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「その話、乗った!」
リンドは宿で勢いよく体を起こした。
そしてキョロキョロと周囲を見回す。
「ここは⁉︎」
「宿だ」
淡々とした口調で答える俺。
「あのままの姿では風邪を引いてしまっただろうから、妻が着替えさせた」
俺は淡々と続ける。
リンドは自らの体を見て、納得したようだ。
そして、ベッドを降りる。
「伝説は本当だった! 人魚はいる! 私はもう一度……!」
そう言って大剣を引っ掴んで歩き出す。
「歌にはどう対処するつもりだ?」
俺は苦い顔で言う。
「私にはヘンリルで得た対魔道具が……」
そう言って、周囲を見回して、情けない表情になる。
「私の荷物は知らないかな」
「大方、海に流されたのだろう」
ひしがれたような表情になるリンド。
ミリィが帰ってくる。
「王都で色々情報を仕入れてまいりました」
「して、成果は?」
「王都には魔法使いは国王しかおりませぬ」
ミリィは何気ない口調で言った。
「つまりは、忍び込み放題でございますれば」
リンドの目が輝いた。
「その話、乗った!」
「とことんついてくるつもりだな」
不確定要素が旅についてくる。
中々未知の旅になりそうだった。
つづく




