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「急に食べるから……私は治癒の術は知りませぬよ」
噴水の傍では氷菓が売っていた。
注文して、皿に乗ったものを手に取り、近場のベンチに座って二人で食べる。
「人魚か……古代にはそんな生物が実在したのか?」
人魚は人間の半身と魚の尾鰭を持つという。歌が達者だそうだ。
「スカーレット様にも聞いた覚えがござりませぬね。しかし、師事したのが高々一ヶ月であれば、知識の全てを知ったとはとても思えませぬ」
「しかしヨルムドまで戻ると言うのも手間よな」
そう言って、俺は氷菓を口の中にかきこみ、立ち上がる。
そして、頭痛がして座り込む。
「急に食べるから……私は治癒の術は知りませぬよ」
呆れたようにミリィが言う。
「国立図書館に行ってみよう。建国神話があるはずだ。そこに人魚に関する生態も載っているかもしれない」
ミリィは顎に手を当てて考え込むと、呆れたように言った。
「ゆっくり食べるから、ちょっと待ってくださいませ」
「うむ」
少々気恥ずかしい俺だった。
つづく




