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放浪王子と引きこもり姫の追放社不結婚  作者: 熊出
第九章・成人期ヘンリル国編

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「今、とっても悪いことを考えていますね?」

 人の波が動き始めた。

 一点へ向かって歩き始める。

 俺達もその波に乗ることにした。


 歩いていく。その先に、食材の山が見える。

 それが白服の男達に一人ずつ手渡されていく。

 俺達の番が近づく。


 ミリィに問う。


「彼らはどうだ、記憶はあるか」


 ミリィは沈んだ表情で返す。


「残念ながら、彼らも昨日の記憶も曖昧なようです。ただ、反射的に同じ行動を繰り返している」


「ううむ。最低限の行動さえ取れれば日常に支障はないということか。勉強になるな」


「で、どうする?」


 リンドが静かな表情で俺に聞く。

 妹の病を治すために錬金術の知識が欲しい彼女。

 ヘンリルへ辿り着けたことは一縷の望みだった。


 ミリィが俺の顔を覗き込んで苦笑する。


「今、とっても悪いことを考えていますね?」


 俺は苦笑する。


「俺は所詮社不だ。王の器ではないのかもしれないな」


 リンドは戸惑うような表情をしている。


つづく

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