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放浪王子と引きこもり姫の追放社不結婚  作者: 熊出
第八章・成人期ラハル国編

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「急に食べるから……私は治癒の術は知りませぬよ」

 噴水の傍では氷菓が売っていた。

 注文して、皿に乗ったものを手に取り、近場のベンチに座って二人で食べる。


「人魚か……古代にはそんな生物が実在したのか?」


 人魚は人間の半身と魚の尾鰭を持つという。歌が達者だそうだ。


「スカーレット様にも聞いた覚えがござりませぬね。しかし、師事したのが高々一ヶ月であれば、知識の全てを知ったとはとても思えませぬ」


「しかしヨルムドまで戻ると言うのも手間よな」


 そう言って、俺は氷菓を口の中にかきこみ、立ち上がる。

 そして、頭痛がして座り込む。


「急に食べるから……私は治癒の術は知りませぬよ」


 呆れたようにミリィが言う。


「国立図書館に行ってみよう。建国神話があるはずだ。そこに人魚に関する生態も載っているかもしれない」


 ミリィは顎に手を当てて考え込むと、呆れたように言った。


「ゆっくり食べるから、ちょっと待ってくださいませ」


「うむ」


 少々気恥ずかしい俺だった。



つづく

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