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放浪王子と引きこもり姫の追放社不結婚  作者: 熊出
第五章・成人期イリス国編

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「貴方の歳月感覚のほうが私からすれば馬鹿げた規模、です」

「これらには確かに多少の長寿の効果がある。しかし見る限り一年や二年程度しか効果があるとは思えませぬ。さらには効果は重複しないようだ」


 男は顎に手を当てて微笑む。


「そこまでわかるか」


「スカーレット様に指導承ったゆえ」


「なら、この中の林檎に、一個の凝縮体がある。それは真なる不老の効果があるだろう。そなたはその見分けはつくかな?」


 ミリィは探知網を広げる。

 一個だけ、異なった反応があった。


「見つけました」


 男は苦笑する。


「馬鹿げた規模の魔力量だ」


「命を少々消費しました。まあ一時間程度ですが」


「持っていけ。千年に一つの果実だが、そなたに譲ろう」


「千年……」


 ごくりと息を呑む。

 錬金術が発達したという古代の時代。

 どんな文明があったのだろう。

 想像ができないスケールだ。


「貴方の歳月感覚のほうが私からすれば馬鹿げた規模、です」


「はっはっは。私はまた待つさ。千年。また新たな来訪者が現れるまで」


「では、旦那が待っているので林檎をもらって失礼します」


「ああ。ついでだ、普通の林檎も一個齧っていくと良い。君の言う通り一年や二年の効果だが、まあないよりはましだろう」


「ありがとうございます」


 深々と礼をしたミリィだった。

 黄金の林檎は、見つかった。



つづく

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