「王が引き籠りであるか」
王都の立て札を見て俺達は途方に暮れた。
来客お断り、とある。
見上げると、門は堅く閉ざされている。
「王が引き籠りであるか」
思わずぼやく。
「不死者殺しの一件があるから仕方ありますれば」
ミリィも沈んだ表情で言う。
「国を治めるのは仙人という。仙人に聞けば長寿の秘訣も分かるのではないかと思ったが……」
「私は、最近思うのです」
ミリィは苦笑混じりに言う。
「不老の法はあっても、丁度塩梅の良い長寿の法などないのではないかと」
「長寿の法の先に不老の法があったと考えたほうが自然ではないか?」
俺は首を傾げる。
「しかし、スカーレット様も存じませんでした」
ミリィはすっかり弱気になっているようだ。
「大人になった息子の姿は見たくないか」
励ますように言う。
「それは、見たいですけど……」
「それに、私はそなたと老後まで生きたい。傍にいて欲しいのだ」
ミリィは無言で、俺の腕に腕を絡めた。
そして、苦笑する。
「全く、私の旦那様は甘えん坊でございますれば」
俺も苦笑する。
「そうだ、甘えん坊なのだ」
そう言って身を寄り添わせる。
「まずはこの地の仙人の不老の法について調べよう。この国の名は、なんと言ったか」
「ラハル」
ミリィは歌うように言う。
「水の都、ラハルです」
つづく
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