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放浪王子と引きこもり姫の追放社不結婚  作者: 熊出
第八章・成人期ラハル国編

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「その話、乗った!」

 リンドは宿で勢いよく体を起こした。

 そしてキョロキョロと周囲を見回す。


「ここは⁉︎」


「宿だ」


 淡々とした口調で答える俺。


「あのままの姿では風邪を引いてしまっただろうから、妻が着替えさせた」


 俺は淡々と続ける。

 リンドは自らの体を見て、納得したようだ。

 そして、ベッドを降りる。


「伝説は本当だった! 人魚はいる! 私はもう一度……!」


 そう言って大剣を引っ掴んで歩き出す。


「歌にはどう対処するつもりだ?」


 俺は苦い顔で言う。


「私にはヘンリルで得た対魔道具が……」


 そう言って、周囲を見回して、情けない表情になる。


「私の荷物は知らないかな」


「大方、海に流されたのだろう」


 ひしがれたような表情になるリンド。

 ミリィが帰ってくる。


「王都で色々情報を仕入れてまいりました」


「して、成果は?」


「王都には魔法使いは国王しかおりませぬ」


 ミリィは何気ない口調で言った。


「つまりは、忍び込み放題でございますれば」


 リンドの目が輝いた。


「その話、乗った!」


「とことんついてくるつもりだな」


 不確定要素が旅についてくる。

 中々未知の旅になりそうだった。



つづく

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