です。言葉遣いは慎んだ方がよろしいかと、僕は思います。オンオフを切り替えてこそ、プロの証です!」

「そんなこと分かっとるわ!さすがにコンビニの仕事中はこんな言葉遣いせんわ!でもキャストの仕事は、この口調が台本にも使われるようになったから今は良いんだよ!猪之助みてぇなもんだと思え!」

「・・・お、お姉ちゃん、だれ?」


歩さんのケンカ腰口調に、絵美ちゃんたちはたじろぐ。

無理もない。

子供から見ると怒っているようにしか感じない言葉遣い、マイクを置いて引退した"時の歌手"のようなクールビューティーである彼女は、ヒーローショーを見に来た子供たちによく怖がられるそうだ。

しかし「これがあたしのアイデンティティだから良いんだよ!」と、本人は気にしていない。


* * *


歩さんは、ジェンダーレスだ。


ヒーローショーの臨時アルバイトが始まりたての頃、元々歩さんは「ピンク戦士」として可愛らしいプリーツスカートの衣装と巻き髪ロングヘアで参戦しており、言葉遣いも柔らかい役柄だった。

しかし、彼女は運営の脚本家に物申した。


「なんであたしのセリフは"そうだわ!"とか"覚悟するのよ!"みたいな口調なんだよ!こんな言葉遣いをする女、日常生活で見たことあんのかてめぇは!一度女子高に行ってみろ!誰もそんな奴いねぇよ!むしろ男子校より言葉遣いが荒々しいまであるぞ!私は別にフェミニストでもねぇけど、女のアイデンティティを勝手に決めつけんじゃねぇー!一人ぐらい荒くれ者の女キャラが居ても良いだろが!・・・っていうのが、あたしの"一部の意見"だ!お前ら、勘違いすんじゃねぇぞ、全てをまともに受け取るんじゃねぇぞ!あくまで"一部の意見"として叫んだだけだ!ピンク戦士はキューティー路線じゃないとダメって言うんなら、あたしだって化けてやっからよぉ!それが役者ってもんよなぁ!」


「女性に幻想を持った」男性脚本家に、歩さんは"一部の意見"として伝えた。

女性に免疫の無いその男性脚本家はショックを受け、その場で失禁した。

「レッド戦士」役の男性キャストも同じように失禁し、恥ずかしさのあまりか、蒸発してしまった。


本来は「三人合わせてサンレンジャー」だったのに、僕と歩さんの二人になってしまった。

仕方なく「ブルー戦士」の僕が「レッド戦士」にキャスティングチェンジされる。


また、恐怖でおののいた脚本家の彼は歩さんの覇気に負け、彼女の配役やセリフ、衣装なども全て変更した。

歩さんの役は「ピンク戦士」から「ブルー戦士」に変わり、プリーツスカートはパンツスタイルに変更。

髪型は巻き髪ロングヘアではなく"時の歌手"のようなショートヘア(地毛)で許可された。

歩さんの苗字と顔立ちも相まって「"時の歌手"の再来だ!」と話題になり、最近ではマダム層や女性ファンも急増している。


「男と女は骨格と力に大きな差があるから、"生物学的に区別"することは仕方ねぇ!でもよぉ、"女の子は女の子らしい言葉遣いをしなくちゃいけない"とか"女の子キャラはスカートであるべきだ"とか決めつけられても困るってんだよ!女だってズボンしか履きたくねぇ奴もいんのによぉ!」

「なるほど、僕にはよく分かりません!」

「お、おう、分かんねぇか。まあ、分かんねぇならそれでいい!"男口調の女性はあり得ない!"と理解しない奴らにいくらこちらが説いたって"男口調の女性の気持ち"なんて、一生分かるはずがねぇからな!その逆も然りだ!ただ、たとえ理解し合えなくても本音で話し合える環境ぐらいあって良いよな?"会議"ってそのためにあるんだよな?そういう意味で私は脚本家に叫んだだけだ!あの脚本家にはわりぃことしちまった!仕事が終わったら詫びの印に、あいつにメシでもおごってやっか!お前も来るか?」

「はい!僕も便乗します!でも、歩さんがお詫びしたいのは脚本家の彼だけだと思うので、僕は割り勘で構いません!」

「うるせぇー!お前にも奢らせろやぁー!!」

「分かりましたぁー!奢られまーす!!」

「焼き肉だ焼き肉ぅー!食べ放題に行くぞぉー!食事はやっぱり、映えよりも量だおrrrrらぁー!」

「よっしゃー!焼き肉ぅー!」


特に自己紹介をしたわけでもないのに、なぜかこうして僕と歩さんは仲良くなった。

今でもたまにLINEでやり取りをする仲である。


* * *


ショーが始まった。

私の隣で、絵美は目を輝かせている。


「はっはっはっ!悪の大王の俺様と戦うなんて!良い度胸だ!」

「悪の大王!今日こそ勝負をつけようじゃないか!俺たち正義戦隊!サンレンジャー!」

「はっはっはっ!なにが"サンレンジャー"だ!お前たちは二人しかいないのに!」

「うrrrrっるせぇな!あたしらを応援してる子供たちが、この世界にはたくさん居んだぁ!子供たちの想いをあたしらが背負って"サンレンジャー"が完成してんだよぉー!!おめぇには仲間の大切さが、一生分からねぇだろがなぁー!行くぞおrrrrらぁーーー!!」


ブルー戦士役の女性は、やけに威勢の良い役柄だ。

うちの妻が「亜熱帯のじめっとした不快な暑さ」だとしたら、この女性は「カラッとしたベタつかない暑さ」のようで、不快指数の低い感じが観ててスカッとする。


しかし、「行くぞおrrrrらぁーーー!!」なんて、正義の戦隊ものというよりツッパリ青春アクション映画みたいだけど・・・これでいいのかな?

まあ、たまにはこんなヒーローショーがあっても良いよね。

他のパパ友グループより少し上の年代である私、松本さん、木村さんには、こっちの方が懐かしくて好きかもしれない。


それに、高飛車な女性が好きな「そういう癖のある層」には堪らないんじゃないだろうか?

実際、私たちの座る最前列から左に寄ったところに、鼻の穴をフガフガさせる薄毛で黒髪の小太り男性が座っている。


なんか、妻の勤めるスーパーの店長さんに少し似てる気もするが・・・。

店長さんはメガネをかけてないし・・・他人の空似かな?

「おもしろかったー!」

「絵美、ヒーローショーが観られて良かったね!パパも嬉しいよ!また今度も観に行こうな!」

「やったぁ!青のお姉ちゃーん!カッコよかったよー!バイバーイ!!」

「( ̄ー ̄)b」


ブルー戦士のお姉さんは「バッチグー」とでも言いたげに、親指を立てて絵美にアイコンタクトする。


「お兄ちゃんもバイバーイ!」

「( ゜∀゜)ノシ」


キャストのお二人は、役が終わると喋ってはいけない業務規定でもあるのか、アイコンタクトとジェスチャーだけで退場して行く。


「パパ!私も青のお姉ちゃんみたいになれるかな?」

「な、なろうと思えば、なれるんじゃない?ただ、パパとしては優さん・・・赤のお兄ちゃんみたいな優しい戦士になって欲しいかな・・・。」


ブルー戦士のお姉さんみたいに、ジェンダーに囚われない生き方をすることは反対しない。

ただ、ブルー戦士のお姉さんみたいな言葉遣いで成長すると、将来の絵美が苦労するかもしれない。


今日は松山弁護士のご自宅の離れに泊めていただけることになってるから、できれば優さんのような言葉遣いを学ばせて、優さんみたいな戦士になって欲しいなぁ~なんて密かに願う。


しかし、これはあくまで「父親としての意見」だ。

絵美が今後どう生きるかは、誰でもなく本人次第。

親は必要以上に干渉し過ぎず、道を踏み外さない手助けをこっそりしてあげるだけでいい。

これからは、「絵美自身が選べる人生」を応援しよう。

でもあの言葉遣いはなぁ~・・・。

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