「貴方の歳月感覚のほうが私からすれば馬鹿げた規模、です」
「これらには確かに多少の長寿の効果がある。しかし見る限り一年や二年程度しか効果があるとは思えませぬ。さらには効果は重複しないようだ」
男は顎に手を当てて微笑む。
「そこまでわかるか」
「スカーレット様に指導承ったゆえ」
「なら、この中の林檎に、一個の凝縮体がある。それは真なる不老の効果があるだろう。そなたはその見分けはつくかな?」
ミリィは探知網を広げる。
一個だけ、異なった反応があった。
「見つけました」
男は苦笑する。
「馬鹿げた規模の魔力量だ」
「命を少々消費しました。まあ一時間程度ですが」
「持っていけ。千年に一つの果実だが、そなたに譲ろう」
「千年……」
ごくりと息を呑む。
錬金術が発達したという古代の時代。
どんな文明があったのだろう。
想像ができないスケールだ。
「貴方の歳月感覚のほうが私からすれば馬鹿げた規模、です」
「はっはっは。私はまた待つさ。千年。また新たな来訪者が現れるまで」
「では、旦那が待っているので林檎をもらって失礼します」
「ああ。ついでだ、普通の林檎も一個齧っていくと良い。君の言う通り一年や二年の効果だが、まあないよりはましだろう」
「ありがとうございます」
深々と礼をしたミリィだった。
黄金の林檎は、見つかった。
つづく




