「千五百年続く恨み、ですか……」
俺達は一旦引き返し宿屋で作戦会議を開いていた。
「千五百年続く恨み、ですか……」
ミリィが戸惑うように言う。
「そういうことなのだろうな」
俺は重々しく頷く。
「けど、ヒントはあった」
そう言うのはリンドだ。
「人魚の血は若返りの力がある。病の薬にもなるかも」
俺たちは黙り込む。
「一歩前進じゃない」
脳天気なリンド。
「何も前進してはおらぬのだ」
俺は途方に暮れたように言う。
「歌は相変わらずの鉄壁。我々にそれを破る手段はない。情報は得ても進展はしておらぬのだ」
沈黙が漂う。
「仲間を喰われれば、それは警戒もいたしましょうね」
ミリィは溜息まじりに言う。
「全く迷惑な王様……」
リンドは忌々しげに言うが、声に勢いはなくなっている。
沈黙が漂った。
「あるいは」
ミリィは呟くように言う。
「我々に害意がないことが伝われば受け入れてもらえるかも」
俺は腕を組んだ。
「しかし、王にも害意はなかった。それが効果を知った途端に豹変したのだ。我々が受け入れられる保証がどこにある」
「何事も、試してみなければ」
ミリィはやれやれとばかりに腰掛けていたベッドから立ち上がって杖をつく。
「リンドさん、手伝っていただけますか?」
リンドは目をしぱたかせるように言う。
「私? 私魔法は門外漢よ?」
「大丈夫、貴女の真心があれば良いのです」
ミリィは静かな口調で言った。
つづく




